Fateセカンドクラス   作:佐藤夜空

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第45話

鳥肌が立ち――

「アイボウ! ワタシを連れて行ってクダサーイ!」

「オンナ、ニガサナイ、ニガサナイ……オカス!」

 ――火花の焦げ臭さが鼻孔を掠めた。

「アサシンだな……悪いが、派手じゃない奴は討伐対象だ!」

「ソウカ、ソウカ。キサマ、ラが……例の、シンプを邪魔するヤツ……」

 振るわれた刃へ飛び、セイバーの蹴りを躱す。

「コロス! コロスコロスコロスコロス」

 フェンス上に片足を置きながらケタケタと嗤うアサシン。

「同じことを何回もペラペラと……全くもって、伊達男じゃねぇーな、あんた」

 刀を空振りし、セイバーは構える。

 ……私がやるべきことは、きっと。

 ポケットの中へ手を忍ばせ、魔力を流す。

「どちらも美学を感じませんね……」

 ポリ袋の擦れ音が静寂を破き、心臓が引き締めた。

「死ぬ時くらいは、仲良く生を終えて下さい」

前から吹き付ける風が喉元を乾かしていく。

「ギャクサツ!」

「ストーンブレイク!」

爆発音が耳奥を裂き、砂煙が舞う。

「ナイスタイミングだ、ランサーのマスターよ! 相棒の代わりに礼を言う!」

「ケホッケホッ。前が見えないデース……」

 しゃがみ込むエマの肩を掴み、後ろへ走りを加速させる。

「アーチャーの次の攻撃が来る前に、エマを相棒の元へ届けるわ!」

「杏サーン……やっぱり」

 美しい旋律と金切り声が足元の筋肉を強張らせていく。

 ……全敵のヘイトが私達に向かっている状態で、固まるのは逆効果。

 脚を止め、少量の砂を握る――

「私はいいから、相棒の元へ行きなさい!」

「デスガ……」

 月光が雲に隠れ、薄暗い視界に赤が揺らめいた。

「ギャクサツ……スル」

「ストーンブレイク!」

 ――一直線に引かれた死線へ砂柱を合わせ、飛ばす。

「オマエカラ……コロス」

 砂塵から現れた赤が爪を立てている。

「エマ! もたつく暇があったら、この土地に居る人々を救いなさい。私には縁が無いけれど、アナタにはあるでしょう?」

「そう……デスネ。杏サーン、ワタシ……」

 鉄臭い血の匂いが鼻孔に貼り付く。

「ホウグ――クリム・サン・トラス」

 目の前からアサシンが消えた。

「行くぞ、相棒よ! この雷鳴と共に、派手になぁ!」

 轟いた雷が耳奥を甲高く鳴らし、後ろ髪が逆立つ。

 ……私、生きている?

 点滅した視界が徐々にぼやけ、心臓を不安定に叩く。

「ギャァァァァ! イタイイタイイタイイタイ……ナニガ、オキタ」

 転げ回るアサシンから湯気が立ち込め――

「セイバーの置きミヤゲデース! 杏サーン、なるべく早くタオシマース!」

 頭上を通り過ぎた青龍は、うねりながらアーチャーの元へ向かっている。

「ランサーのマスターよ、コレで先払いは済んだはずだ。勇ましく、そして派手に耐えておけ!」

 鼻孔を抜けた死臭が眉根を歪ませ、握った砂袋が震えた。

 ――雨音が絶叫を掻き消していく。

 

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