Fateセカンドクラス   作:佐藤夜空

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第50話

「相棒達よ、派手に青龍へ飛び乗れ!」

「わ、分かったデース! 相棒、早くセイリュウを出してクダサーイ!」

 立ち上がり、青龍の顕現を待つ。

「作戦も何も……思いついていないわよ。セイバー、アナタなら多少なりとも、この状況を……」

「作戦は思い付いていない! 派手に、勝つ!」

 絶望が這い上がり、口内が乾いていく。

「ど、どうするのよ!」

「もちろん、青龍を使い空中戦……」

「アイボウ! セイリュウが、出てきませんヨ!」

 吹き付ける暴風が胸騒ぎと共に心臓を強く叩いた。

「何故だ……青龍が派手に出ないだと? 魔力はある、権限の問題か……いや」

 伸ばした手を置き、セイバーの視線が上空へ向かっている。

「そうか、この女……派手になってきたなぁー全くだぁぁぁぁ!」

「出来る限り、面白い展開にはしてみました。合うかは分りませんが、ね?」

 渦中に轟いた声が心拍数を上昇させ、満天の星空が真っ白なベールに包まれる。

……何が起こっているの?

 紡いだ唇が血の味を広げていく。

 金属の匂いが鼻孔を通り過ぎ、目の前で隻眼が揺らめいていた。

「相棒よ、許せとは言わねぇーが。俺は、今から派手にヤツの一撃を真正面から防ぐつもりでいる……もし、俺に何かあれば……」

 刻まされた一拍が瞳を揺るがす。

「ランサーのマスターよ、俺のマスターを頼む……派手なだけで、悪い奴じゃない。聖堂教会の監督役のところへ、せめて送り届けてくれ」

 一瞬だけ、左甲の令呪をセイバーは見た。

「まさかセイバー。アナタ、自爆前提で、彼女の攻撃を?」

 視界右端で、金髪がなびく。

「アイボウ……杏サーンの話は本当ですか?」

「ふん、派手にヤツと戦えるだけでも、テンションは上がるぜ」

「レイジュを使いますよ? アイボウをシナセル訳にはいきませんよ!」

 赤く煌めく令呪――

「使えていたら、楽だったが……」

「レイジュをもってメイずる……セイバーよ、可能な限りタンドク行動を控えよ!」

 ――向けられた手の輝きが、闇に消えていく。

「ど、どうして。もう一度、ヤリマスヨ!」

 セイバーへ向けて繰り返される動作、現実が心臓を叩きつけてくる。

「もう、いい相棒。俺が派手に蹴散らさなければ、閉じ込められた状況を、令呪は使えないだろうな」

「ど、どうして……ワタシの前でイナクナッテッ……」

「それは違うな。俺自身、相棒を守りたいのもあるが、何より……派手に本気を出せる敵とやり合える事を。どれだけ待ち望んできたか!」

 囲むように円を描いていた風向きが内側を浸食し始めた。

「……ハハッ。何デースか、そのリユウハ」

「派手だろう?」

「ええ、とても……ハデでーすね!」

 零れたエマの涙が暴風に消え、深く頷いたセイバーが視界から消える

 

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