お久しぶりです。
タイトル、あらすじ、投稿時間を変更しました。
今回から書いた日の21:10に投稿します。
悪魔収容センターとは、人間に対して利益をもたらし得る悪魔の管理・研究を目的として設置された施設である。
収容対象は能力や友好度に応じて分類され、総合的な危険度が高い悪魔ほど地下深くに収容される。
民間はおろか、公安職員の中でも限られた者しか自由利用できない重要施設……そんな場所に招かれた新人デビルハンターが2人。
「マキマちゃんを殺そうとしたから、デンジさんブチギレてるんだ……ヤバい悪魔と契約させられちゃうんだぁ……」
「大丈夫だ、デンジさんはそんな酷いことはしない……はずだ」
「でも報告した時めっちゃ怖かったんですうぅ!顔に血管浮いてたんですうぅぅぅ!」
東山コベニと荒井ヒロカズ。
他に思いつかなかったとはいえ、森野ホテルから脱出するためにマキマを永遠の悪魔に差し出そうとした2人である。
「俺たちは…どんな悪魔と契約するんですか?」
荒井が恐る恐る尋ねると、前を歩くデンジは振り返らずに悪魔の名を口にした。
「筋肉の悪魔と、暴力の悪魔だ」
「「ぼっ……!?」」
2人の全身から冷や汗が吹き出した。
悪魔はその名が恐れられているほどに力を増すというが、暴力を恐れない人間など世界中を捜してもいないだろう。
どのような能力を与えられ、どのような対価を要求されるのか……想像もつかない。
気分は執行直前の死刑囚だ。
「着いたぜ、コイツが筋肉の悪魔だ」
3人が扉の前に立つ。
筋繊維が剥き出しになった巨大な蛇のような悪魔が、狭苦しい独房で蠢いていた。
「アハハははハ!デンジ様!デンジ様!こんにちは!」
「この2人の筋力を増やせ。ただしぶっ壊れねえ範囲でだ」
「分かりました!そこの2人!強くしてやるから俺に触れ!」
「ちょっ、ちょっと待ってくれ。対価の内容をまだ聞いてない」
「対価は一生懸命働くことだ!デンジ様のために働け!働け!アははハハ!」
寿命や欠損などの要求をされると考えていた荒井は拍子抜けしたが、ノーリスクで悪魔と契約できるはずがない!と思い直す。
「つまり死ぬまで公安で働けということか?」
「そんな深刻じゃねーよ。辞めたきゃいつでも辞めていい。一生懸命働けってのは単なる心構えだ」
しかしデンジにあっさりと否定され、荒井はいよいよ困惑したが……こんなにも都合の良い契約を断る理由は無い。
「分かった。俺は筋肉の悪魔と契約する」
「わっ、私も……お給料のためなら……」
扉を開き、脈打つ筋繊維に2人が触れる。
すると2人の筋肉が瞬く間に増強・圧縮され、容姿をほぼそのままにしながらの劇的な身体能力向上を果たした。
手を握ったり開いたりする動作だけで自分の身体が強くなったと分かる。
「これが筋肉の悪魔の力か…!」
「凄えだろ?でも本命は暴力の悪魔の方だ」
デンジの主目的は、荒井とコベニの“悪魔に対する恐怖感”を消すことである。
デビルハンターに向いているのは
場所は変わって、暴力の悪魔がいる部屋の前にやって来た3人。
金庫のように堅牢で重厚な扉を開けると、そこは刑務所の面会室によく似た部屋だった。
透明な仕切りの向こうは毒々しい色の煙で包まれていて中の様子は全く見えない。
「キミたちがデンジの言っていた荒井くんとコベニちゃんか。私の名前は暴力の悪魔、よろしく頼む」
スピーカーから低い女の声が響く。
やたら友好的だが“暴力”の名を冠する悪魔としては不似合いすぎた。
「……そんなに怯えなくても大丈夫だぞ?」
「安心しろ。コイツは理性的で、自分から人間を襲うことはまず有り得ねえ」
暴力の悪魔の善良さを知るデンジが笑いを噛み殺しながらフォローすると、荒井はようやく緊張を緩めた。
「そ、そうですか……では契約の内容を聞かせてください」
「ああ、ただ少し待ってくれ。今、2人の体を“診ている”から」
「“診る”?」
「実は昔に加減を間違えて新人くんを壊しかけた事があってだな。それからは契約相手の強度を“診て”から契約内容を決めている」
「……よし、2人とも合格だ。それにしても人間離れした肉体強度だが、デンジに何かされたのか?」
「人聞きの悪いこと言うなよ。ついさっき筋肉の悪魔と契約させただけだ」
「なるほどな。では早速、契約しよう。私の肉片をほんの少しだけ食べさせる代わりに、戦闘時のキミたちの五感を私に共有してくれ」
筋肉の悪魔と同じくらい人間側にとって極めて都合の良い条件であり、荒井とコベニも当然了承。
だがそのとき、コベニはふと素朴な疑問を抱いた。
「あっ、あの……暴力の悪魔さんが直接外に出て戦ったほうが強いんじゃ……」
「確かにその通りだが、普段の私は理性の無い悪魔でな……暴れないように対策が施されたこの部屋の外に出てしまったら、どうなるか分からない」
怖がらせないように曖昧な言い方をしたが、理性を失った暴力の悪魔が地上で暴れ回った場合、おそらく東京は壊滅する。
人間を好ましく思う彼女はそれを望まない。
ボクシングなど、競技としての暴力を振りかざすのは大好きだが、殺戮を好むわけではない。
この契約内容には、契約者を経由した暴力でストレスを発散したいという、悪魔にしては可愛らしい(?)思惑が込められているのだ。
「契約成立だな。俺が肉片を受け取るから、お前らは部屋の外に出てろ」
そう言うとデンジは懐から取り出したガスマスクを着けた。
暴走対策の一環として、仕切りの向こうには強力な毒ガスが満たされているからだ。
「あとこれ、先に渡しとく」
「何ですか?」
「毒が出る仮面。悪魔と戦う時以外は絶対に外すな。外すと頭のネジがぶっ飛ぶからな」
ペストマスクを渡された荒井とコベニは、揃って顔を引きつらせた。
Q.どっかで見たことある展開なんだけど?
A.今作は偽マキマさんから多大な影響を受けています。
Q.肉片食ったら強くなるのは悪魔や魔人だけで、荒コベは強くなれないと思うけど?
A.ワイトもそう思います。
人間が食べたらどうなるかは作中で明言されてなかったと思いますが、少なくとも今作では「人間が肉片を食べても強くなりません」。
ただし「武器人間が肉片を食べたら、悪魔ほどの効率ではないけど強くなります」。
荒コベが強くなる理由は、肉片を媒介にして暴力の悪魔が力を分け与えるからです。
Q.暴力の悪魔ってこんなキャラなの?
A.知らん。
原作でも暴力の魔人は人格者だったし、悪魔そのものの人格も理性的だったのでしょう(適当)
デンジと仲良しなのは……支配と暴力は人類史において密接な関係にある概念だからってことで。
※ただし、暴力の魔人は人間の頃の脳みそが多く残っていたらしい。
ソースは原作7巻56話の「魔人にゃ珍しく結構人間の脳みそが残ってんだって」という伝聞調っぽいセリフ。
本当に人間の脳みそ残ってたのかな……まあ何にせよ、今作は捏造設定が多いので注意!
Q.暴力の悪魔、なぜ女?
A.私の趣味。
特に意味は無いですが、作者の脳内では低音イケボ長身美人ということになっています。
原作の四騎士だって全員女なんだからいいだろ!
カーリーやアテナみたいな神様もいますし、本当にキレさせたら怖いのは女だと思います。