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ようやくヤクザと戦います。
短めですがご了承ください。
初めて料理を作った翌日の朝。
まだ少し眠い目を擦りながらリビングへ向かうと、キッチンにデンジさんが立っている。
この1週間で当たり前になった景色だ。
「おはよう」と互いに朝の挨拶を交わして、デンジさんの隣に立つ。
フライパンの中のベーコンエッグを眺めていると、トースターからベル音が響いた。
デンジさんが慣れた手つきで焼けたパンにバターを塗り*2、その上にベーコンエッグを乗せる。
「パワ子起こしてきてくれ」
「はい」
パワーちゃんは少し朝に弱い。
ノックせずに扉を開けても、気付くことなく爆睡していた。
カーテンを開けて外の光を取り込む……起きない。
「パワーちゃん、朝だよ」と揺り起こして……ようやく顔を上げた。
と思ったら、今度はうつ伏せになって枕に顔を埋めてしまった。
「すー……すー……」
あまりにもわざとらしい寝息だった。
「起きないなら、私が朝ご飯全部食べちゃうよ」
「なにィ!?」
私の一言でばっと跳ね起きたパワーちゃん。
寝癖もそのままにベッドから飛び降りて、そのまま勢いよく部屋を飛び出した。
その後に続いてリビングに戻る。
食卓にはさっき見たベーコンエッグトーストと、グラスに注がれた牛乳が置かれていた。
「いただきます」
塩気の強いパンと、優しい甘さの牛乳が合う。
5分も掛からずに食べ終え、少し暇になったので皿洗いを手伝うことにした。
「昨日のメシ、ありがとな。超美味かったぜ」
「…デンジさんのご飯の方が美味しかったです」
照れ隠しに素っ気ない態度を取ってしまったけれど、内心すごく嬉しい。
口角の上がり具合が自分でも分かる。
ヤクザでもゾンビでも、なんだって来い──そんな気持ちになった。
◆◆
神奈川県某所。
ビルの周りを大勢の公安と警察が取り囲んでいる。
組織の垣根を越え、ヤクザを壊滅させるために組まれた連合部隊である。
ヤクザ関係は警察の管轄だが、マキマによって悪魔との違法契約が露呈した事を口実に、
「神奈川県警より来ました、警部補の椎名です」
「退魔2課、古野です」
「
本来なら
「今回、機動隊と退魔2課は一階と地下の出入り口を封鎖し、特異4課が中にいるテロリストを制圧する。その上で貴方達が注意すべき事は1つだけ」
特異4課は多くの隊員が人外で構成されている。
4課の誰かが街に逃げたら、
人外職員の逃走を防ぐ──これが外で待機する人員に与えられた主任務だった。
「今回貴方達には、テロリストではなく4課と交戦になった場合に備えて、隊員の特徴を説明しておく」
「ゾンビ! ゾンビ!」
ゾンビが蔓延る地下駐車場。
コンクリートの壁が水のように歪み、そこから魔人が飛び出した。
「キャキャキャ! 食い放題〜!!」
頭をサメの形に変形させ、目についたゾンビを手当たり次第に食い散らかす。
サメの魔人──壁の中や地面、どんな場所でも泳ぐことができる。
短い間なら悪魔の姿にもなれる。
サメの魔人が長い髪の女へと飛びかかる。
鋭い牙で頭を齧り取る寸前、女は屈んで回避し、お返しに強烈なアッパーを叩き込んだ。
「痛っ!」
「私は味方です。少しは落ち着きを持って行動しなさい」
変身が解除されたサメの魔人を、氷のような冷たさで見下ろす女。
「……はあ、なんでこんな野蛮な悪魔と組んで戦わなきゃいけないんですか……腹立つ……」
普段は隠している複数の
蜘蛛の悪魔──人の姿に近い悪魔であり、普段は友好的だが、癇癪持ち。
デンジと何度か関係を持っている。
「こいつらなら勝てる…勝負じゃ!」
赤い角を生やした少女が、自らの血で作った2本の短刀を振るう。
ゾンビの頭蓋がいとも容易く斬り裂かれ、あるいは刺し貫かれる。
「どうじゃ! どんなもんじゃ!」
周囲のゾンビと比べ、飛び抜けて大きい個体を見据える。
そして不敵に笑い、倒したゾンビを踏み台にして跳躍し、首を刎ねた。
「パワーが一番最強じゃ!! ガハハハハハ!」
血の魔人──自分の血を固めて武器を作ることができる。
好戦的だが格上相手には逃げ癖があるため、街へ逃げ出さないように注意。
頭と両腕からチェンソーを生やした少女が、一心不乱にゾンビを斬り裂く。
「今度は公安のデビルハンターとして、全員ぶっ殺します」
ただ愚直にチェンソーを振り回し、黙々とゾンビをなぎ倒す。
クソみたいな過去と決別するために。
そして、惚れた男との未来のために。
チェンソーの武器人間──人格は人間であるため、人外職員の中では一番まとも。
しかし