もしもマキマがチェンソーマンだったら   作:訥々

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16話 最強のデビルハンター

JANE DOEのアニメPVを今更視聴して、少し鬱気味になりましたが、なんとか作者は生きてます

 

Q.パワーの血抜きは?

A.作者のガバ パワーは4人がかりでゾンビと戦ったので、負傷→血を飲んで回復する機会がなかったのだと思われます。

原作のパワーは1人でゾンビと戦ったために、数の暴力に押されて何度か負傷して、ゾンビを食いすぎたから血抜きされたんだよきっと……

 


 

  *1

 

飲み会の翌日。

私とパワーちゃんは、デンジさんに連れられて墓場へやってきた。

辺り一面、十字架だけが立ち並んでいる。

 

「ここは死んだデビルハンターの墓だ。俺らが死んだときも、死体が回収されりゃここに埋められる」

「ふん。ワシには縁遠い場所じゃな」

 

その言葉にデンジさんは何も返さず、話を続けた。

 

「前にも言ったけど、各国から刺客が来る。ヤクザよりヤベえ連中だ」

「刺客ぅ〜? まとめて返り討ちにしてやるわ!」

「パワーの言う通りなんだけどよ……沢渡って女、ソ連と繋がってやがった」

 

デンジさんが言うには、海の向こうで、悪魔を兵器として扱って他の国にちょっかいを掛ける──“タカ派”と呼ばれる集団の動きが活発らしい。

敵や味方ではなく、モノとして悪魔を扱う人間もいるようだ。

 

「そんなヤベー国が差し向ける連中だからな……これから来る奴らはクソ強え。だからお前らを育てる」

「デンジさんが指導してくれるんですか?」

「いや、俺ぁこれからまた忙しくなっからな……代わりに適任を紹介するぜ」

 

デンジさんは振り向いて、こちらを試すように笑い、十字架の前に立つ男の背を指差した。

下を刈り上げた金髪が特徴的な、デンジさんよりも更に長身*2のオジサンだ。

 

「コイツの名前は「シー、黙れ」」

 

デンジさんの説明を遮り、男が口を開いた。

 

「俺の質問に答えろ。仲間が死んだらどう思う?」

 

先輩や同僚とは、悪魔やヤクザと一緒に戦った仲だ。

私に優しくしてくれる人たちだから、もし殺されたら思うところはあるだろうけど……

 

「そういう仕事だから仕方ないと思います」

「人間が生きようが死のうが、どうでも良いわ」

「そうか、なら質問を変える。……デンジが死んだらどう思う?

 

そっぽを向き、バツが悪そうにパワーちゃんが答えた。

 

「…………別に、どうもせん」

 

何者かに殺されたデンジさんの死体を想像する。

光が消え失せ、何も映さなくなった瞳。

血溜まりの中、冷え切った体。

もしこの妄想が現実になったら?

 

「敵に復讐したいか?」

 

重ねて問いかけられる。

公安に入る前の夢は“格好いい男の人に抱かれること”であって、デンジさんじゃなくても構わなかった。

だけど今は………

 

「その相手に復讐してもしなくても、死んだらそれまで。生き返りません。なら──復讐したほうがスッキリすると思います

 

男はため息をついた。

 

「お前達、0点だ」

「ハァ!?」「えぇ…?」

 

この質問、何の意味があるのだろう。

 

 

◆◆

 

  *3

 

「んじゃ、後はよろしくな」

 

困惑するマキマとパワーを置いて、デンジはひらひらと手を振りながら去っていった。

すると長身の男──岸辺が2人の肩を抱いて寄りかかり、しゃがれた低い声で自己紹介を始めた。

 

「俺は特異1課でデビルハンターをやっている。先生と呼ばれると気持ちよくなるから先生と呼んでくれ。好きなのは酒と女と、悪魔を殺すことだ」

 

岸辺は一通り喋り終えると、回した腕で2人の首を絞め上げた。

ポキパキポキ──骨の圧し折れる音が響く。

 

「ぅぐ、ぁあ…!?」

「お…起きれん……」

 

苦しみ悶える2人を岸辺が見下ろす。

 

「お前達も筋肉と骨の仕組みは俺達と同じだ。首の骨を折れば動かなくなる。人間様と違うのは──」

「血の匂いじゃ!」

「──血を飲めば復活するトコだな」

 

スーツの内側から血液パックを取り出し、キャップを外してひっくり返す。

ボタボタと流れ落ちる血液を2人が飲むと、瞬く間に首の負傷が癒えた。

 

「アナタ……いきなり何するんですか」

 

怒気を込めながらマキマが聞くと、岸辺はスキットルの酒を飲みながら平然と答えた。

 

「デンジから聞いたろ、アイツにお前達を鍛えてくれと頼まれた。お前の心臓が世界中から狙われている。なのにお前がザコだから困ってるんだろうな」

「なんでさっきワシらをシメた!?」

「俺は人間を鍛えた事はあるが、お前達みたいな悪魔は一度もない。酔った俺はどうしようかと考えた。そしてアルコールでやられた脳でついに閃いた」

 

岸辺の()育法──それは、最強のデビルハンターを名乗る自分との戦闘訓練だった。

たかが模擬戦と侮るなかれ。

2人の不死性を理由にして、岸辺は本気(マジ)で殺しにかかってくるのだから。

 

「じゃ、再開だ」

 

質問には答えたんだ、とっとと始めるぞ──そんな気怠げな雰囲気を滲ませて、岸辺は2人へ歩み寄る。

 

「マキマ」

 

パワーに投げ渡された血のトンカチを握りしめ、マキマも岸辺へ近づいていく。

 

───決着は一瞬だった。

 

下から上へ、岸辺の股間に振り上げられるトンカチが空を切ったと思えば、その瞬間にはマキマの腹部がナイフで3度刺し貫かれている。

それを見たパワーはトンカチを振りかぶり、マキマの顎から頭蓋までを串刺しにする岸辺の頭に狙いを定めた。

 

(()った!)

 

しかしパワー渾身の一撃も回避され、あっさりと頸動脈を切り裂かれた。

 

「武器人間の方は不死身、魔人の方は半分不死身。咄嗟に人の金玉と頭をぶん殴れる脳みそを持っていて、2人に人権は無い。………まあ、思っていたよりか悪くないな。俺がお前達を最高にイカした奴らにしてやるよ」

 

岸辺は評価を上方修正したが、地面に横たわる2人はそんなこと聞いちゃいなかった。

 

 


 

デンジは岸辺よりも一回り若いですが、デビルハンター歴はデンジの方が長いので、お互いタメ口です。

 

 

*1
マキマside

*2
デンジは183cm、岸辺は194cm。デカくない?

*3
三人称視点

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