もしもマキマがチェンソーマンだったら   作:訥々

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4話 目標設定

「娘さんを攫ったのは筋肉の悪魔ですね。今は大丈夫みたいっすけど、筋肉を弄られてたっぽいんで、念の為病院に見てもらって下さい」

「ありがとうございます!何とお礼を言えば良いのか…」

「いーんすよ、仕事なんで」

「お兄さんありがとう!」

「おう、お大事にな」

 

 車に乗り込むおじさんと娘さんに手を振って送り出し、屋外の席について食事を始める。

 あのコ、デンジさんに向ける視線が熱っぽかった気がする*1けど大丈夫かな…色んな意味で。

 

「マキマは先に食ってても良かったんだぞ?」

「いえ、デンジさんと一緒に食べたかったので」

「嬉しいこと言ってくれるじゃあねえか。もう冷めちまってるけど食うか」

 

 何はともあれご飯だ。

 調理されたご飯をこんなに沢山、しかも格好いい男の人の隣(・)で(・)食べられるなんて最高すぎる。

 

「美味いか?」

 

 私の口の中はうどんでいっぱいだから、首を何度も縦に振って「はい!」という気持ちを示す。

 いや本当に美味しい。残飯やその辺の草を食べていた私にとってはこれ以上ない美味だ。

 するとデンジさんが「これも食うか?」とカレーうどんを指差した。

 

「ひひんへふは(いいんですか)!?」

「そんな焦んなって。口に入ってるのを飲み込んでからな。……はい、あーん」

「あーん」

 

 しかもデンジさんの「あーん」付きである。

 超最高…幸せ…

 

 

 

 そしてその後も頼んだ料理を食べまくったけど、いかんせん量が多い。

 タダ飯だからって調子に乗りすぎた。

 だからといってご飯を残すなんて勿体ない、腹が裂けても嫌だ。

 そう思い無理して食べ続けていると、デンジさんが「もう腹いっぱいなら俺食うぜ」と助け舟を出してくれた。

 「助かります…」と言って焼きそばの皿を差し出そうとすると、デンジさんがにっと笑って自分の口を指差した。

 

「あーん、俺にもしてくれよ」

「えっ………いいんですか?」

「頼んでるのは俺なんだけどな。ま、メシ代の代わりってことで」

 

 むしろ私が「あーん代」を払った方が良い気もするけど、そんな事を言われちゃ断れない。

 

「あ、あーん…」

「あーん………ん、超美味え」

 

 嬉しそうに焼きそばを頬張るデンジさんを見てふと思った。

 私はデンジさんの事が大好きだけど、デンジさんはどうなのだろう。

 

「デンジさんって、その…好きな人のタイプってあります?」

「タイプ?そうだな…胸がデケえ女だな」

 

 胸が大きい女、それって私……私か?

 少なくとも私の胸は、自分の手のひらで掴みきれないくらいにはある……けど、それは大きいと言えるのか?

 デンジさんの基準が分からない。

 気になったので「私はタイプですか?」と質問したら、渋い表情でこう答えられた。

 

「マキマはクソ可愛いし胸もデケえ。正直超タイプ。だけど……チェンソーマンと契約した女をそういう目では見れねえな……」

 

 どうやらデンジさんの中で、ポチタ(チェンソーマン)はすごく大事な存在のようだ。

 ポチタがデンジさんに好かれているのは嬉しいし、そもそも私がデンジさんに拾われたのだってポチタのおかげ。

 だけど好きな人が親友にばかり注目して私を見てくれないのは悔しい。

 せっかく超タイプだって言われても、女として見られていないんじゃ意味が無い。

 

 ……言い換えれば、女として見られたらデンジさんも私に惚れてくれる可能性があるということだ。

 いきなり惚れさせるのは難しい、でも時間を掛ければ……強い意志と行動力があれば意識させられるんじゃ……!

 

「んじゃ、飯食い終わったし車に戻るか」

「はいっ」

 

 決めた、私のゴールはポチタと一緒に見た夢を叶えること。

 格好いい男の人に抱かれて眠ることだ。

 だからデンジさんを絶対に惚れさせてやる。

 

 


 

デンジがマキマを振ったのは、本文でも書いた通りチェンソーマンが好きすぎたからです。

推しカプの間に挟まりたくないオタクの心理に近いかもしれません。

もし仮にマキマとポチタが契約していなかったら速攻で告白を受け入れていました。

 

次回、マキマがようやく公安に加入します。

 

 

*1:
あの場面で恐怖心よりも「かっこいい…(ポッ)」という気持ちが先行するあたり、頭のネジ緩んでそう

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