もしもマキマがチェンソーマンだったら   作:訥々

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5話 東京到着

今回も短いです。

…というより、最初の話が長かっただけかも。

 


 

ご飯をたらふく食べて、心地良い車の揺れと共に眠ることしばらく。

 

「おーい起きろ、着いたぜ」

「んぅ……」

 

デンジさんに揺り起こされた時には、もうデビルハンター東京本部に着いていた。

建物に入るとまず女の人にシャワー室へ案内されたので、念入りに血と垢を洗い流し、用意された制服に袖を通す。

温かい風呂と綺麗な服なんて何時ぶりだろう。

 

「さっぱりしたか?」

「最高にさっぱりしました」

「そんじゃ次はマキマの同僚と顔合わせだ」

 

デンジさんに連れられた部屋に入ると、若い男の人が立って待っていた。

長めの黒髪を後ろで一つにまとめた珍しい髪型で、身長はデンジさんと同じくらい。

そして、デンジさんと系統は違うけどかなりのイケメン。

 

「こいつの名前は早川アキ、マキマの3年先輩だ。今日はアキに着いてって見回りしてくれ」

「私、デンジさんと一緒に仕事するんじゃないんですか?」

「そんなわけないだろ。デンジさんは特異4課の隊長だ、新人とは格が違う。早く見回り行くぞ」

「……はい」

「今日は仕事詰まってっから無理だけど、暇んなったら一緒に行こうぜ」

「はい!」

 

 

 

デンジさんと一緒に働けるなんて夢みたいだ。

浮かれながら人混みの中を歩いていると、前を歩く先輩に「ちょっと来い」と声をかけられ路地裏に連れてこられた。

先輩からのありがたい“ご指導”だろうか。

デンジさんが特別優しいだけなのかな。

 

「お前、なんで公安に来た。デンジさん目当てか?」

「はい」

「それなら仕事辞めろ」

 

殴られるかもとは予想してたけど、まさか初手で「仕事辞めろ」と言われるとは。

 

「どうして」

「俺の優しさがわかんないかな…」

 

先輩が続けて言うには、軽い気持ちでデビルハンターになった奴は全員死んだ。

生き残っているのは信念がある人間だけで、男目当てに仕事するようじゃそのうち死ぬから辞めろ、ということだった。

そうは言っても他に行く先なんて無い。

 

「私はずっとクソみたいな生活をしてました。そこから抜け出すためなら死んでもいいです」

「……お前はどんな人生送ってきたんだ?」

 

私の事情を簡単に説明した。

小さい頃に両親が死んで、残された借金を返すためにずっとヤクザにこき使われていたこと。

ポチタという悪魔と一緒に非正規デビルハンターとしても働いていたけど、欲張りなヤクザに裏切られて一度殺されたこと。

そして、そんな場所からデンジさんが私を助けてくれたこと。

 

「会ったばかりだけど、本当にデンジさんが好きなんです」

「そこまで言うなら勝手にしろ。ただし、きっちり仕事もしろよ」

 

私の信念を少しは認めてくれたようだ。

 

 

 

先輩と話した後は普通に見回りをしたが、特にこれといったトラブルは何も起きず。

数時間歩き回って公安本部へ戻った。

 

「2人ともお疲れ。マキマ、初めての見回りはどうだった?」

「先輩に付いて歩くだけで終わりました」

「そっか。で、この先輩とは仲良く出来そうか?」

「はい」

「そりゃ良かったな。…アキは?」

「想定よりはまともでした。色々と思う所はありますし、仲良くするかは別ですが」

 

デンジさんは満足気に頷き「じゃあ大丈夫そうだな」と呟いた。

 

「マキマはアキの部隊に入ってもらう」

「それは構いませんが、ウチには面倒くさい奴らが多いですよ?新人向きの部隊ではないかと」

「そこは問題ねえ。マキマは特別だからな」

「…こいつ何者なんですか?」

チェンソーの武器人間だ

 

デンジさん曰く、今の私は武器人間──悪魔の心臓を持つ人間で、人間・悪魔・魔人のどれとも違う特殊な存在らしい。

世界でも数えるほどしかいないとか。

 

「…あの、魔人って何ですか?」

「はぁ?お前義務教育………受けてねえのか」

「受けてません」

 

そう答えると、先輩は溜め息をつきながら教えてくれた。

人の死体を乗っ取った悪魔を魔人と呼ぶらしい。

そして魔人の人格は悪魔にあり、頭部に悪魔だった頃の特徴が現れる──これが武器人間との違いだそうだ。

 

「正直、武器人間については俺も詳しくは知らない。この説明もデンジさんの受け売りだ」

「とにかく、マキマは普通の人間とは違うってこと。だから特別な対応で扱う」

「…というと?」

「もし万が一、武器人間が暴れたらデケえ被害が発生する。それを食い止めるには強え奴がずっと監視してなきゃダメだ」

 

「つーわけで、マキマは俺の家に住まわせる

「えっ」「はああああ!?」

 

 


 

Q.何でアキの家に住まわせないの?

A.アキの同棲相手がブチギレるから。

 

Q.フッた相手と同居して、デンジは気まずくないの?

A.現時点ではマキマのことを“チェンソーマンと契約した可愛い女の子”として認識しており、恋愛対象として見ていない。

だからそこまで気まずくない。

……というか、今作のデンマキは年の差かなりあるからなあ……。

半ば娘か弟子のように扱っているかも…?

 

 

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