人外学園らいふ   作:あーさんです。

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1限目、入学式

日本の何処かに5つ存在する、国立特殊人間学園。通称人外学園。この学園では、特殊人間の安全を保証する代わりに、災害時には救助に行ったり出来るような応用の効く人外に育成するための学園だ。それぞれの特性に応じたカリキュラムを作り、共に協力している……そんな学園に私は入学しました。

 

 

『行ってきまぁす』

 

 

ついに始まる学園生活、学園では寮生活になるので家族とはしばしの別れとなる…が、さほど悲しくもない。【気を付けてね~】という母の声を後ろに、軽く手を振り、足を進める。

 

 

『友達……出来ると良いなぁ……』

 

 

実際この力のせいであんまり良く見られなかったことが多かった。特に中学生の時はそうだった。虐められるという訳じゃなかったが、皆何か関わろうとはしなかった。

 

 

(次は~学園前~学園前~)

 

 

『んぇ?…あぁ、もうついた?』

 

 

アナウンスにより目が醒める。学園まではかなり遠かったので、かなり早い時間から向かうことになってしまい、気が付いたら眠ってしまっていたようだ、よくぼやけた目を凝らしてみると、角が生えていたり、翼が生えていたりする人が結構いた。

 

 

『……意外と…居るんだな……』

 

 

駅に着き、電車から出ると、いきなり目の前にたっっかい階段が見える、学園の名物心臓破り(ハートブレイク)の階段だ、その段数、驚異の500段。体力作り兼、自分の能力をどう活かして効率的に登るかというのも含まれているらしい。

 

 

『皆…早く登ってるけど…私は普通に登るしか無いなぁ…』

 

 

周りの生徒は翼を広げ飛んでいる者、身体能力を活かして駆け上がる者、瞬間移動している者が居るが、私は一段一段踏みしめて階段を登った。

 

 

~15分後~

 

 

『うげぇ~づがれだ~』

 

 

ゼェーハァーと息をしていると、周りの生徒は何食わぬ顔で足を進める。流石は半数が推薦入学の高校、体力精神共に桁違いだ。そんな感じで息を整え、私は入学式会場の体育館へと向かった。

 

 

受付『お名前と、特殊人間証明書を』

 

 

六色彩光(ろくしきあや)です。これが特殊人間証明書です。どうぞ』

 

 

特殊人間には特殊人間証明書という小さいカードのようなモノを持たされる。このカードには、自身の特殊能力の詳細が書かれている。正直、これがないと生きていけないまである。

 

 

受付『これはお返しします。良き学園生活を送れると良いですね』

 

 

彩光『…あ、ありがとうございます!』

 

 

中学生の時は好奇の目を向けられそんなこと言われることが滅多に無かったため、かなり嬉しかった。奥へ進むと、先生らしき人物が私を案内してくれた。

 

 

彩光『ここで…良いのかな?』

 

 

『よろしくね!隣の人!』

 

 

ひょあぁ!?と、情けない声を上げ、よ、よろしくね…とか細い声で返す。そんなことをしていると、入学式が始まった。少し体育館の中が暗くなり、舞台の真ん中にスポットライトが当たる。

 

 

???『よーく来てくれたネ!新入生ショクン!これから入学式が始まるZE アガッてイケよォ~?FOOOO!!!』

 

 

辺りが急にグルーヴに包まれる。ここ辺り一帯がまるで元々フェス会場だったような錯覚にすら陥る。重低音が耳を貫く、身体が踊らずには居られない。これは舞台に立っている特殊人間の力?……そう思っていると、フッ……と身体の力が抜け、ふわぁっと椅子に座っている。あの時のようなグルーヴは無く、入学式会場に戻っていた。

 

 

???『ふざけるのも大概にしろ、義昭教頭。』

 

 

教頭『oh……校長のゲンコツは痛いねェ~…Sorry……』

 

 

ふと舞台に目をやって見ると、女の人がさっき舞台に立っていた人をぶん殴っている。2メートルもありそうな大柄で屈強な肉体、顔には斜めに稲妻のように走る大きな傷、そして何より、その存在感が、辺りを奮い立たせる。武者震いせずには居られなかった。

 

 

???『ん゛ん゛っ……さっきは申し訳なかった。教頭の言ってたように私が校長、桐生明光(きりゅうあきら)だ。』

 

 

その声は思っていたより優しく、重くのし掛かる。これが、校長先生……?思わず息を飲んでしまう。静寂が辺りを包み込む。

 

 

明光『君達は何かの特殊な『何か』を持っており、それに悩みがあり、この学校に入学した。ここでは、君達のその何かは短所ではなく、長所として扱うようにしている。君達の何かはきっと誰かが欲している何かに変わることが出来る。そう私は信じ、この学校の校長として従事し続けた。是非とも、この学園で互いに高め合い、自身の特殊な何かの長所を、誰にも譲れないものにしてくれ。互いに助け合える仲間がいること。これが何より大切かこの生活を遠し、感じて欲しい。私からは以上だ。』

 

 

校長先生の話が終わり、舞台から降りる。辺りからは自然と拍手喝采が撒き起こり、私の頬を見えない涙が流れる。今まで私をこのように肯定し、激励してくれた人がいたのだろうか。そう思う度に涙が溢れて止まなかった。

 

 

彩光『私……っ…頑張ります。頑張って頑張って……活躍できるような……いや、どうせなら最強になります…』

 

 

小声で決意表明をする。すると、校長先生が私の方を見つめ、少し微笑んだような気がした。それはそうと最強ってどうやって目指すんだ?……まぁ、それもゆっくり考えれば良いか。

 

 

彩光『がんばるぞー!』

 

 

ここから私の学園生活が始まった。透明な私の透き通るような甘酸っぱい青春が始まる!……と良いなぁ。




【生徒手帳】
六式 彩光(ろくしきあや)

性別 女性
年齢 15
生まれた時から透明人間な女の子。そのためか皆不気味で近寄って来なかったため、心機一転学園で頑張ろうと入学した。以外と身体が柔らかく、反射神経には自信がある。目がとっても好い人ならうっっっっすらと輪郭のようなものが見えるかもしれない。
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