それでは、どうぞ!
次々と、僚機が白いスモークを吹いて高度を落としていく。
しかし我が機は幸いにも、攻撃を受けることなく無傷で飛び続けている。
副隊長機から無線で安否確認を行えと命令されたので、
「スツーカ22番機、元気にやってます」
と入れてみたところ、それ以降同じ隊からの安否確認がなかったため全てを察した。
「クララ、残念だが我々が最後らしい。どうしたらいい?」
『そんなことより着陸しようよ。そろそろ燃料切れちゃうんじゃないの?』
飛行場に戻り、副隊長に状況を確認したところ、10機あったBf109Eは7機が墜落、2機が被弾で修理中で1機が行方不明と聞かされ、先ほどの空中戦がいかに壮絶であったか理解した。
「因みに急降下爆撃隊の先輩方は...」
副長「君も分かっているだろう。ならば言う必要はない。」
その後椅子を蹴り上げ、サンダースに仕返ししてやると言い残して飛び立った副隊長機は、二度と戻らなかった。
この状況は黒森峰において、最大の敗北であり、屈辱ではないのだろうか。
副隊長よ、躍起にならなければ生きながらえただろうに...
「(護衛機が1機、偵察機が3機か。)」
俺は間髪入れずに、次の出撃の準備を整備隊にお願いした。
整備隊には、悪いことは言わないからやめておけと何度も説得された。
しかしそれが意味を為さないというのは、彼らも分かっていたのだろう。
「(だから現にこうして飛んでいるわけだ!)」
いずれにせよ、状況は芳しくない。
D-13地点を譲ってしまった今、戦闘はサンダース側有利となってしまった...
通信可能な距離に入ったため、まほ隊長のティーガーⅠに連絡を取ってみる。
「こちら急降下爆撃隊の井波です。状況を教えてください」
『我々は敵の優勢火力ドクトリン...新戦術により、パンターが1両、ラングが2両、ヤークトティーガーが1両やられた。今はC-9地点の平原を単横陣を組み転身している...』
力のこもった隊長さんの声に、焦りと怒りが感じられた。
流石の黒森峰重戦車を以てしても、1両につき複数両で攻められれば、徐々に押しつぶされる。
恐らくだが、この先の市街地にて、反撃攻勢に出るつもりだろう。
目下、複数両のM4シャーマン中戦車が前進しているのを確認した。
3~5両ごとに編成した小隊が、町の東側・中央・西側に迂回する動きを見せたので、隊長さんに連絡して、反転急降下による地上部隊支援を敢行。
「...!」
急降下して爆弾を投下するその刹那、恐怖に支配された顔のサンダース生徒と目が合った。
許せ、諸君らが前進する限り、俺が急降下を止めることはできない。恨むなら、優勢火力ドクトリンを恨んでくれ!
「もうちょい...今だ、投下ッ!!」ガチャ
股下の小窓から、爆弾の投下を確認!
もの凄い風切り音を立てて爆弾が降下していく。
「改造の効果顕著なり!クララ、戦果はどうだ?!」
『シャーマン3両の白旗を確認、東側の小隊は全滅です!!』
うおおおお!と雄たけびをあげる。地上部隊支援は成功したと言えるだろう!
旋回して市街地上空を飛び、目下の先輩車両に、優しい麦茶(たっぷり2L)を包装して投げ落とす。
きっと喉が渇いているに違いない、これで潤して欲しい!
まほさんに戦果と状況を報告した後、なるべく急いで飛行場に戻る。理由は勿論再出撃するためであり、その他の何物でもない!
ク「整備完了!」
「さぁ、再出撃だ!」
再び市街地へ飛び立つ。
急降下爆撃による市街地包囲網の破壊と敵位置の報告、そして帰ったらすぐ出撃してまた地上部隊支援にあたる。
しかも先輩の喉を気遣って優しい麦茶(たっぷり2L)まで献上した。
きっと先輩方は感極まって車内で飛び回り、頭をぶつけてしまっているに違いない!
ユキオは非常に気の利く親切な後輩である...そう思うのは俺だけか?
機体は高度は1082mから少しずつ下っている。
第11話はいかがでしたでしょうか?
急降下爆撃は局地的な地上支援にもってこいであると、筆者は思います。
みなさんも、好きな戦闘機や攻撃機等ありましたら、感想で教えてください。
次回も乞うご期待!