もしガルパンに航空機があったら()   作:田舎の異音

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前回の練習試合で航空隊の練度不足が明るみになった黒森峰。
ユキオは大好きな急降下衝動を抑えつつ、座学に励んでいました。
さて今回もそんな黒森峰の日常をユキオ視点から覗いてみましょう!

第13話、動きます!



『飛行隊地上講義』

黒森峰の座学は、大洗のそれとさほど変わりはないみたいだ。

しかし、全員が女子という訳でもない為、昼食に場所を選ばなくても良い。

「おーいハルトー。飯食おうz...」

 

ハ「~♡」

 

隣のクラスのハルト君だが、彼女とアツアツなのでそっとしておいた。

万が一邪魔してしまえば、大洗と黒森峰で試合を行う時、まっすぐ撃墜しに来るだろう。

 

仕方なくクララと食べる事にした。男が作った白飯梅干し弁当と比べ、クララのは非常にカラフルで、正直羨ましかった。

 

ク「なんでそんなに質素なの?」

 

「ほっといてくれ。俺は料理が苦手なんだ」

 

ク「ふーん...じゃあ可哀そうだし、唐揚げあげる!」

 

「おっ!ありがとナス!!梅干しあげる!」

 

ク「いらないナス!」

 

「......」

 

 

 

五時限目は外国語(ドイツ語)で、みんな普通に自己紹介ができるようになっていたので、クララに教えてもらいながら何とかやり過ごし、六時間目は上級生と合同で戦車道の授業である。教科書をきちんと持ってきたというのに、必要なのは飛行服らしい。秋水並の加速で寮へ取りに帰る。

 

【校庭】

教「この前の練習試合はご苦労だった。勝ったはいいが、航空隊があの体たらくでは話にならない。まぁ、分かってるとは思うけどな」

 

「「「「.....」」」」

 

教「...おいお前。なぜ制空権は取られたと思う?」

 

?「は、はい!?...練度不足です!」

 

教官はつまらねぇ回答だなぁとつぶやき、俺の前へと、ゆっくりと歩み寄ってきた。

 

教「初めて見る顔だな、お前...これまでの授業はどこにいってたんだ?」

 

「飛行訓練してました」

 

教「ほう...ご立派なこった。でもな、サボるのはよくねぇよなぁ?」

 

「.....」

 

教「おい、何か言ったらどうなんだ?」

 

ズイッと顔を寄せてくるこのオッサンは、吐く息がタバコ臭い。チラっと横を見ると、一年生は泣きそうな顔をしている。3年生はもう慣れたのか、ツーン...としている。

 

「正直なことを申し上げると、今この間に高度3000mまで登って急降下爆撃の練習ができた筈です」

 

教「んだと??」

 

「サボった事は謝ります。しかし、同時に私が彼らより戦果を挙げたのも事実です。それは時間を最大限使って訓練に励んだ故のものであり、つまるところ、今この時間が無駄であるとご理解願いたい」

 

現に俺は、頭にゴーグルをつけて手袋とブーツまで履いている。いつでも飛べるぞ、という意思が彼には伝わらないのだろうか?

 

教「ほう...つまり俺の話が無駄だって言いたいのか?」

 

「〝演説〟の時間を少し短くできれば、訓練の時間が増えると言いたかったのですが....」

 

教「ああん?もっとはっきり言えよ、お前パイロットなんだろ?そんなんで指示が通るとでも思ってんのか?」

 

煽るような言動は、立場上慎んでおいた方がいい。それから、彼は飛行訓練の潤滑な進行を指示する為に来たのだから、授業料を取られている以上そろそろ本音を言わねばなるまい。

 

「......我々は訓練を行うためにここに来ている。タラタラと垂れ流される説教を受けに来たのではないし、授業料を返されたってそんな話は聞きたくないね。我々は囚人ではなく生徒なのだ。....と、そんなことはどうでもいい。早く飛行訓練を始めていただきたい、先生」

 

辺りがザワつきはじめる。

先生は舌打ちをして行ってしまった。おそらくタバコでも吹かして気を紛らわすのだろう。

 

「先生は我々に自習せよ、と背中で語ってどこかへ行ってしまわれた!という事で俺は訓練するから、誰か後ろに乗ってくれないか?」

 

エ「あなた中々やるわね...」

 

小「あ、危ないからああいう事やっちゃだめだよ!」

 

いずれにせよ、誰かが言わなければ皆が損する事になっていたはずだ。

 

「すいません、今度からは気を付けます!」

 

列の中から適当に選んだ生徒の手を引き、大丈夫だからと言い聞かせて後ろに乗せてやった。スツーカに乗れて感極まったのか、体が震えているではないか!まるで初恋だな!

 

俺に続いて、先輩方が機に乗り込み、日が暮れるまで訓練に打ち込んだ。急降下爆撃隊の、爆弾の命中率は今日だけでも格段に良くなったに違いない。

俺の命中率は85%を突破したが、如何せん撃破率120%までの道のりは長い。

 

 

 

 

 

 

 

戦車隊の人たちと一緒に解散の挨拶をして帰ろうとしたところ、同じ隊の同級生から質問攻めにあってしまい、帰るのが1時間遅れてしまった。今日は地上波で「Girls&Stuka」が放送されるというのに...

 

ま「どうしたユキオ、そんな浮かない顔をして。」

 

「実は、見たいテレビがあったんですけど...皆が中々返してくれなくて....」

 

ま「それは残念だったな。寮生だから録画もできないだろうに」

 

「ホントそれですよ」

 

ま「.....今更だが少し謝りたいことがある。少しいいか?」

 

「どうしたんです?」

 

ま「実は、私の勘違いでユキオを急降下爆撃隊に配属してしまったんだ。本当は戦闘機隊に入れるつもりだったのだが、本当にすまない」ペコ

 

「まじですか!?あっ...でも、やっぱいいですよ。だから謝らないでください」

 

ま「そうなのか?しかし、転属したければ本当にいつでも言ってくれ。それにあんな旧型機ではいつ墜とされても...」

 

「転属だなんてとんでもない!むしろ天職です、本当にありがとうございます。それでは俺はこれで!」タタタッ

 

ま「まったく、どうすべきなんだろうな....苦労はさせたくないのだが」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は充実した訓練を行えたと同時に、航空隊全体の士気と技術も上がったように思える。

無理やり後ろに乗せたあの子も、訓練が終わるころにはその充実感と達成感からか、足に力が入らなくなっていたようだ。いい経験になったと思わざるを得ないな!

 

あ、隊長さんと会ったのに、短期転校について話し合うのを忘れてしまったではないか、これはいけない!

その後隊長室に急いで戻り、ノックをしないでドアを開いてしまったところ、着替え中を目撃してしまい500kgの大目玉を食らったのは、また別のお話である。

 

 




隊長さん、ホントにすいませんでしたorz

戦中、旧型機が所々で活躍を見せたのは、何を隠そうそれを性能以上に操った熟練パイロット達でした。黒森峰航空隊の今後が楽しみですね!

次回も乞うご期待!
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