しかし、そう一筋縄にいかせてくれないのが戦車道であり、世間でもあります。
今回は彼に告げられた、とある衝撃的な事実のお話です。
ではどうぞ!
俺は今、サンダースの学園長より招かれて、豪勢な部屋で話し合っている。
お茶会とか世間話などでは断じてなく、多分先日の記事の件についてだ。
学「そう緊張することはない。ほら、コーラでも飲みたえ」トクトク
「ありがとうございます。して、今日はどのようなご用件でしょうか?」
学「ん?やけに焦っているようだが...何か予定でもあったのかね?」
「(飛びたいからに決まってるだろ)」
「いえ、純粋に気になりまして...」
学園長はふむ、と遠くを見つめた後、俺にこう問うた。
学「君は....今季の全国大会には出場するのかね?」
「当り前です。その為に黒森峰から帰ってきたのですから」
学「左様か。今年から新しい制度ができたのは既知だとは思うが、実はそれに少し変更があってね...」
にやりと笑い俺を見つめる。それはそれはいやらしい目つきだ。
「変更、と申しますと?」
学「君のこの前の”発言”を受けて、連盟に意見具申をしたのだよ。それが見事通ってしまってね...」
「なるほど....」
学「君の出場権...いや、航空隊が出場できるのは、準決勝からとなった!」
....? 準決勝まで出場できない?どういうことだろう。
「もう少し具体的にお願いします。」
学「理解力の鈍いやつだ。総合戦車道のルールが適応されるのは、準決以降だと言っているのだよ!!」
「.....」
今、ようやく事の重大さを理解した。
要するに、この学園長は例の発言を利用し、被害者面をして連盟に抗議したのだろう。「あんなのを出させるわけにはいかない」と。
世間から見れば、俺がサンダースにケンカを売ったように見えている。しかし、ルールを変えてしまえば、マスコミが報じた”俺の果たし状”が事実上破棄されることになり、独り相撲をしているように見られるわけだ。
嫌味や叱責は特に気にしないが、飛べないとなると話は別である。
「いいんですか?もし僕が購読者ならば、サンダースが航空戦から逃げたと考察しますけど。」
学「冗談はよくないよユキオくん。一体世間の何割が、君が航空隊だと認識しているというのだね?」
しまった!マスコミが報道したのはあくまで「大洗の井波ユキオ」であって、「航空隊の井波ユキオ」ではない!そうなればルールが改正されても世間は逃げたとは思わないし、もし普通戦車道で大洗が負ければ、サンダースの株が上がり、我が母校は恥をかいてしまうではないか!!
「....それが狙いだったんですね。呼び出して自分から説明してくれるとはありがたい」
学「ははは!今更どうするつもりだ?君はあの
グローブさえあればコーラ瓶を165km/hで投げ、彼の顔でストライクを取っていた事だろう。今の俺はそれくらいハラワタが煮えくり返っているのだ。
しかしながら、よく考えてみる。すると、
「(この抗議を受けて、すぐにルールを変える連盟も連盟ではないか!)」
という事に気づく。いや、もしかすれば、この男を口実に変えたのか?そうするとなると、あの新聞社を傘下にしているとも考えられる...
「我が愛機を『オンボロ』と罵った時点で、俺ならば明日の号外にするでしょう。...まぁ、そんなことはどうでもいい。飛べないなら地面を這って戦う、それだけです」
学「今更戦車の訓練をするのかね?やめておきなさい、チームに迷惑をかけるのが関の山だ」
学「それにうちのシャーマン部隊を以てすれば、君たちの寄せ集めなど無力に等しい!」
この男をサンダースのナンバー2にしておけば、将来ここは廃校となってしまうだろう。上が腐れば部下も腐る、この前の練習試合後の態度を俺は忘れない。
「物量の暴力に屈する程、大洗の戦車部隊は軟弱ではない。まぁ、馬鹿みたいに押しかけてくれれば、我々としても各個撃破しやすいというものだ」
学「ふんっ、抜かしおって。まぁ結果はいずれ分かる。お互いに楽しみにしておくとしようじゃないか、ユキオ君?」
「生憎これから訓練があるのでな。高みの見物などしていたら、誰かのようにだらしない体になってしまう。では失礼」ガチャリ
ドアの向こう側で、高らかな笑い声が聞こえた。きっと彼は、無力な俺がもがき、苦しみ、抵抗する様が想像できて高ぶったのだろう。あんな大人にはなりたくないものだ。
そんな事より早く帰って、この事実を皆に知らせなければ!
大洗に帰投後、ルールの改正とサンダースの学園長についてのプロフィールを、生徒会に協力してもらい調べ上げた。
すると何ということか、彼は連盟の元上層部ではないか!コネを使ったという事か...
『ユキオは激怒した。』
『必ず、かの邪智暴虐な学園長を、除かねばならぬと決意した。』
『しかし、ユキオには戦車道が分からぬ。』
『ユキオは航空隊パイロットであったのだ。』
『朝起きて麦茶を飲み、空を飛んでは急降下して暮らしていた。』
『しかし、飛行禁止命令には人一倍敏感であった。』
『....と、そんな事はどうでもいい。すぐに戦車の訓練だ!』
「(誰だよこんなパロディ作って倉庫に張ったやつ...)」
全国大会は待ってくれはしない。俺も皆も、そのことは十二分に理解していると思っている。
戦車に対する緊張や恐怖など、航空機の無かった4月頃に比べれば乗れる喜びで忘れ去ってくれるわ!
だからこそ行動するのだ、足を動かせ口を回せ!スカウトを怠るなユキオよ!
「ぴよたんさん!俺と戦車(リアル)に乗って、MVP取りに行きませんか?!」
ぴ「ぴよっ!?」
「ねこにゃーさん!どんなゲームよりも現実味のある一品を用意しました!昼休みに倉庫にきてください!!」
ね「え、それは本当ですか....!ぜ、是非とも行かせていただきますぅ...!」
「ももがーさん!いつまでキーボードで戦車を操縦してるんです?!新しいコントローラーを紹介しますから、倉庫へお願いしますッ!!」
も「これでキーボード買い換えなくて済むももー!」
かくして、先輩1名と同期2名が戦車道の履修を決定した。
そしてここに、ネットゲームチーム...もとい、
『アリクイさんチーム』の創設が認められる。
杏「あ、戦車は新しく探しといたからそれを使ってねー。よろしく~」
「やったあぁ!ありがとうございます、生徒会長ッ!!」
ああ、我が生徒会長よ!これもあなたにとっては計画通りだというのか!
あの時は我が儘を垂れてしまい申し訳なかった!
杏「(めっちゃ尊敬の眼差し向けてくれてるけど.....探したの後輩だなんて言えないよねぇ...笑)」
よし、明日から訓練を実行に移そう。分からないところはみほさん達に聞いて、不安要素を叩き潰さなければならない。その一抹の不安要素が、我々を敗北に追い落とす可能性もあるのだ。
その為に今からできることは熟眠?......答えは否!
War〇hunderでマルチプレイを行い、親睦を深める事こそ、最もMustなTaskだ。
あわよくば空軍もプレイしてもらい、航空隊への配属をスムーズにする狙いもあるが...
何はともあれ、趣味の合う友人がいると、毎日が充実する。これは間違いない。
改めて、大洗帰って来られた事に感謝すると同時に、是が非でもサンダースに勝たねば、という闘志が煮えたぎってくる。
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趣味のあう友人っていいですよね~!
私も学校に色々な友人がいますが、野球だったり、ゲームだったり、ミリタリーだったり、単にふざけあう仲だったりと...楽しくやらせてもらってます!笑
今回の回はいかがだったでしょうか?
物量と性能で押し潰すのは戦車道でなく戦争である。これを胸にユキオたちはますます訓練に励む事でしょう。
次回も乞うご期待!