もしガルパンに航空機があったら()   作:田舎の異音

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大洗航空隊に加え、アリクイさんチームの隊長を兼任する事になった井波ユキオ。
今回は、とあるプレミアムフライデーのお話です。
一体何がプレミアムなのでしょうか?



『9×1?いえ1×9です。』

 

「目標、距離500m!」

 

ぴ「了解!」

 

Feuer!(撃て!)

 

皆が訓練を終えて帰った後、我々アリクイさんチームは居残り練習を行なっていた。

 

合同訓練では中々練習しないこと――――例えば、グラウンドに線を引いて、簡易教習所を製作。ももがーさんの操縦技術を養う手伝いをした。

 

ある時は演習場へ行って並べられた的を撃ち、ぴよたんさんの命中精度と照準速度向上を手伝った。ちなみに一定スコアを超えると、俺がご飯を3人に奢る約束である。

 

一番訓練に苦労していたのがねこにゃーさんだった。担当は通信手で、喋るのが苦手らしい。という訳で、ネット掲示板で喋る人を募集して日々通話する、という荒技を用いてコミュ力を高めた。

俺ではダメだったのだろうか?

 

ね「あ、井波くんおはよー」

 

「先輩、おはようございます!」

 

ね「今日はいい天気だし、早く戦車に乗りたいね」キラ

 

「(ねこにゃーさん明るくなったよなー。メガネ外してから急に声かけられるようになったらしいし)」

 

これといって特別な好意を寄せてはいない。しかしただ純粋に、人はここまで変われるものなのかと驚かされた。

 

「(俺は稀に変わってると言われるが....恐らくいい意味に違いない!)」

 

言わずもがな、筋トレ・ロードワークは毎日の日課だ!

寧ろ彼女らの方がノリノリなので、実は最近キツいと感じる事も多くなってきた。もっとトレーニングしなければならない!この前腕相撲でぴよたんさんに敗北を喫したのだ!

 

 

それからというもの。日々の訓練が功を奏し、最低限の運用は可能となった。時々壁にぶつかる(物理的に)事もあったが『困った時の麻子頼み』、というものを使い、ももがーさんは操縦を自分のモノにしたらしい!着々と練度が上がってくるのを感じるぞ!

.....ところで、麻子さんとは誰なんだ?未だによく分からない。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

そして今日の訓練も終わりかけていた。時刻は午後5時を回ったところだ。

 

「明日は久々に休養日にしましょうか!」

 

ね「そうだね。たまにはお休みしないと身体が壊れちゃうにゃー」

 

も「しっかりストレッチして熟眠するもも!」

 

「ぴよたんさんは明日何するの?」

 

ぴ「んー....内緒でごわす♪」

 

「り、了解。それじゃ、今日の訓練はここまで!お疲れ様でしたー!」

 

さて、帰りたいのは山々だがまだ明るいな。戦車の倉庫は鍵を閉めてしまったからもう入れない。

 

「だったら、砲丸投げでもして身体を鍛えるとしよう」

 

こういう時に備え、陸上部の部室から、使われていない鉄球を貰ってきておいた。

 

しかし、流石にサッカーボールの塗装をするのはどうかと思う。

間違えて蹴ったりしてしまえば、骨折は免れないだろう。

 

「距離の印を書いてと...よし、完成したな。今日はとことん投げようじゃないか!」

 

休日を翌日に控えた放課後は、セロトニンやオキシトシン、ドーパミンといった幸せ3大ホルモンの分泌が止められない。例えば金曜日の下校中など、諸君らにも心当たりがあると思う。

 

 

 

 

 

「99球目ぇ!!」

 

そろそろ肩が限界だろうか?しかし、明日は休みだから、できることならもっと続けていたい。

 

....よし!次の100球目でスコアを更新出来たら、続投を自分に許可しよう。

 

「すぅ.....」

 

砲丸を首元にセットし、投げる方向に背を向ける。体が徐々に捻られていき、力が溜まっていく。

 

 

左足を振り子のように前後へ振って、それが後ろへ傾いた時。それは投擲に対する発射装置を起動したに等しい。

 

「よいっしょぉ!!」

 

一気に全身の捻りを開放し、腕を突き出す!さて、どうだ!?

 

?「あんまり投げすぎると肩壊しちゃうよ?」

 

「びっくりした...梓か!」

 

電柱の陰から現れた、神出鬼没の同級生に驚いた!

ん?後ろに何か隠しているように感じる。

 

梓「疲れてるだろうと思って、優しい麦茶(これ)!持ってきたよ♪」

 

「Oh!ありがとう!やっぱりこれだよな~」

 

梓「いつも居残り練習してるみたいだけど、今日は居残りの居残り??」

 

「なんだそりゃ笑 明日が休みだから、今無理してるとこだよ。」

 

梓「も~、利き肩壊しちゃったら操縦桿引けなくなっちゃうよ?」

 

「鉄腕ユキオって二つ名があってだな...」

 

梓「わかったわかった。あ、それから終わったら少し時間欲しいんだけど...大丈夫?」

 

セットポジションに入りながら「どしたのん」と聞いてみる。

放物線が途切れると同時に、梓が答える。

 

梓「次のサンダース戦の事で、生徒会が会議をするみたいなの。それで井波くんにも参加してほしいって言ってて...」

 

勿論この後、1球5秒ペースで投げて速攻会議へ赴いた。移動を含め、わずか1分程度の出来事だった。

 

 

【生徒会室】

 

「失礼します!」

 

梓「し、失礼しま...す」ゼェゼェ

 

桃「どうしたんだ?やけに疲れているではないか。」

 

「ちょっと諸々ありまして、説明は控えさせていただきたい」

 

杏「もしかしてそれって」

 

梓「違いますッ!井波くんも変な事言っちゃだめ!」

 

「お、おう!(分からん)」

 

桃「よし、元気になったな。それではこれより、全国大会第1回戦「サンダース戦」の作戦会議を行う。各位メモを取るように!」

 

杏「かーしま、堅い」

 

柚「会長はもう少し堅くなって下さいよ~!」

 

梓「(さっきので皆さんから変に思われてないかな...?)」

 

磯「さぁ話し合いましょう!本音で語り合いましょうよ!」

 

「(俺はどうして呼ばれたんだ?...あっ航空隊とアリクイさんチームの隊長兼任してるからか)」

 

み「(こんな調子で大丈夫なのかなぁ...)」

 

杏「ささ、それじゃ作戦会議始めようか~。西住ちゃん?」

 

み「あっ、はい。敵の編成は―――――――。」

 

我々の個々の戦力は高いものの、個々の個性も中々に強烈である。

これをまとめなければならないというのだから、みほさんの苦労は計り知れない!

普段から持ち歩いている作戦ノートには、上から下まで余すところなくびっしり書いてあった。

 

しかし、友人に見せるページは驚くほど分かり易く清書している!

 

桃「井波。君からも何か意見が欲しい。専門的な事以外でも構わないから話してくれ。」

 

正直なところ連携力が足りない。今は9チームが1つで行動してるのではなく、1チームが9個あるに過ぎないのだ。

 

「優勢火力ドクトリンの指示の元、彼女らは3~4両編成を組んで行動しています。実際黒森峰もこの新戦術には、ある程度損害を出してました。あの高性能車でも撃ち負けるのだから、我々の戦力では何か手を打たなければなりません」

 

柚「じゃ、じゃあどうすればいいの?」

 

「我々の散開は撃破を意味します。まとまって動くべきです!しかし、その為にはいささか連携力が足りない...」

 

梓「確かに、ここ最近は訓練こそしてるけど、実戦の連携を意識したのはやってないですよね...」

 

み「じゃぁ今後は、チーム内で模擬試合を多めにするのでいいでしょうか?」

 

杏「さんせーい!」

 

「(やったぜ!)」

 

これでねこにゃーさんがもう通話に通話を重ねる必要もなくなった。

後程電話で伝えておかねばな!

 

杏「あ、井波くんに1個嬉しい知らせがあるんだけどさ」

 

何だろうか?我がJu87の改造パーツを購入してくれたというのだろうか?

だとしたら、干し芋を1週間分プレゼントする義務が俺にはある!

 

杏「零式艦上戦闘機ってのを引き取ったんだけどさー....乗る?」

 

俺は自分の耳を通り越して鼓膜を疑った!あの零戦の再来だぞ?!信じられるわけがないではないか!

これは一か月分、いや一年分の干し芋を、我が偉大なる生徒会長に献上しなければならない!!

 

「のりますねぇ!」

 

杏「あ、でも一一型らしいから弾は少ないねー」

 

※零式艦上戦闘機一一型は、強力な20mm機関砲を両翼に備え、抜群の運動性能を持つ。

 しかし弱点として弾数が120発しかない上、速度と機体強度は他校戦闘機に劣っていることが多い。(撃墜判定が厳しめ?)

 

しかしなぜ海軍機が...一体どこから引き取ったというのだろう?

....だが、それは重要な事ではないように思えた。

 

むしろ準決勝に勝ち進み、実戦で運用したいという意欲が猛烈に込み上げてくるのを感じた!

 

「あ、ちょっと用事を思い出したので今日は失礼しますね!」シュタッ

 

桃「届くのは明後日だから安心しろ。」

 

「わっかりました....」スッ

 

 

 

 

 

 

 

その後会議は無事終了して下校した。

「零戦がくる...零戦に乗れる...零戦で飛べる....」

 

Ju87D-5の護衛機として運用するのもよし、Ju87D-5と共に制空権確保に努めるのもよしの名戦闘機は、きっと我々の期待に応えて勝利を手繰り寄せるに違いない!

 

しかしヒーローというのは、万策尽きた時に現れるもの。

つまり1回戦及び2回戦は、零戦が我々に課した試練と言っても過言ではない。

 

それにしても、試練を考慮した上でも零戦に乗りたい自分が居るのだから、すっかり染まってしまったようだ。

 

改めて思う。自分はパイロット以外の何物でもないと。

 




ここまで読んでくださりありがとうございます!
遂に来ましたね、零戦!しかし、以前として航空戦力は低いままです。ここは一つ、継続イズム(戦車借用)を採用すべきではないかと...また考えておきますね!(^^;;

次回も乞うご期待!
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