もしガルパンに航空機があったら()   作:田舎の異音

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どうも、田舎の異音です!
今回は、いよいよ零式艦上戦闘機が到着する日のお話ですが、ユキオには思うところがあるようです。

第21話、動きます。


『井波ユキオという男。』

「....ん、朝か。」

 

麦茶朝飯体操を済ませて登校準備をする。ノンナさんには会えなかった。

 

ふと、校庭脇へと目がいく。

そういえば、もう桜は散ってしまったようだ。入学と転校で忙しかったので、ゆっくり楽しむことができなかった。

 

朝はテンションが低いせいか、様々な不安要素が頭をよぎって止まない。

 

「今はスツーカでも何とかなっているが、遠くない未来にはP-51D(D型マスタング)Bf109G(G型メッサーシュミット)、はたまたSpitfireMk.24(最終型スピットファイア)なんかも配備されるかもしれない...」

 

何が言いたいかというと、次世代機が増えれば、俺もこの葉桜のように一瞬で散ってしまうかもしれない。ということである。

何も出来ずに撃墜される試合も増えてくるのだろうか....?

 

――――いやいや、朝からこんなことを考えるのはよそう。スツーカも零戦も、使いようによっては性能以上の実力を叩き出せる筈だ。

 

「さっきみたいに愚痴を垂れていてばかりでは、あいつらも妬いて性能が落ちてしまうかもしれないな!」

 

校門まで走って、気を紛らわせよう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、試合近いこともあってか、一般科目の授業が戦車道に切り替わったことを今知った。

 

つまり、一時間目から四時間目まで急降下し放題が許され、おまけに昼以降はずっと連携訓練に注力できるというのだ!

 

ああ、朝の俺はどうしてあんなにもネガティブだったのだろうか?!

が、そんなことはどうでもいい!早速アリクイさんチームと共に倉庫へ向かった。

 

「これが方向舵でこれが昇降舵。今翼の下で動いたのがダイブブレーキです。」

 

「「「おぉー」」」

 

「それからこれが補助翼で...あ、ちょっと待っててください」

 

「「「おおぉぉー!」」」

 

『これがッ...!急降下爆撃ですッ!!』

【挿絵表示】

 

 

ここぞとばかりに3000mからの急降下をお披露目する。爽快過ぎるほどに鳴り響くサイレンは、パイロットである俺の心をつかんで離さない!もっと急降下していたかったが、地上500mで引き上げることにした。

 

...おっ?風圧でスカートが捲れたのだろうか?こういう時に後部機銃手になりたいと切に思う。

 

「「「うおおおぉぉぉー!!!」」」

 

ね「かっこいいです!ボクも是非とも操縦してみたい...!」

 

ぴ「大空を駆けるぴよー!」

 

も「操縦桿折れないよね?」

 

「え?急降下がお好き?(難聴)なら結構。すぐに乗れるようになりますよ!」

 

我が機を前にした彼女らの目は輝いていた。その輝きを100ct(カラット)に磨き上げるべく10分間我が愛機の、他校機にはない、絶大なる長所の数々を余すところなく伝達した。

 

に「もう我慢できないにゃー!早くスツーカに乗せてくれにゃー!!」ガバッ

 

「わーっ、何を!わぁ、待って!ここで動かしちゃ駄目ですよ!待って!止まれ!うわぁーっ!!」

 

ぴ「....ねこにゃー氏があんなに興奮してるのって見たことあるっちゃ?」

 

も「ネトゲで散々な負け方しても、あんなにはなってなかったナリ...」

 

我々はまず、座学から行うことにした。

 

倉庫の修理は自動車部にお願いするつもりだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午前のうちに、大まかな操縦方法と理想の発着陸、急降下爆撃の理論を空き教室を借りて講義した。

 

午後はいよいよ実践に移そうと思ったが、今回は見送ることにした。三式中戦車チヌを用いた連携訓練をするためである。

 

み『アリクイさんチーム、吊り橋方面を索敵しにいってくれませんか?』

 

「アリクイさんチーム了解です。ももがー氏、北西方面に車体を走らせてくださいな!」

 

も「了解ナリ!」

 

ブロロロロロ....

 

「(こんなエンジン音だったっけかな...まぁいっか)」

 

 

吊り橋の近く、若干の隆起点から砲塔だけ出して索敵を行う。ここで一両でも見逃せば、隊長車の安全は保障されないと頭に叩き込め!

 

目を皿にして双眼鏡をのぞき込んでいたところ、幸運にも生徒会チームの38tを発見した!

 

「こちらアリクイ。生徒会チームの38tが吊り橋を渡ろうとしていますが...撃破しましょうか?」

 

み『後続のいない事が確認でき次第、発砲を開始してください!』

 

「Jawohl!聞いたか?攻撃許可が下ったぞ!」

 

ぴ「稜線射撃をお見舞いしてやるだっちゃ!」

 

徹甲弾をつかみ取って砲身に込める。アドレナリンの為か、それ程重いとは感じない。

 

「どの距離からでも撃破できるから、撃つタイミングは任せる。初撃破といこうじゃないか!」

 

ぴ「だっちゃ!」カチッ

 

砲身から放たれた徹甲弾は、光の糸を引きながら砲塔正面に命中した。

 

パシュッ!

 

杏「やーらーれーたー!」

 

「撃破確認!YATTA!YATTA!」ピョコピョコ

 

その後、後続の三号突撃砲に正面から撃破されたのだから、まだまだ学ぶことは多い。

また、ダイソーの双眼鏡を使うのは止めるようにした。ボヤけ過ぎて岩が戦車に見え、戦車が岩に見えるのだ!

 

 

桃「それでは今日の訓練は以上だ。全員解散!」

 

「「「「「「お疲れ様でしたー!」」」」」」

 

「お疲れ様でしたっと!」

 

日が沈む直前まで訓練に打ち込めることは非常にありがたいことであり、「昨日の我々」から「今日の我々」を大きく進化させてくれる。

 

今日も充実した学校生活だった。

さて、そろそろ一日の締めと洒落込もう。

零戦を倉庫へお迎えにいくとするか!

 

桃「おい井波」

 

「なんです?」

 

桃「非常に申し上げにくいんだが...先ほど業者から連絡があってな。到着が手続きで少し遅れるらしい」

 

「なっ?!あんなに楽しみにしてたのに...」

 

桃「すまないな、ユキオ...それから、少し頼みたいことがある。すぐに飛行服に着替えてきて来てくれないか?」

 

「わっかりました...?」

 

着替え終わると、河嶋さんは俺を校庭の真ん中へ連れていってくれた。いつの間にかカメラを持った人がそこにはいて、この人で最後ですね?と問うた。

 

桃「はい、これで最後です。井波、大会のエントリーシートの為に写真を撮影したいから、印の場所に立ってくれないか?」

 

なんだ、写真撮影か...しかし今はそんな事より、零戦の到着が遅れてしまった事が悲しくて仕方がない。

願わくば我が愛機のコックピットで、独りそっとしておいて欲しい気分である。

 

撮影者「そ、それじゃぁ微笑んでくださーい!」

 

「.....」

 

撮「もう少し!もう少し笑ってくださーい!?」

 

「.....(夕日が眩しいな)」

 

杏「かーしま。なんであのタイミングで言っちゃったのさ...」

 

桃「すいません、完全に順番を間違えてしまいました...」

 

撮「あーもうっ!ハイ、チーズ!」

 

パシャッ

 

「ありがとうございました、それでは....」

 

柚「めちゃくちゃ落ち込んじゃってますよ?!」

 

杏「寝れば元気になるっしょ!多分」

 

桃「あわわわ、うちのエースがぁ!」

 

杏「1・2回戦勝たないと意味ないけどね~」

 

 

 

翌々日、郵便受けにあの時の写真が届けられた。どれどれ、見てみようじゃないか!

 

 

【挿絵表示】

 

 

なんだこれは...B〇SSの缶コーヒーではないか!

 

この日から、俺は写真に写るの避けるようになった。

 




やはり配達業者は選ぶべきですね。
自分自身、初めて自作の絵を挿し絵として挿入したわけですが、いかがでしたでしょうか?
エントリーシートも提出し、いよいよ次回から試合に向けて本格的に突入します。

次回も乞うご期待!
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