「ついにあの男が、プラウダ相手に出撃しちゃったって事!!」
っというわけで、Mr.都市伝説も興奮気味ですが、いよいよ今回から本格的な戦闘に入っていきます。バルバロッサと冬の嵐...名前だけなら知ってる方もいるかもしれません。
それでは第34話、動きます。
スポーツで体を動かすのは、心にも良い影響を与える。
汗を流すことは、心のわだかまりを流すことに通じているからだ。
飛行場を端から端、5往復を走り終わり、愛機の翼下で寝転がる。地面が冷たくて心地いい!
試合はつい10分ほど前に開始され、みほさん達は雪中を勇ましく突き進んでいる。まだ接敵していないが、それも時間の問題なのかもしれない。
「ねこにゃーさん、出撃はまだですか?」
ね「3分おきに同じことを聞かないで欲しいにゃー」
机の上に大きな箱型の通信機を置き、今や大洗航空隊の電波塔となったねこにゃーさん。彼女が通信係として飛行場に残ってもらう事を説得するのに、どれほど時間を費やしたことだろう!恨みで敵編隊へ誘導されないことを願うばかりだ。
もう10分ほどして、前線の戦車部隊から通信が入った。
「もしもし!今どんな感じですか?空から支援しなくても大丈夫ですか?というか出撃させてください!」
沙『お、落ち着いてユキオくん!こっちは大丈夫だから!』
ね「逆にこっちが心配かけてる...」
「...わっかりました。いつでも出撃できるんで、必要ならすぐ言ってくださいね!」
ヘッドフォンをねこにゃーさんへ返し、再び愛機と添い寝を行う。沙織さんとねこにゃーさんは親しげに話しており、危機的状況ではないことが見て取れる
むしろ我々の方が優勢で、先程T-34を2両立て続けに撃破したというのだから驚きだ!
現在は残りの1両を総力を挙げて追いかけているとの事だ!
ハナから負けるつもりではなかったが、こうも上手くいくと、我々が「ナニか」持っているのではないかと切に感じる。時代は我々に味方し、勝利の女神は今、ニッコニコなのだ!
『——————前方に敵車両多数発見!フラッグ車、フラッグ車もいます!空に敵はいません!航空隊も出撃をお願いします!!』
ね「...!!井波くん、すぐに出撃を!...って、あれ?」
「
ぴ「Die Stukas, die Stukas, die Stukas♪」
「
ぴ「Die Stukas, die Stukas, die Stukas♪」
ね『二人とも出撃するのハヤスギンヨー』
「そりゃぁ出撃って聞こえた瞬間エンジンかけましたからね」
無線越しに、ねこにゃーさんのため息が聞こえてくる。
ね『目標はここから約25kmの盆地付近にゃー。戦闘機は見当たらないらしいけど、天気が悪いから気を付けてね』
「了解!」
その盆地は、飛行場から見て真北に位置する。ちょうどプラウダ飛行場と我々の飛行場との距離を足して2で割った場所だ。急がねばならない。数で押されれば、質で勝っていようとも時期に押しつぶされるのは、冬戦争で明らかになっているのだ。
数分後、盆地の手前に到着する。しばらく旋回して戦車を探すも、どうも見当たらない。あるのは砲撃によって盛り下がった地面と、既に白旗を揚げたT-34が1両のみだ。戦線が移動したのだろうか?雪が激しく、地面に残る履帯の跡をたどるのは至難の業だ。
仕方なく高度を落とし、履帯の跡を探そうとしたその時、恐るべき事実が、またも無線によって伝えられる。
ね『お、落ち着いて聞いて欲しいにゃ。たった今、その先の集落で大洗の全車両が、プラウダに包囲されたって連絡が入ったにゃ...』
「なに?!この先だな?!よし、向かうぞ!」
ね『早まってはいけないにゃ!!すでにその上空には2機の戦闘機が待機してるらしい...!』
「ならその機種を確認させて下さい!羽が二枚あるとか、戦闘機にしては大きいとか何でもいいですから!」
しばらくの沈黙。その間に我が機を雲へすこし潜り込ませ、姿をくらますよう細工する。
ね『両方とも羽が2枚付いてるらしい...複葉機かな?』
「ポリカールポフか...急降下の勢いで逃げ切れん事もないが、そうなると上空で目標を探している暇はない...ねこにゃーさん、今度は敵の正確な位置情報と、自分たちがいる場所を伝えるよう言ってください」
地上部隊と直接連絡を取り合うにはいささか距離があり、かと言って近づけばこちらが撃墜されかねない。
しかし幸運にも旧式の戦闘機が防空に努めているのだから、急降下爆撃をしない訳にもいかない。
みほさんが斥候を出してから20分ほど経ち、その結果がねこにゃーさんを伝って連絡される。
ね『~という感じだにゃ』
ふむふむ、なるほど。これほどまでに包囲網という言葉が似合う状況になるのも珍しいだろう。
しかし、冷泉さんと風紀委員長、エルヴィンさんと秋山さんの必死の偵察によって状況が整理されたので、勝機は見えた。
「よし、行こう!」
ぴ「だっちゃ!」
やはり集落の上空では、ポリカールポフの複葉機が2機ほど、機械的に旋回を続けている。
高度は5~600mといったところだろうか。俺は機の高度を1300mまで上昇させ、暗雲の中へその姿をくらませる。勢いそのままに飛行場へ帰るためには、機首を南へ向けた状態で急降下しなければならないので、その為の雲INだ。
どうだ、うまくいっただろうか...しめた、奴らはまだ気が付いていないぞ!再び雲へ入り、本格的に急降下爆撃に向けて体勢を整える。
ぴ「後方よし!いつでもいけるぴよ!」
「よっしゃ....いくぞッ!!」
操縦桿を前へ押し倒し、ダイブブレーキを展開!エンジン出力は普段なら絞るが、今回ばかりは全力で行かせてもらう!!
「うっ...体の浮き上がりがいつもより激しいな...!」
集落...中心部にある教会の前で横一列に並んでいる白い化け物達に、60度を保ちつつ突進する。
ぴ「くっ...プラウダの航空機は、今頃気づいたみたい、ね...!」
「ああ、そうらしい!どれ、急降下耐性の差を見せつけてやるとするか!」
我が勇敢なるシュトゥーカは、その時速が500km/hを越えても依然としている。
そして、不協和音の様な甲高い独特のサイレン音が、コックピットを包み込んでいく...
「照準器の下端にちょっと被ったところで...今だッ!!」
カコンッ...
ホイッスルの付いた250kgの爆弾が2つ、500kg爆弾1つが吹雪の中へと消えていき、機体の遥か後方で炸裂する。狙いは悪くなかったはずだ。旋回して戦果を確認したいが...
ぴ「後ろから2機、戦闘機が追ってきてるぴよ!」
「まずはあいつらを振り切る事からだな。頼むぞ、後部機銃手!」
ぴ「了解だっちゃ...!」ズドドドド...
7.92mmの機銃2門がここぞとばかりに火を吹く!敵戦闘機はこれに対して回避軌道で応える!
いくら戦闘機と言えども、降下で勢いづいている我が機を、回避軌道を取りながら追い続けるのはつらかろう!
ぴ「ふぅ...もう後ろは大丈夫みたい」
「そうか、ありがとう」
飛行場が近づいてきたため、エンジン出力を絞って速度を抑える。
さて、これからどうしようか。さっきの奇襲を受けて防空体制が強化されるのは間違いない。かといって出撃しないのは論外だ。
...護衛機が必要だな
ね「ももがー氏!」
も「もしかして...!?」
ね「.....」コクッ
も「.....ヨッシャ!」タタタッ
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?「こちら偵察機。飛行場にて1機の戦闘機を確認。おそらくJu87の護衛機かと」
ノ「分かりました。こちらも新たに2機投入します。引き続き偵察を」
?「了解」
ノ「...カチューシャのお昼寝には、少々外は危険ですね」
ここまで読んでくださりありがとうございます!
史実のようにバルバロッサ作戦に始まり、冬の嵐作戦で試合は終わってしまうのでしょうか...?
負けられない戦いがそこにはあります。
それでは、次回も乞うご期待!