「いたぞ‼︎ー逃がすなー‼︎」
マジックフォレスト、そこに響き渡る怒号
アスムはその声を聞いた
「なんだろう?」旅をしていたアスムは声のする方へ向かった
大勢の冒険者が何かを必死に追っている
その先には鉄製の手錠と木製の首枷をつけられながらも逃げ走るエルフの少女の姿があった。
「ッ⁉︎」驚きのあまり声が出ない
髪はボサボサ、服はボロボロまるで奴隷だ
聞いたことがある長命種のエルフは高価で取引される奴隷としてまた性の吐け口として死ぬまで使われる
「…」
怒り かつてないほどの怒り年端もいかない少女を寄ってたかって捕まえようとする人として認識していないことの現れ同じ人間としてこれほどまでに差があることに対する怒り
さまざまな怒りが混ざり合うまるでごちゃ混ぜにした絵の具のように入り混じる
「………」
入り混じった怒りはやがて殺意に変わるしかし驚くほど心は穏やかだあくまで人間に対する殺意
気付けばアスムは冒険者の群れの真ん中にいたしかし声が聞こえないアスムの殺気に圧倒され皆声を失うか気絶していた皆がこう思った
(なんだこの殺気)
と
無理もない感じたことのない強い殺気これを発せられるのはドラゴンか魔王
そのくらい強い殺気を放っていれば誰も手出しできない
「大丈夫?」エルフの少女に声をかけるその声は殺気とは裏腹に優しく穏やかいつものアスムだった
「は、はい」力なくエルフの少女が言う少女の名はリーファやはり奴隷として売られていたが逃げ出したらしい
そして
「私の家族を助けてください」
アスムはこの言葉を聞き無意識のうちに
「どこにいるの?」そう尋ねたしかしやはりあの殺気は漏れ出ている隠してあるつもりだろうが溢れているそれほどまでに初対面のリーファの頼みを親身に受け止めている...
リーファが案内したのは洞窟その側面に巧妙に隠されていたドアその前に来たときリーファの息が浅く激しくなる
よほど辛いことがあったのだろう
「大丈夫、僕が開けるから」
アスムはドアを開け中に入るするとそこには老若男女問わず無造作に檻に入れられていた
「リーファ...」「お姉ちゃん」「リーファちゃん」
さまざまな方が聞こえる家族だけでなく他のエルフも檻に入れられていた。
そのとき...
「いたぞー‼︎いたぞー‼︎」奥から屈強な男を2人連れた小綺麗な男おそらく奴隷商人が来た。
「…あいつが?」
「………うん」
リーファに聞く、コクコクと首を縦に振る。エルフを奴隷にし道具のように売るアスムが大嫌いな人間だ
「………」
少し考えたこのままこの商人をどうするかを
アスムは...
「トロ吉、檻を溶かすことできる?」トロ吉は任せろと言わんばかりに檻を溶かした
「あー‼︎せっかく集めた商品がー‼︎‼︎」
嘆く商人、逃げ出すエルフ
「リーファ、トロ吉と一緒に逃げて」
少し戸惑ったがエルフのみんなとトロ吉とどこか遠くへ逃げた
しばらくしてリーファはトロ吉を抱え戻った。そこには虚ろな目をしたアスムがただ立っていた足元には奴隷商人と護衛の屈強な男であったであろうモノが転がっていた
アスムは、とうとう人を...殺した
「ねぇ、僕は…人間かな?…それともモンスターかな?...僕は...ボクは...」
泣きそうなか細い声で問う。人を手にかけてしまったがために精神が不安定になっていた
「貴方様は人間です!私たちエルフを助けた立派な人間です!」
リーファが力強く言った
追われていたところを助けてもらい、家族や他の人も助けてくれたアスムはリーファにとっては"英雄"や"ヒーロー"に近いものに見えただからこそ彼は...彼は人間であると語気を荒げる
その言葉に背中を押されたか涙を拭い一言「そうだよね」とだけ言い逃げたみんなの安否を聞いた全員無事に逃げることができたらしい 良かった
………その後
リーファに別れを告げようとしたとき
「私も連れて行ってください‼︎」とまだ傷も癒えてない子を旅に連れて行けないと何度も説得しても聞く耳を持たない
そのときアスムの左手が輝き出すテイム完了の合図だ
「これで文句は言えませんね」
上機嫌に胸を張り旅について行く口実を得た
アスムの仲間にエルフのリーファが加わり3人になった。これからアスム達はどこで何をしていくのだろう…それはまだ分からない
さっきまで生命だったものがあたり一面に転がる Ah,yeah!