次の街ノーディスのギルドで依頼を受けることになった
人と賑わいの街 ノーディス
アスムたちがここに来た理由はこの世界に来た以上、ギルドに冒険者登録をしなければならず定期的に更新が必要だからだ。
「すごい人ですね!こんなに賑わっているところは初めてです!」
キラキラと目を輝かせながら喋るのはエルフのリーファこの前助けた後ついてきたのだ
更新に必要な依頼に制限はなく更新することとどの依頼を受けるかを伝え無事に帰ってくれば更新完了となる
「うーんどれにしようかな」できるだけ危険が少なくなおかつ1人でできるものを探していた
「あ!これなんかいいんじゃないですか」
リーファが指さしたのは初級ダンジョンに分類されるもので簡単にクリアできそうなものだった
「あ、そのダンジョン俺達もやろうとしてたんですよ。一緒にどうですか?」
後ろから声をかけられた。3人組の冒険者パーティだった
いかにも楽しさ満開のエンジョイ勢だとわかるダンジョンに行こうとしたと言ってはいるが軽装備で持ち物もほとんど持ってないことが分かり、[行こうとしていた]ではなく[誰かのおこぼれを貰おう]としていることが態度に出ていなくとも装いでわかった。普通なら断るとこだが
「い、いいですよ」
アスムは断ることができなかった
人からの頼みは断れないのだ
依頼を受付に持っていこうとしたとき
「ワタシもよろしいでしょうか。そのダンジョン」
白いローブに青を基調とした民族的な装飾を付け草食動物の骨のような面を被った男が訪ねた
見た目からして怪しさ全開の男に例の冒険者パーティは
「いやいや、おっさん流石にないわ」「てかもうちょい服どうにかなんないわけ?」「はっきり言ってダサい」
と言いたい放題言った
「ワタシの名はエニグマ。東の都パバロッサの出身。年齢は“ま だ”28。職業冒険者、役は魔導師。これで怪しさは多少は薄れましたか?」「それに、これは我が一族に伝わる伝統的な装いです。“ダサくありません”」
自身の素性を明かしたがおっさんとダサいと言われたことが余程嫌だったのかその部分だけ語気が強まった気がした
そんなこんなでアスムたちと冒険者パーティそしてエニグマと共にダンジョンに向かうことになった
数十分馬車に揺られダンジョンのある洞窟に着いた
着いて早速走っていった冒険者パーティを余所にエニグマが両手を前に出して
「サーチ」と唱えた
サーチとは探索型の初級魔法だがエニグマのは一味違った
「はい、では行きましょうか」
アスムたちはエニグマについて行く形でダンジョンに入って行った
しばらくして分かれ道に入った
迷いなくエニグマが道を右に進んでいったが
「きゃーーー‼︎‼︎」
何処からか叫び声が響いたよく聞けば先ほどの冒険者パーティの声だった
咄嗟に声の方へアスムは走った
「助けてーッ‼︎」
見ると冒険者パーティの1人が下級モンスターゴブリンの群れに襲われていた他2人は見捨てて逃げたようだ
気がつけばアスムはその1人を庇うようにゴブリンの目の前に立ったいた
ガァーッ
奇声を上げながら襲いかかる
そのとき
バシャ
ゴブリンの顔に何かの液体が思いっきり掛かりジュージューと焼ける音が聞こえる
「アスム様、大丈夫ですか⁉︎」
トロ吉を抱えたリーファとエニグマが走ってきた先ほどの液体はトロ吉の体液である
ダストスライムの能力は溶解。エルフの檻を溶かしたように自身の体液を掛けた対象を溶かすことができる
「貴方、曲がりなりにも冒険者なのではないのですか!何故ゴブリンに怯えているのですか!」
エニグマがあの1人に叱責する
「だって、戦闘技能もないし、探索技能も私は持ってないしまともに戦ったことなんてないんだもん!」
冒険者にあるまじき発言にエニグマは頭を抱えた
こんな奴がダンジョンに行こうなんてお里が知れる
「…とにかく貴方は帰りなさい死にたくなければ」
少し間をおき帰るよう勧めたが
「いいや、アイツらに一発食らわせないと気が済まないわ」
と躍起になって話を聞いていない
兎も角このゴブリンの群れをどうにかしなければならない
「ここは、ワタシが」
エニグマが前に出た
「エニグマさん、殺しちゃダメ!」
「大丈夫です。無駄な殺生はしない主義ですから」
すると
「アンデットドリーム」
アンデットドリーム敵全体を眠らせ夢の中へ閉じ込める上級魔法である
それを最も簡単に無詠唱で放った
ゴブリンの群れは次々と眠っていった
「これで、よろしいですかね」
ものの見事に全員眠り危機は去った
気がつくとあの人はいなくなっていた
「はー...」
エニグマは呆れて言葉も出ない状態であった
「あの人大丈夫かな...」
勝手に逃げたのに心配をしている
お人好しにも程がある
「エニグマさん、サーチで追えませんか?」
ふとアスムが聞いた
「できますよ。ですが、追うんですか?あんな人を」
疑問をぶつけたそれもそうだあんな人を助けようとは普通は思わない
だが
アスムはお人好しなのだ
「...仕方がありませんね。良いでしょう。
サーチ」
エニグマが唱え歩みを進める
しばらく歩くとダンジョンの最下層に着いた
「あっ‼︎」
アスムが見たものとは...
おそらく眠っているであろう巨大な白銀の狼だった
その近くにあの冒険者がいた
「あー!お前らっ!よくも私を囮にしたわね‼︎」
「静かにしろよ!今いいとこなんだから!」「邪魔すんなよ」
「何をしてるんですか?」
アスムが聞いた
「何ってコイツ倒して帰るんだよ」「コイツならそこそこの金になるだろうしな」
モンスターを金としか思ってないような発言にアスムはキレた
「………今すぐ離れろ」
場の雰囲気が変わった
ダンジョン特有の緊張感から一変、重く苦しい空気へと変わった
囮にされた冒険者は気絶し、モンスターを金といった冒険者は戦意を喪失。しかしまだ諦めていない奴がいた
グサッ
肉に鋭い鉄が入り込む音、皮を切り裂き鮮血を外へ流す音
「やめろーーーー‼︎‼︎」
力一杯叫ぶ、しかし...遅かった
ワオーーーーーン‼︎
白銀の狼が咆哮を上げたその瞬間刺した冒険者の身体がズタズタに引き裂かれた
血肉が飛び散りビチャビチャと音を立てて地面に落ちる
「うっ...おぇ…」
リーファは耐えきれず吐き出した
「な、なんだよコイツ...こんなの聞いてねぇぞ」
そういった後逃げようと走り出したが、
ウウウウウ......
狼は狙いを定め切り裂いた
「いや...嫌!死にたくない!助けて...助けて!」
目が覚めたが腰が抜け動けずただ助けを懇願するしかできない
だが希望はなかった
「お願い......たすk」
グチャッと頭を踏み潰された
「ふーん…フェンリル...ですね」
エニグマが呟く
「フェンリル?それって伝説の魔獣とかって言われる奴ですよね?なんでこのダンジョンに?」
アスムが聞く
確かにフェンリルといえば北欧神話に登場するオオカミの姿をした神の名だ
ただしこの世界のフェンリルは伝説の魔獣と言い伝えられているそれはアスムも聞かされていた
「……先ほど言おうと思ったんですが、サーチを使用した際初級ダンジョンと超級ダンジョンが繋がっていることがわかりまして。すいませんもっと早く話しておけばよかったですね」
とんでもない事実が判明したつまりここは突入したダンジョンとは別のダンジョンになるそれならフェンリルがいるのも納得だろう
しかし問題はどうやって生きて帰るかだ
「逃げるにしても五体満足とはいかないでしょう。どうしますか?」
逃げるそう思うのは自然なことだ
しかし
「...あの子は痛くて暴れてるんだと思うんです。だから…僕は...あの子を助けたい」
アスムはお人好しだ...超がつくほどの...呆れるほどの...でも、だからこそ
「はぁー......貴方は本当に本当にわからないそして面白い。いいでしょうワタシは何をすれば?」
人を惹きつけるのかもしれない
アスムとエニグマはフェンリルを救うことができるのか!
次回、帰還 追求
お楽しみに!