予定していたサブタイトルから変更しています
「って、地球ってそういやなんでこんなぼろぼろになってんだ?」
「……それは…」
色々なことが起こって混乱していた星乃だが、深呼吸をして気分を整理すると、口を開く
「色々と聞きたいこととか話さないといけないことがお互いあるみたいだけど、まずは拠点まで帰りましょう。ここにいたら他の野生怪獣も嗅ぎつけてくるかもだからー」
ーボガァン!!!
突如、発電施設の建物が一部轟音と共に崩壊する
バチバチと砕けた建物の中から千切れた電線が電気をスパークさせながら宙に浮かびだす
「な、なんだぁ!?」
驚く二人の前で電気が一箇所に収束。その輪郭をなぞり、色付けながら姿を露わにしていく
ーゴァァァァオォォォォッ!!!
現れたのは特徴的な二本角を持ち、乱杭歯と見開いた目が目立つ怪獣が現れる
「ネロンガ!?しまった…発電施設を動かしたのを嗅ぎつけたんだ」
「先輩に聞いたことあるぜ。確か、電気を食う怪獣だったよな」
星乃の前にメテオが歩み出る
「早速また出番だな。コイツは任せとけ!」
メテオが背中越しにサムズアップをして見せ、右拳を突き出す
そこに手甲ーメテオライズナックルが現れる
手にしたウルトラコアを手の甲に装填。それを拳に向けて倒し、両の拳を突き合わせる
《メテオライズ!》
「行くぜッ!メテオォォォォォッ!!!」
人間の姿が光に包まれ、そこからウルトラマンの姿となったメテオが右拳をアッパーのように突き上げながら飛び立つ
ーシュウァッ!!!
星乃に迫らんとしていたネロンガをメテオの拳が吹き飛ばす
ーゴァァァァオォォォォッ!?!?
倒れふすネロンガに向けてフットワークをしながら相対し、肩越しに星乃に告げる
『星乃は逃げろ!また後で会おうぜ!』
「え、あ……う、うん!」
メテオに促され、星乃がひとまず退散する
それを見届けたメテオはネロンガに拳を向ける
『お前は俺がぶっ飛ばす!かかってこい!!』
ーゴァァァァオォォォォッ!!!
ネロンガのタックルを受け止め、弾き上げた後に拳を打ち込み吹き飛ばす
よろめくネロンガを逃さずにラッシュブローを叩き込んでいくメテオを睨み、ネロンガが角に電流を纏う
ーゴァァァァオォォォォッ!!!
角から青白い雷光を放ちながら暴君のような雷撃が炸裂
たまらずナックルで防御姿勢を取るが、それでもメテオの巨体が吹き飛ばされる
ーシュアァァァァッ!?!?
発電施設を倒壊させながら倒れ伏す
『ぐ、ぁあッ……なんつー雷撃だよ…ッ』
暴君電撃に体が痺れたのか、中々メテオも立ち上がれない
ーゴァァァァオォォォォッ!!!
ネロンガはそんなメテオに向けて尻尾を振り回し、何度も叩きつけてダメージを与える
ーシュアァァ……ッ!
なんとか防御姿勢を取るが、反撃には移れない
そうこうしているうちに、左胸のカラータイマーが赤く点滅を始める
『くっ!?この星じゃ、エネルギーが長く保たない……ッ』
なんとか痺れから復帰したメテオは尻尾を掴むと、発電施設から遠ざけるようにジャイアントスイングで投げ飛ばす
ーゴァァァァオォォォォッ……
ネロンガはよろめきながら立ち上がると、拳を構えながら迫ってきていたメテオを見て姿勢を低くする
その姿が揺らめき、再び透明化して消失した
ーシュアッ!?
メテオの拳が空を切る
あたりを見渡すが、ネロンガの気配はなくなっていた
『しまった…逃しちまった…!』
メテオはそう悪態を吐くと、よろめいて膝を突く
『……クソ、まだまだ俺も半人前か……』
⭐︎⭐︎
拠点にしていたコンビニに辿り着いていた星乃は不安げに外の景色を伺っていた
すると、駐車場に光が降り立ち、中から人間の姿となったメテオが歩み出てくる
「あ、あなた…!」
星乃が飛び出してメテオに駆け寄る
「……悪い、大見得切ったクセに俺、あの怪獣逃しちまった…」
申し訳なさそうに頭を掻くメテオを見て、星乃が首を振る
「大丈夫。おかげで、ここまで無事戻れたから…」
と、どこからか緊張感の無いぐぅ〜という音が響く
「あはは…悪い……連続で戦ったりしちまって……腹がぺこぺこみたいだ……」
バツが悪そうに笑うメテオを見て、星乃が思わず吹き出す
「じゃあ、ご馳走させて。ご馳走みたいなのはないけど、食料ならたくさんあるから」
「ほんとか!助かった〜」
子供のように無邪気に笑って、コンビニの方に向かうメテオの背を見つめ、星乃もコンビニの方に戻っていった
「うめ〜……地球のメシって、ほんとに美味しいんだな!」
カップ麺と、星乃がパックご飯から作ったおにぎりを頬張りながら、メテオが満足そうに告げる
その周りには何個かカップ麺や保存食の缶詰が転がっていた
「……ほんとにいいのか?オレがこんなに食べちまって…」
「いいの。食料はもう余るほどだからさ。遠慮しないで」
星乃もカップ麺を啜りながら微笑む
「……」
メテオが手にしていたおにぎりを食べ終え、手を合わせると、真剣な顔で星乃に向き直る
「さっきの話の続き、そういや聞かせてくれよ。この地球は今どうなってんだ?辺境警備隊としてもオレとしても、今のこの状態は見過ごせないぜ」
「……さっきも言ってたけど、その辺境警備隊…?って何?」
ああ、とメテオが頷く
「俺の故郷、M78星雲・光の国。そこには、俺みたいなウルトラマンって呼ばれる存在が暮らしてるんだ。その中でも精鋭を募った宇宙警備隊。その宇宙保安庁ってとこの部隊の一つが辺境警備隊だ」
「メテオさんみたいなのが、たくさんいるんだ…」
星乃がへぇ…と目を輝かせる
「宇宙のパトロールが主な任務なんだが、俺の所属してる辺境警備隊は特に辺境宇宙のパトロールと、そこで危機を迎えている星の救援が主な仕事なんだ。部隊……って言っても、まだ俺しかいないし、俺も修行中の身なんだけどな」
「そうなんだ…でも部隊までもらえるなんてすごいんじゃない?」
「そこは、俺の先輩の計らいなんだ。訓練中にさ、助けを求める声を聞いて飛び出して、無茶やらかした俺を助けてくれた、カッコいい先輩でな…」
懐かしむように手のひらに視線を落としながらメテオが微笑む
「無茶した俺をひとしきり叱った後に、『そのお前の行動力なら、救える星もあるのかもしれない』って、特別に部隊を任せてくれたんだ」
「……カッコいい先輩、なんだね」
星乃の言葉にメテオが無邪気に微笑む
「さぁて、次は星乃のことを聞かせてくれよ」
「……前から気になってたんだけど、私の名前なんで知ってるの?」
「そりゃ、ずっと聞いていたからさ。あの電波放送」
メテオの言葉に星乃が目を丸くする
「え、あの、聞いて…えっ!?」
「いつだったか…どこかの辺境宇宙をパトロールしている時に聞こえてきてさ。思わず聞き入っちまって、気づいたら楽しみの一つになってたんだよな」
楽しげに話すメテオの顔を驚きながら星乃が見つめる
「元々、地球は宇宙警備隊の先輩にとっても大切な星らしいんだ。中には第二の故郷なんて思ってる人もいる。ここの地球とは別の、俺たちの宇宙の方だけど。でも、俺は星乃の話す地球の様子が好きになった」
メテオがまっすぐ星乃を見つめる
「そんな星乃から、あんな通信来たらほっとけなくてな。なんとか次元の歪みを見つけて飛んできたのさ」
「別の宇宙から…来てくれたんだ…」
星乃はしばらくメテオのことを見つめ、一瞬目を伏せる
顔を上げ、微笑んでメテオに告げる
「ありがとう。こんな私のこと助けてくれて。私の話を聞いてくれて」
「地球のこと、このまま滅ぶだけになってほしくないから、誰かに覚えていてもらいたいから、あの放送を続けてたの。私の願いは叶ってたんだね」
カップ麺とかのゴミを片付けながら、星乃が立ち上がる
「体力とかが回復するまではここ、居てくれていいよ」
「……するまでは…って」
思わずメテオも立ち上がる
「……この地球には、多分……いや、きっと私しかもう人間は居ないの。ネットワークが辛うじて繋がっても、通信も、サイトとかの更新も何も無い。ひとりぼっちの星なの」
振り返ったそのただ一人の地球人は朗らかに笑っていた
「あなたは、きっと他にも助けなきゃならない星があるから。こんな、滅んでしまった星にいちゃいけないよ。私は、一人で大丈夫だから」
「いや、待てよー」
メテオの言葉を置き去りに、星乃は一人ゴミを片付けに部屋を去った
最後に見せた笑顔が、メテオの脳裏に残っていた
⭐︎⭐︎
久しぶりに、誰かと話しながら食べるご飯はおいしかった
長らくそんな経験は無くても平気だった
両親が死んだとわかった時に一生分泣いて、それからはただ死ぬなんて嫌だ。地球のことだって、このまま忘れてほしくないって電波を流し続けた
その電波が、届いていたことが
星乃の他愛もない話を覚えてくれていた人がいたことが
何よりも嬉しかった
これ以上ないくらいに
きっと、メテオのような人がヒーローと呼ばれる人なんだろう
だったら、こんな星に残るべきじゃない
もう滅んでいるようなこの星に、メテオが残る理由なんかない
だからこれでいい
また、いつも通りどうにか生きて、電波放送して
「また明日」と締めくくる毎日が帰ってくるだけだから
それでいいんだ
⭐︎⭐︎
しばらく過ごしているうちに夜も更け、メテオは一人コンビニの屋根に座り込んで辺りを見渡していた
夜闇の暗闇の中で怪獣たちの咆哮がいくつか響く
星明かりに照らされるだけの街並みで、このコンビニのように明かりがついた建物はもうどこにも見られない
「………生きている地球人は、ほんとに星乃だけなのか…」
文明の痕跡はあっても、植物が生い茂り廃墟と化したそれらを見つめていれば嫌でもわかる
人々がいなくなって、少なくない年月が経過していること
「こんな中で、あいつは一人で生きてきたんだな」
ーガコンッ
もの思いに耽っていたメテオの耳に突然異音が響いてくる
立ち上がり辺りを見回すと、近くに転がっていた車が一台潰れていたのを発見した
「……あそこの車…潰れてたっけ?」
と思っていると、更に近くの電柱が不自然に曲がって倒れる
「!?」
じわじわとこちらに向けて、不自然な破壊が迫ってきていた
これだけ見れば嫌でもわかる
「ネロンガか…!くそっ」
屋根から飛び降りてコンビニの中で過ごしていた星乃に声をかける
「星乃!怪獣だ!あのネロンガ、こっちに来やがった」
「!?」
星乃がショットガンとライフルを手にして飛び出す
外に出た二人の視線の先でゆらりとネロンガの輪郭が揺らぎ、近くのビルが崩れ落ちる
ーゴァァァァオォォォッ!!!
「まさか…コンビニの明かりを見て電気があることを嗅ぎつけられちゃった!?まずい…」
「こうなったのは、俺が逃したからだ…すまんッ!!」
メテオが歩み出し、メテオライズナックルを構える
その手を星乃が掴んだ
振り返ったメテオの顔を見据えて星乃がゆっくり首を振る
「もう、いいの。大丈夫。いつものことだから」
「星乃……?」
星乃がにっと笑う
「何回かあったの。怪獣に拠点が見つかったこと。でも大丈夫、一通りの武装とある程度の食料と車があれば次の拠点を探すから。ここも潮時だったんだよ、多分」
「な、でも集めた本とかもなくなっちまうぞ!?」
「また探せばいいよ。モノは、もう私一人きりだからこの地球に溢れちゃってるくらいだし」
踵を返して星乃が戻ろうとする
「心配すんなって!取り逃しちまったのも事実だけど、今度こそあのネロンガをぶっ倒してー」
「ーもういいの!!!」
星乃が声を荒げる
「……ごめん。メテオさんは隠してるけど、気づいてたの。足ちょっと庇ってたり、手ちょっと震えてたり…ネロンガと戦った時に、傷ついてたんだよね」
「………」
メテオがばつが悪そうに頭をかく
「あなたが、助けるために来てくれたのは嬉しい。でも、この星はあなたに助けてもらう理由がない……」
肩から提げたライフルの紐を握りしめる
「だって、滅んでるようなものだから。地球人はきっと私一人しかいない。ここも、どこも廃墟と怪獣しかいない星だから…このまま私が最後に死んだら、怪獣たちだけの星になるだけの地球に……命をかけて守ってくれる理由なんか……無いよ」
星乃が顔を上げてまた笑う
「ーだからもういいの。この星は。あなたと会えたことはとても大切な思い出になるから。それだけあればいい」
「………もう、こんな星や私のために傷つかないでよ…」
星乃の言葉を静かに聞いていたメテオが、右拳を見下ろし、更に拳を握り込む
メテオライズナックルに、ウルトラコアを装填した
「………いつの話かは覚えてないんだが、言ったよな」
メテオが背中越しにコンビニに去ろうとする星乃の小さな背中に向けて口を開く
「星乃が暮らしてきたニホンって国は、サクラって花が綺麗な季節があるって」
「……え?」
「世界遺産のモンサンミッシェル?とかいうの、海の上に浮かんでる建物を見てみるのが憧れだって。もしかしたら、今ならパンダって可愛い動物が野生でもっと増えてるかもって。ニホンでは縁がなかったけど、珊瑚礁って海の中の花畑みたいなのも、見て見たいなって」
メテオが軽く振り返り、微笑む
「ああ、そうだ。俺はほとんど知らねぇよ、地球のこと。でもな、ここに来るまで、滅んでるような素振りを感じないほど、楽しく地球のことを話してくれるお前の言葉から、地球は…すっげーキラキラしてんだなってのが伝わってきたんだよ」
メテオがニヤリと笑って拳を打ち合わせる
《メテオライズ!!》
「だったらよ、簡単な話だ」
「ー俺も、この地球を…何よりも、何年も一人で戦ってきたのを知ってるお前を守りてぇ!ただこのまま、縮こまって終わりを迎えるのをそのままにしたくねぇ!!!」
「ー戦う理由は…命をかける理由は!俺にだってもうあるんだよ!!!」
メテオが天高く拳を掲げる
その姿が光に包まれ、巨人の姿となる
振り返ったメテオが、呆然と見上げる星乃を見下ろし、頷く
ーシュアッ!!!
メテオがネロンガがいるらしき場所に向かって駆け出していく
その巨人の背を、星乃はただ見上げていた
『……わかっちゃいたけど、見えねぇな…』
拳を構えながら辺りを見渡すが、夜の廃墟が広がるばかりでネロンガの気配が見当たらない
ーシュアァ……
油断なく辺りを警戒していると、メテオの背後が揺らいで、衝撃がメテオを襲う
ーシュアッ!?
よろめくメテオが負けじと拳を振るうが、それは空を切る
そこに今度は足先に衝撃が走り、仰向けに転ぶ
透明化したネロンガの尻尾によって足払いをされてしまったのだ
透明な巨体が倒れたメテオにのし掛かる
ーグゥッ!?
ネロンガのストンピングをなんとか振り払って立ち上がる
再びその姿を探して見渡すメテオの背後から電光が閃き、その体に襲いかかる
ーシュウァァァァッ!?!?
雷撃を喰らってブスブスと煙を上げ、メテオがよろめいて膝を突く
近くのビルに手を突くメテオ
その屋上に星乃が駆けつける
「もうやめて!!!それ以上はあなたが…」
『……大丈夫だよ、こんくらい……屁でもないね!』
よろよろと立ち上がるメテオを見上げ、柵を掴んで星乃が叫ぶ
「もう、もう慣れたから…怪獣たちに追われるのも、一人で大変な目に遭うことも……いっぱいあったし……もう、慣れたの……だから大丈夫なの……」
メテオが拳を握り、叫ぶ
『ー大丈夫なんかじゃ、無いだろ!!!』
メテオが星乃を見下ろす
『集めてきた物資とか拠点を台無しにされたり、怪獣に追い回されて怪我したり!そんなのどこが大丈夫なんだよ!?』
改めて右拳を突き出し、メテオが構える
『んなことに慣れんじゃねぇ…慣れなくていいんだ!!』
『辛かったら辛いでいい。怖いなら怖いで、寂しいなら寂しいでいい!』
『そんな当たり前を守るのが、俺の一番大事な使命なんだよ!!』
メテオのその言葉を聞いて、星乃が胸を押さえる
「……当たり前…か…」
星乃が決意したようにメテオを見上げる
「メテオ!なんとか電気をぶつけることはできない!?」
『あ?電気…?なんでだ?』
星乃が急いでタブレット端末からデータを取り出して見せる
「この、怪獣の研究データにネロンガのことが載ってるんだけど、体表組織は体内電気が枯渇すると筋繊維配列が変化して透明になるってデータがあるの!」
『なるほどな……腹ペコの間は姿を消して、身を守るか狩りに優位な状態にするってことだな…!』
タブレットのデータを屈んで見ていたメテオが立ち上がり、拳を合わせる
「……地球のこと、このまま滅んじゃうの嫌だってのは…本当」
「……でも、私たちなんかのために、あなたが傷つくのが…もっと嫌だった…」
溢れた言葉を聞き、メテオが背中越しに拳を見せる
『私たちなんかじゃねぇ。何年も一人で戦い抜いた星乃と、お前が守った掛け替えのない星だ。胸を張れよ、ヒーロー!』
メテオがそのまま拳を構え直し、一気に天に突き上げる
そこに、一条の雷が突き刺さった
『ーサンダーストームフィスト!!!』
ーシュアッ!!!
雷を貯めた拳を地面に叩きつける
廃墟の街を所狭しと雷撃が這い回り、その中にいた透明なネロンガにも膨大な雷エネルギーが浴びせられ、透明化していた体が実体化する
ーゴァァァァッ!?!?
『こんだけたらふく食べたら、透明にはしばらくなれないだろ!』
透明化が解除されたネロンガは慌てふためくが、負けじと角から出力の上がった暴君電撃を放つ
メテオは右手のメテオライズフィストを解除し、胸の前に手を合わせ、横一文字に腕を開く
放出したエネルギーを収束し、腕を十字に組む
『ーシューティウム光線ッ!!!!』
ーシュアァァッ!!!
メテオが放った赤い光線が暴君電撃と衝突
フルパワーの電撃をそのまま押し込んでネロンガを撃ち抜く
エネルギーがスパークを起こし、ネロンガはそのまま仰向けに倒れ伏しながら爆発する
蓄えていた電気エネルギーが一気に放出されていった
ネロンガから放たれた電気エネルギーが廃墟の街に行き渡り、ボロボロながらいくらか生きていたらしい建物の照明が復旧する
廃墟の街に灯った星空のような明かりが、メテオを照らし出していた
『すっげぇ…この街、こんな綺麗だったんだな…』
明かりを見渡し、メテオが目を丸くする
「すごい…こんな景色、久しぶりかも……」
驚きながら、目を輝かせる星乃の様子を見てメテオは微笑む
『な?守るべきもの、やっぱまだあるじゃねぇか』
「………そうかも、ね」
街を見ながらメテオがあぐらをかいて座り、屋上の星乃を見る
『まぁその…これからどうするかは、正直俺にもどうしたもんか…って感じなんだがよ…』
メテオが星乃に向けて拳を突き出す
『これから、よろしくな。星乃!』
しばらく呆気に取られていたが、星乃も微笑んでその巨大な拳の人差し指あたりに拳を当てる
「ーうん、よろしく、メテオ!」
⭐︎⭐︎
こんにちは、ハロー、はじめまして!
地球より、夕凪星乃が配信しています!
今日は1月19日!のど自慢の日らしいです
歌を歌うのは…私あんまり得意じゃないかも…ごめんなさい
一曲は歌えるんですけども、なんだか、披露するのはちょっと恥ずかしい気がします…
そういえば…今日は…とてもラッキーなことがありました
これ以上ないくらい、幸運なことが
私にはもう、こんな幸運無いと思ってて、とても、とても嬉しい気持ちでいっぱいです!
ごめんなさい、急な報告で…とても嬉しくて、つい誰かに話したくなっちゃったんです
それでは、また明日!
「任せとけって。星乃は休んでなよ」
「私……何もできないって思われてる?」
「なんだよ、星乃のヤツ…」
「……こんなケンカ、したことなかった…」
Ep.03
『寒空のオービット』
「知らないとな、もっと、星乃のことを」
「メテオのこと、もっと知ってあげたいな」