書籍版も読んでいますが基本はネット版とWikiをベースに構築して行く予定です。
自分の中の物語を忘れないための投稿になりますのでマイペース、スローペースでの更新となります。
彼の始まり
何者かになりたかった。
惰性で生きてきて、このまま何もなさずに生きていくのだろうと何となく思っていた。
大学に行くのも親に薦められたからで自分も出たほうが良いかなという惰性。
このままこの世界に産まれた意味を見つけられずに、流されて生きていくのだろう。
どっかにいたよくいる誰かとして、何者か証明出来ずに生きていくのだろう。
そんな時だった、あるゲームが目に入ってきたのは。
<Infinite Dendrogram>
『無限の系統樹』と名付けられたそのゲームに何故か惹かれた。
VRゲームでの健康被害は大きなニュースとなって知っていた。
危険なものじゃないのか?
そんな疑問もあったが、それでも何かしらの補填でこれからの人生が楽できないかなという甘い考えと安かったこともあり手を出した。
そして思い知った、これは本物だと。
2足歩行の猫に説明を受け、自分の新たな
俺は何者か証明できるだろうか、この世界で。
【
「さてと、レベル上げに行くか」
2足歩行の猫に強制フリーフォールをさせられた後、ふらつきながら何とか辿り着いた【霊都 アムニール】という場所。
右も左も分からずにキョロキョロしていた俺に声を掛けてくれたパグーと名乗った親切なパグのような犬頭のおっさんが色々と教えてくれた。
今いるところ、この国のルール、ジョブ、周辺のレベル上げのオススメスポットや物を揃えるのに便利なお店などなど。
マスターがこれから増加するという話があって、今のうちから恩を売っておけば有利になるかもとマスターが知りたい情報のすり合わせも兼ねて親切にしていると本人?、本犬?は言っていた。
かなり助かったので、他のマスターにも有用だと思うと告げ別れたがいづれ何か恩返しができればと思う。
その後、早速だがジョブに就き、初期装備そのままにフィールドに出てきたわけだ。
草を踏みしめ歩く、右手に順手で握った初期装備のナイフを軽く振る。
小気味よい風切り音とともに空を斬る。
「エンブリオがどうなるか分からないけど、さっさとレベル上げしたいからなあ」
もしかしたらエンブリオ次第では無駄になるかもしれないが隻剣士のジョブを選んだ。
片手で剣を使わないといけないという制約があるがステータスが上昇するスキルを持つジョブだ。
初期で効率良くレベルを上げるにはちょうどいいし、それに剣に限れば他のジョブに就いても扱えるのが良い。
「ま、剣以外のアームズ系統が来たらリセットになるけど」
猫が言うにはエンブリオには主に5タイプあり、大まかにいうと武器のアームズ、モンスターのガードナー、周りに影響を与えるテリトリー、乗り物のチャリオット、建物のキャッスルというのがあるらしい。
その他にもレアなタイプもあるっぽい。
つまり5分の1の確率でアームズ以外になり、アームズになったとしても剣になる可能性もある。
その剣が両手剣になる可能性があるが...。
初期装備にナイフを選んだのもあり、高確率で無駄にならなそうなジョブを選んだ。
深く息をする。
新鮮な空気が肺を満たすの感じながら思う。
何よりも待ってられなかった。
いつも思っていたファンタジーな世界を体験するという楽しみを、この新世界への冒険を。
少し遠くに草を食むウサギを見つけた。
パグーさんの言っていた多分、【バシラビット】だ。
手の内のナイフを逆手に握り替え少し強めに握る。
ウサギが頭を少し上げ、耳を軽く動かしてキョロキョロと辺りを見渡した。
大地を蹴り出し、ウサギに向けて駆けだす。
自身の鼓動が大きく感じる、頬を風が叩いて行く。
ウサギがこちらに気づいたように身体を向け、少し屈んだ。
距離が近づいていく、息が少し荒くなっていく。
ウサギが弾けたように、頭をこちらに向け跳んだ。
何とか身体を捻りながら避ける。
ウサギが服に掠りながら脇を飛んでいこうとする。
嫌にゆっくりとハッキリと見えたその首筋にナイフを突き落とす。
柔らかな何かに刃物を突き立てた感触とともに足がもつれ、地面に転がる。
「ぐへぇっ!」
無様な声が思わず漏れ、痛みとともに視界が回って行く。
フラフラと揺れる視界とともにゆっくりと立ち上がる。
「いってぇ」
右手に握っていたナイフが無い。
辺りを見渡すと少し離れたところに首にナイフを生やし倒れているウサギが見えた。
ゆっくりと慎重に恐る恐ると近づこうとすると、ウサギは光の粒子となって消えていった。
刺さっていたナイフは草の上に落ちた。
こうして俺の初戦闘はあまりカッコつかずにあっけなく終わった。
0)>あとがきは没にした設定や本文に出てきたオリジナルジョブ等の説明を備忘録的にやる予定です。
0)<今回はプロローグなのでなしで次回からやっていく予定です。