新世界での誕生証明   作:泣面道化

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話を進めていきたいけど、なかなかに難しい。
結構、時を飛ばしてるのに。
次回予告の秘境探索もダイジェスト。
マスターとUBM戦がメインです。

追記:誤字報告をいただきましたが畸形と奇形を調べたところ問題は無さそうですのでこのままでいきます。
報告ありがとうございます。


【親玉】KID

栄冠(クラウン)】レン・クロウ

 

 あれから3ヶ月の月日が流れた。

 〈悋気の水底〉は途中で出たドラグクラーケンが元になったであろう触腕がドラゴンのUBMが出てからそこで足踏みをして攻略は進まなかった。

 今までのUBMは運が良かったり、相性が良かったで倒せていたがやはり火力が足りない。

 最大火力がジェムだよりなのも問題だ。

 ひとまず気分を変えるため〈飢餓の山脈〉〈安寧の流刑地〉という他の魔王就職ダンジョン、神造迷宮に挑んでみたが同じように詰んだ。

 とりあえずは今まで通り〈悋気の水底〉で【蠱毒錬刃 バルム】を鍛えながら【百奇面 ノーフィス】にジョブを蓄えて賞金首を狩りながら過ごしていた。

 そしてまた、賞金首のUBMの情報を得た。

 【双鬼王将 ゴブキネル】

 ゴブリンキングですら、賞金首となるのにそれを悪化させたようなモンスターだ。

 畸形のゴブリンらしく、頭というかゴブリンキングの上半身がゴブリンジェネラルの左腕の辺りから生えてるらしい。

 そして厄介なスキル〈ゴブリンキングダム〉も持っているらしく本体は強く大暴れし、ダメージは配下に回す。

 かなり凶悪な性能を持っているとのことだ。

 まあそういうわけで情報を元に現場近くまで来て〈手配書(ビンゴブック)〉を使う。

 近くに気配を感じる。

 

 「この先か」

 

 正直、大量のゴブリンを倒す手段があるかと言われると微妙だ。

 ただ、配下にダメージを転嫁するなら状態異常はどうだ。

 かなり凶悪になってきたバルムによって倒しきれるのではないかと挑みにきた。

 ただ少し様子がおかしい、森の中で戦闘音が聞こえる。

 

「ちょいと待ちなせぇ、アンちゃんはマスターかい?ティアンかい?」

 

 渋めのダンディな声で呼び止められる。

 まあ、気配探知で誰かいるのかはわかっていた。

 そちらに目を向ける。

 小さな角の生えた優しげな微笑みを浮かべる女性がグラサンをかけ、葉巻のような物を咥える赤ん坊を抱えてコチラを見ていた。

 あのダンディな声をこの女性が?

 

「こりゃいきなり失礼した。【親玉(ゴッドファーザー)】KID、こっちは儂のエンブリオ【百鬼夜后 ゴブリン】。マスターじゃ、で、アンちゃんはどうなんだい」

 

 女性に抱えられた赤ん坊がダンディな声で喋り始めた。

 脳がバグりそうだ。

 

「レン・クロウ、マスターだ」

 

 何とか絞り出すように返答した。

 

「ほう、答えてくれるとは見上げた若モンよ。他の連中とは急に攻撃してきたり、叫び声を上げて逃げちゃもんよ」

 

 赤ん坊はニヒルに笑いながらそう言った。

 そりゃそうだろう、脳がバグりそうなこの光景を見たらそうなってもおかしくないだろう。

 

「ティアンには迷惑をかけれんからな、マスターなら遠慮は要らん。アンちゃん、ゴブキネルに用じゃろう?」

「そうだっと言ったら?」

「質問に質問で返すのは感心せんのう?まあ単純じゃ、アンちゃんの(タマ)取らせて貰うで」

 

 KIDがそう言うと周辺から様々な武装をしたゴブリンが出てきた。

 

「UBMとマスターが手を組んだのか?」

「ハハハハ、ちゃうちゃう。儂がゴブキネルを狙うちゅうんでアンちゃんを始末するために呼んだ儂の手下や」

 

 KIDはおかしそうに笑いそう答えた。

 

「それじゃあ、話しは終いや。テメエら、やっちめぇな」

 

 KIDの号令でゴブリンたちが一気に襲い掛かってきた。

 ゴブリンの上位種も混ざっているようだが、その程度でどうにかなるとでも。

 バルムを握り直し、《トリック》でジェムを取り出しながらゴブリンの猛攻をしのぐ。

 時に避け、ジェムで道を切り拓き逃げ道をつけ、常に動き回り倒し続ける。

 おかしい、終わりが見えない?

 倒すたびに補充されていく、1重だった輪も2重、3重の輪に広がっていく。

 ならばKIDをと思うが、そちらの守りは厚い上に上手い。

 狙いをつけようとするとそのタイミングで姿を隠す。

 コイツ、UBMと戦いながらこの量を展開してんのか?

 

「カッカッカ、やるな、アンちゃん。これ以上は消耗がヒドすぎるわ。うちの若えモンが迷惑をかけたなあ、御礼をするわ」

 

 急にKIDのそう言った声が聞こえた。

 輪が薄くなる気配もないが、ブラフか?

 

「《壱鬼神転(ゴブリン)》」

 

 周囲のゴブリンが掻き消え、角の生えた童子が立っていた。

 

「改めましてKIDや。よろしゅう、んでサイナラや」

 

 気を抜いていなかった。

 それでも分からなかった。

 目の前に現れて殴り飛ばされていた。

 パキッと《救命ブローチ》が砕ける音が聞こえた。

 

「ん、仕留め損なったか?」

 

 《一挙掠匿(スティーレル)》《スローイング》バルムを投げる。

 

「まあええ、次で終わり・や・・。な・んや?」

 

 KIDは倒れ込み動けなくなった。

 〈悋気の水底〉でバルムの状態異常はかなり鍛えられている。

 耐性の無い生物は数多の状態異常が発症して動けなくなり、死亡するほどに。

 

「アンタの膨大なステータスがまだアンタを生かしているが、もう終わりだ」

 

 KIDを見下しながら、そう告げた。

 

「油・・・ つも・・な・ た」

 

 KIDは何事か呟いて、光の粒子になって消えた。

 《手配書》、反応が近くから離れるような動きをし始めた。

 

「急ぐか」

 

 反応を追いかけ、走り始める。

 コチラのスピードが速く、徐々に追いついて行く。

 前方に肩にゴブリンキングを生やしたゴブリンジェネラルが逃げている。

 アチラもコチラに気づいたのか肩から生えたキングが魔法を撃ってきた。

 避けながら、ジェムを投げる。

 直撃したがダメージを受けていない。

 まだ配下がいるのか?

 じゃあなんで逃げてるんだ?

 ジェネラルは辺りを見渡して走るの止めてコチラに向き直した。

 

「Gyaaaa!」

 

 雄叫び。

 そして辺りを見渡した。

 双つの鬼が嗤った。

 確信を持ったように戦意を上げていく。

 ああ、多分KIDを警戒してたんだろう。

 終わらない戦いに恐怖したのかもしれない。

 俺には勝てると思ったのかもしれない。

 肩のキングが何かの魔法を使った。

 ジェネラルが駆けてくる。

 身体強化か何かだったのだろう。

 《トリック》【ジェムーマッドグラップ】を地面に投げて腹にバルムを突き立て、回避する。

 足を泥に取られ転倒したジェネラル。

 拘束用のジェムを取り出し投げつける。

 抜け出そうと藻掻くが拘束を解ける前に増やしていく、イタチごっこのような繰り返しは唐突に終わりを告げた。

 ゴブリンの動きが徐々に弱くなり拘束を解けなくなってきた。

 

「つまらない戦いだったな」

 

 そう呟くとゴブキネルは光の粒子になり消えた。

 

【<UBM>【双鬼王将 ゴブキネル】が討伐されました】

【MVPを選出します】

【【レン・クロウ】がMVPに選出されました】

【【レン・クロウ】にMVP特典【剣冠賢勲 ゴブキネル】を贈与します】】




0)>KID、現実は強面のオッサン。

0)<デンドロに新たな赤ちゃんプレイを求めてログインしたHENTAI

0)>レジェンダリアでHENTAIということは・・・

0)<作中では出しませんでしたが、彼のエンブリオはメイデンwithガーディアンです。

0)>ゴブリンの食癖は悪食、なんでも食べるです。

0)<初期スキルは、産めよ、殖やせよ、地に満ちよ
溜め込んだリソースを使ってゴブリンを産み出すスキル
コンセプトは大量の味方を作ったら強敵に勝てるです。
そして、親玉は破落戸系統超級職です。

0)>次回は時をまた飛ばして主人公のエンブリオ孵化編です

0)<ではまた
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