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追記:黒幕の奥義のフリガナを変更しました。
【
「まのだ、孵らんな」
手の甲のいまだに何者にもならない〈エンブリオ〉を眺めながら呟く。
デンドロを始めてからリアルで1週間、デンドロ内では3倍の時間が流れるので3週間。
俺の〈エンブリオ〉はいまだに孵っていない。
フィールドでレベル上げしていると他のマスターと思われる人たちは、波打つ剣から火を出していたり、水瓶を持つ人魚だったり、空飛ぶ板に乗っていたり、土の小山を急に出したり、一定の範囲に入ったモンスターが急に停止したりと明らかに〈エンブリオ〉だろう能力を使っていた。
最初に選んだ【
「どうすりゃいいんだ?」
次のジョブに悩む。
今まで選んでない魔法職、あるいは生産職にすればもしかしたら〈エンブリオ〉が孵るかもしれない。
「とりあえず、〈エンブリオ〉なしで考えてやりたいことがあるんだよな」
【隻剣士】の都合上、片手が空くのでそれを活用するために【ジェム】(使用すると込められた魔法が発動する消費アイテム)を用意している。
これからも継続購入するのには資金面に不安が残る。
「コストを抑えるために自作は基本。魔法にも憧れがあるし、次は【
ひとまずはこれからのプランを決め、転職に向けてジョブクリスタルを目指す。
「もし、そこの貴方!マスターではないでしょうか?」
歩き始めた俺に前から来た、黒いタキシードを着てシルクハットを被った小太りの小さなオジサンが話かけてきた。
「ええまあ、そうだが」
「おお、おお。それは良かった!」
俺が止まって返事をすると、オジサンはニッコリと笑い嬉しそうに喋った。
「貴方は、上級職に興味はありますかな?」
立て続けにそう続けた。
「上級職?まあ興味はあるけど」
マスターはジョブに対して万能の素質があるが、下級職と違い上級職は条件を満たさないとなれないものが多い。
下級職6、上級職2と就ける数には制限があるもののその選択肢が増えるなら興味が惹かれる。
「ええ、ええ。私どもは今、困ってまして、そのお手伝いをしていただければ上級職に就けるようにサポートをさせていただきます。どうでしょうか、やっていただけませんか?」
オジサンがそう言った。
「えっと、俺に何をしてほしいんだ?」
「ああ、ああ!私としたことが気を急いてお伝えし忘れてました。当方は旅をしながら芸をするいわゆるサーカスというものでして、はい。花形の道化が急に親元に帰ってしまって、はい。万能の素質を持つといわれるマスターを探しておりましたのです」
捲し立てるようにオジサンが続けた。
「えっと、道化の代役をやってほしいということ?」
「ええ、ええ。これから1ヶ月先の【
「ちょっと待って、俺は芸なんか出来ないんだけど」
一気にきた情報に頭がこんがらがりそうになりながら何とか質問をした。
「ええ、ええ、わかっておりますとも!マスターであるならば芸に必要なジョブの【
「えっと?」
「それでは、引き受けていただけますかな、はい?」
【クエスト【余興――サーカス 難易度:五】が発生しました】
【クエスト詳細はクエスト画面をご確認ください】
彼の問いかけとともにクエストの案内が発生した。
溢れ出す情報に何とか食らいつくながら考える。
せっかくのチャンス、もしかしたら〈エンブリオ〉が孵るきっかけになるかもしれない。
「受けさせて貰おう」
「おお、おお!ありがとうございます。この御礼はしっかりとさせていただきますので、はい。時間がないのでさっそく転職にいきましょう!」
善は急げと俺が答えた瞬間に手を掴み引っ張られた。
見た目と裏腹にかなりの力強さで引っ張られバランスを崩しながら合わない歩幅で何とか付いていく。
「ちょっ!まだ名前とか聞いて無いんだけど!」
「おお、おお!これは失敬!忘れておりました」
そう言いながら歩みを止めない、オジサンはこちらを軽く振り返り空いた片手で少しシルクハットを持ち上げ名乗った。
「私は【
0)>というわけでオリジナルジョブが結構出てきました。
0)<道化師、曲芸師、手品師、大道化は主人公のジョブで本編登場予定なので割愛し、黒幕だけ簡単に説明します。
スキル
登場したティアン、マーク・ブラックは結界術師を得ていてその結界内を自身の範囲としていた。
0)>次回はまた少し時間が飛びます。
0)<ではまた