新世界での誕生証明   作:泣面道化

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感想、評価、誤字脱字報告ありがとうございます。
休みも今日までもう何話か更新したいな。
ソシャゲの周回をしながら動画見て執筆すると全然、筆が進まないけど。

追記:スキル名を修正しました


【灯返生葬 ジャック・オー・ランタン】

栄冠(クラウン)】レン・クロウ

 

 今回のイベントはマップに運営がポップしたモンスターが出てくる形式のようだ。

 アチラもコチラもマスターだらけでポップしたところからモンスターが倒されて行く。

 

「ダメだ、こりゃ」

 

 ザックを【ジュエル】に戻して《隠潜》を使い、バルムを握る。

 別のエリアに行こう。

 人の気配が少ない方に駆けてゆく。

 

「この辺にはまだいないな」

 

 シーツを被ったオバケや魔女の格好したゴブリンなどがうろついているがマスターの姿は見えない。

 【ジュエル】からザックを呼び出し、弓に装備を換える。

 

「ザック、前衛とドロップの回収を頼む」

 

 ザックに指示を出し、弓を構える。

 《リーダーアロー》で光属性魔法を番え放つ。

 駆け出したザックの脇を風の矢が飛んでゆき、シーツオバケに当たる。

 光の粒子となりお菓子をドロップした。

 連続で番え放つ。

 それほど強いモンスターではなく一射ごとにモンスターが倒れていく。

 駆け足だったザックもゆっくり歩き、落ちているお菓子を拾っている。

 あっという間にこのエリアのイベントモンスターを狩り尽くした。

 ドロップを回収し終わって戻ってきたザックを労う。

 

「ザック、お疲れ」

 

 戻ってきたザックを軽く撫で労う。

 

「さっき拾ったお菓子2つ出してくれない?」

 

 ゴソゴソと腹のポケットから2つ出してくれた。

 

「ありがとう」

 

 カラフルな棒付きキャンディと人の形のようなクッキーだ。

 キャンディを一舐めする。

 思ったより甘すぎないというかしつこくない甘さでけっこう美味い。

 クッキーはザックにあげてみる。

 フルーツより気に入ったようで何となく嬉しそうだ。

 

「さてと、次に行くか。ザック乗せてくれ」

 

 バルムに持ち替えての移動も早いが他のマスターの目もあるので控えておこう。

 この辺りはまだマスター来ていないからザックでの移動でも多く狩れるだろう。

 屈んでくれたザックに乗り、キャンディを舐めながら移動を開始する。

 他のエリアでモンスターを倒しながら、時には他のマスターに先を越されたりしながらお菓子を集めていく。

 その時、ふと毛色の違うモンスターが現れた。

 イベントモンスターはどこかコミカルだったが、そのウサギの骨のスケルトンは眼孔が灯のような光を放っていた。

 

「特別なイベントモンスターか?倒せばドロップ良かったりするのか」

 

 サクッと光属性魔法の矢を放つ。

 あっさりと倒したがドロップが無い。

 

「逆にハズレのパターンなのね」

 

 ふと、【気配探知】に人の反応を感じた。

 コチラに近づいてくる。

 弓を構える。

 

「すみません、すみません、敵ではないのです」

 

 ボロい黒のローブを纏った顔色の悪い少年が青い炎が灯るランタンを持ち、持って無い方の手を左右に振りながら現れた。

 

「敵じゃないのは一旦信じたとして、何のようだ?」

 

 敵意があるかどうかはわかるわけがない。

 とりあえず警戒を解かずに質問してみる。

 会話で目的が分かれば楽だし、無理ならやるか。

 

「先ほどは僕の火屍(カバネ)が失礼したのです。お怪我はありませんかです」

 

 何を言っているんだ。

 先ほど、カバネ、怪我?

 ああさっきのスケルトンか。

 

「もしかしてさっきのスケルトンのことか?」

「はい、そうなのです。イベントモンスターを倒すためにこの辺りに放っているのです。人は自ら襲わないようにしてますが、反撃等でお怪我してませんか?」

 

 なるほど、そういう事か。

 イベントモンスターじゃなかったのか。

 

「コチラこそすまない、イベントモンスターと勘違いして倒してしまった」

「ああ、良いのです。火屍はすぐに作れるのです」

 

 そういうとランタンを少し上に掲げた。

 

「《火ト影(エンバーズ)》」

 

 ランタンの中の青き炎が一瞬強くなったと思ったら、木や俺たちの影から先ほどのようなスケルトンが出てきた。

 ウサギだけでなくオオカミや鳥もいるし数が多い。

 

「〈エンブリオ〉か」

「ええ、まあ詳しくは言えないのですが、僕の【灯返生葬 ジャック・オー・ランタン】の能力の1つなのです」

「ああいや、すまない。聞いたつもりじゃなかったんだ」

「え、ああ申し訳ないのです」

 

 思わずこぼした俺の言葉に律儀に返してくれた。

 良い子なんだろうな、何だか毒気が抜かれた。

 周りは骨に囲まれているがまあ大丈夫だろう。

 

「俺はレン・クロウ、エンブリオは【原天回姫 ウロボロス】だ」

 

 弓を降ろして自己紹介する。

 

「あわわ、名乗りもせずに申し訳なかったのです。僕はパンプキングです」

 

 慌てて少年も自己紹介をしてくれた。

 すげぇ名前だな。

 

「あぅ、またやられてしまったのです」

 

 ふと、悲しそうにランタンを見ながらパンプキングが呟く。

 

「どうした?」

「また火屍がやられてしまったのです。多分、他のマスターさんだと思います。謝ってくるのです。申し訳ないのですが、失礼するのです」

 

 トボトボと歩き出そうとするパンプキングをみると何だか可哀想に見えてきた。

 

「ちょっと待ってくれ」

「はい?」

 

 思わず引き止めてしまった。

 振り返ったパンプキングに伝える。

 

「俺もついて行って良いか?」

「え?別に構わないのですが、特に何もないのですよ?」

「ああ、大丈夫だ」

 

 パンプキングがこれから会いにいくマスターがマナーが良いとは限らない。

 何となく彼の事が心配だ。

 

「ところでパンプキング、別に謝りに行かなくてもいいんじゃないか?セーフティの設定もしてあるし手を出してきたほうが悪いだろ」

「僕の火屍は見た目はモンスターなので攻撃されても仕方ないのです。それに僕の自己満足みたいなものなのです」

 

 反応のあったという方に歩きながら彼に問うと弱く笑いながら答えてくれた。

 アバター通りの年齢かはわからんがしっかりとした考えの子だ。

 

「あわわ、凄い勢いで火屍がやられていくのです。激オコなのです、はわわ」

 

 と思っていたら、急にランタンを見て慌てだした。

 どうやら出していたスケルトンが勢いよく倒されているみたいだ。

 

「うー、うー」

 

 立ち止まって泣きそうな顔で唸っている。

 

「俺も一緒に謝るから、ほら行こう」

「はい、なのです」

 

 重そうな足取りで歩みを再開した。

 

「この先、もう少しなのです」

 

 言われた方に意識を向ける。

 気配がおかしい、コレは?

 視界にはカボチャの被り物をした黒いローブのオバケがウサギの骨を砕いているのが見えた。

 更にその奥には同じような姿のカボチャがたくさんいた。




0)>イベントの様式は原作のバレンタインを踏襲したつもりです

0)<ザックは喋らないから影が薄いな

0)>次回UBM戦予定

0)<ではまた
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