新世界での誕生証明   作:泣面道化

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本日、連続更新3話目


【一核千瓜 ゴルドサース】

栄冠(クラウン)】レン・クロウ

 

「あわわ、モンスターだったのです」

「落ちつけ。ザック、前衛を頼む」

 

 慌てるパンプキングをに声をかけ、そばに控えていたザックの指示を出す。

 カボチャたちがコチラに気づき、殺到してくる。

 弓に光属性魔法を番え、放つ。

 何体か巻き込みながら矢が飛んでゆく。

 そんなに硬くなく、体力も無さそうだ。

 簡単に倒せそうだ。

 ザックも腕を振るたびに倒している。

 

「数が多いな」

 

 せめてお菓子をドロップしてくれないかな、倒したら消えるだけで何も残さない。

 

「申し訳ないのです、取り乱したのです。《火ト影(エンバーズ)》」

 

 落ち着いたらしいパンプキングがランタンを掲げ〈エンブリオ〉の能力を使う。

 ランタンの炎が強くなり木やカボチャの影から様々な動物のスケルトンが出てくる。

 数は多いがそんなに強くないんだよな、あの骨。

 矢を放ちながらそんな失礼な事を思う。

 

「《クリムゾン・スフィア》、《デッドリーミキサー》、《迷イ道二火ヲ灯セ(ジャック・オー・ランタン)》」

 

 続けて唱えた【紅蓮術師】の奥義と【大死霊】の奥義、そして必殺スキル。

 ランタンの火が一際大きくなり、辺り一帯が闇に包まれる。

 ランタンと骨たちの目の火が灯りとなってその周辺だけが見える。

 

「巻き込んでしまって申し訳ないのです。大丈夫なのです、終わらせるのです」

 

 ゾクリと背筋に寒気が走る。

 ジュエルにザックを戻す。

 そこからは一方的だった。

 僅かに見える照らされた状況ではカボチャたちを骨が蹂躙していた。

 あっという間にカボチャたちを全滅させた。

 骨たちも目の火が全身に周り始め、燃え尽きるように消えていった。

 静かに闇が晴れた。

 

「ふぅ、終わったのです。まさかモンスターだとは思わなかったのです」

 

 柔らかく笑う少年の顔は特に何でもなかったかのように見えて現実離れしてるように感じた。

 骨の動きが変わった?

 パッと見た感じは強さが純竜級まで跳ね上がったように感じたぞ。

 《気配探知》に反応あり。

 

「油断するな、まだ終わってない」

 

 静かに警告を発し、森の奥を指さす。

 また奥から無数のカボチャたちが現れた。

 

「あわわ、なのです」

 

 先ほどの落ち着いた様子から一転して慌て出す。

 とりあえずあっちに何かあるな。

 ジュエルからザックを出す。

 

「道を拓く。ザック、パンプキングを連れて行ってくれ。《魔法射程延長》《魔法威力拡張》《魔法範囲拡大》《魔法発動加速》《クリント・ パイル》」

 

 【閃光術師】の奥義を使う。

 光の太いレーザーが森ごとカボチャを焼き尽くす。

 その後をザックがパンプキングの服の首のところを口に咥え駆けてゆく。

 

「あわわわわわ」

 

 ドップラー効果のように声が離れて行く。

 

「ああ、よく見える」

 

 弓を構えて、呟く

 拓かれた森の先に巨大な王冠を被ったカボチャがあった。

 【一核千瓜 ゴルドサース】という名前らしい。

 とりあえず、《リーダーアロー》で光属性魔法を番え放つ。

 当たったが弾かれたかのように効果がない。

 属性を変えながら放つが効果がない。

 魔法が効かないのか。

 少しすると地面が膨らみ、小さなカボチャが出始めてきた。

 そちらに切り替え矢を放つ。

 問題なく倒せるようだ。

 まもなくザックとパンプキングがヤツの元に到着しそうだ。

 産み出されそうなカボチャを倒して露払いをする。

 ふと急にカボチャが闇に包まれた。

 

「対象は一定範囲なのか」

 

 多分、必殺スキルを発動したのだろう。

 カボチャのいた辺りを闇のドームが包んでいる。

 外から見るとわかりやすい効果範囲だな。

 矢を放つのを止め、弓は構えておく。

 体感では長く感じたが、数秒か数分か数十分かついにその時が訪れた。

 

【<UBM>【一核千瓜 ゴルドサース】が討伐されました】

【MVPを選出します】

【【パンプキング】がMVPに選出されました】

【【パンプキング】にMVP特典【すーぱーかぶりものしりーず ごるどさーす】を贈与します】

 

 アナウンスが流れると闇のドームは消えた。

 弓を降ろして、そちらに向かって歩いていく。

 くり抜かれたカボチャを眺めるパンプキングと地面に休むように伏せているザックがいた。

 ザックに大きな怪我やダメージは無さそうだ。

 

「ザック、お疲れ」

 

 近づき、軽く撫でお菓子をあげる。

 眠そうに瞼を降ろしていたザックは少しだけ目を開け、お菓子を確認したあとに食べた。

 

「あ、レンさん。ありがとうなのです」

 

 俺がザックに声かけたことでコチラに気づいたのか、パンプキングがカボチャを抱えながら頭を下げて礼を言ってきた。

 

「いや、無事で良かった。で、そのカボチャは何?」

 

 気になっていたカボチャについて聞いてみる。

 

「ああ、レンさんのおかげで初めて特定武具を獲得したのです。こちらが【すーぱーかぶりものしりーず ごるどさーす】なのです」

 

 掲げるようにカボチャを上げて、教えてくれた。

 やはりアナウンスが間違っているわけでもなかったようだ。

 なんだ、かぶりものって、しりーずって続くのか?

 特典武具の命名の法則からズレてない、ソレ。

 俺の疑問を無視するかのようにパンプキングを続ける。

 

「なんとコレは頭装備なのです。被れちゃうんです」

 

 嬉しそうに報告して被ってみせてくれる。

 うん、だろうね、かぶりものだからね。

 

「良かったね」

「はい、なのです」

 

 まあ嬉しいならいいや、深く考えないでおこう。

 脱いだり被ったり、マジマジ見たりしてるパンプキングを眺めていると急にハッとしたように止まった。

 

「どうした?」

『うー、もうログアウトの時間なのです。ご用事があるのでしばらくログイン出来ないのです』

 

 俺が聞くと残念そうに悲しみ俯いている。

 カボチャ被ってるタイミングだからシュールだ。

 ログアウトするパンプキングとフレンドになり別れ、俺はイベントに戻った。




0)>今回のMVPはパンプキングくんでした

0)<リアルの用事でイベント中ですがログアウトしてしまいました

0)>イベントは今回で終了で次回はUBM戦予定

0)<ではまた
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