新世界での誕生証明   作:泣面道化

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感想、評価、誤字脱字報告ありがとうございます。
本日、4話目
コレにて本日の更新は終了です。


【環牛重洞 マイマイマイン】

栄冠(クラウン)】レン・クロウ

 

 イベントはやりきり、目的だった【リソース・チャージャー】も交換した。

 交換上限があったため確保出来たのは12つほどだ。

 制限を撤廃して欲しかったが仕方ない。

 一応は上級職2つと下級職6つをカンスト出来る量の制限は良心的なのかもしれない。

 その【リソース・チャージャー】も4つを残すのみだ。

 全部を使うかは悩み中だ。

 今後、欲しかったアイテムとの交換とかにも使えそうなんだよなコレ。

 そんな貴重なアイテムを使ってレベル上げしたのは【給仕(ウェーター)】、【献給仕(ソムリエ)】、【高位給仕(ハイ・ウェーター)】、【高位献給仕(ハイ・ソムリエ)】の4つだ。

 給仕した食べ物や飲み物の効果を高めるスキルを持つジョブで、高級レストランとかで働く人が就くようなジョブだ。

 見つけた時に【禁断奉血 アダバイン】の効果を上げれそうだなと思ってノリと勢いで就いた。

 上級職の就職条件も金で解決できたので意外に簡単だった。

 就いた状態だと前の時よりもレベルの上がりが良くなっていたので実験は成功した。 

 後は他人に使えるかどうかだが、フレンドは基本的にカンスト勢なんだよな。

 また後回しにして、とりあえず戻って来ました〈重力の井戸〉。

 

「次の階層も調べずに別のところには行けないよな」

 

 他のダンジョンと違って詰んだわけでは無いから探索は続けたかった。

 おそらくUBMだろう反応も気になるし。

 【数取頭蓋 ラクシャス】は呆れたように弱く明滅して、光らなくなった。

 イベントの時は楽しそうに光ってたくせに。

 さて、ザックはどうしよう。

 相変わらずボケッとした顔でいる愛らしい従魔を見る。

 

「よし、ザックは止めておこう。ジュエルで休んでおいて」

 

 ジュエルに戻しておく。

 もし重力でぺちゃんこになったら悲しい。

 

「準備万端、さあ行こう」

 

 前回とあまり状況は変わってないようなので、サクッと進めなかった場所に戻ってくる。

 広場には弱いモンスターがたむろしていたので《リーダーアロー》で光属性魔法を番え放って倒す。

 さて、この先だな。

 イベントのため断念した先に進んで行く。

 降りるような坂になっているようだ。

 それほど急ではないが、重力のキツイこの環境ではかなり進みづらい。

 降りきると重力は更にキツくなったような感じがする。

 モンスターの気配を探知して、近づいて確認する。

 この辺りは上とモンスターは変わってないようだな。

 

「よし、狩りを始めよう」

 

 上の階との変化があるかもしれないが、気をつけて行動すれば大丈夫だろうと行動を開始した。

 ほぼほぼ上とモンスターは変わっておらず、同じように行動が可能だった。

 少し純竜級が増えたかもしれないなという感覚であった。

 

「さてと、本番だな」

 

 2日ほどかけて探索を終えた俺は宝物の反応がある広場の近くまできていた。

 身を隠しながら覗く。

 【環牛重塔 マイマイマイン】と名の巨大なカタツムリがいた。

 背には大きな塔にも見える岩山を背負っている。

 壁を食べているようだ。

 

「デカいな」

 

 高さは10メトル程はあるだろうか、幅は5メトル程だろうか。

 あの巨体でこの大広場から出れないんだな。

 さて、どうしたもんか。

 ココから固定ダメージ魔法を放ってもいいが、あの殻といえばいいのか岩山に当てた時にそのダメージはどうなる。

 殻と本体で分けられるのか、本体にもダメージが行くのか、それとも途中でどっかでダメージが伝わりきらないのか。

 《界統濫魔(ザ・ワールド・オブ・フル・マジック)》を使った《リーダーアロー》の固定ダメージ魔法で十分ダメージ量は足りるだろうが、その辺り疑問が残るから使用を躊躇してしまう。

 結局、使いこなす練習もしてないからな。

《界統濫魔》の暴走による自滅の可能性も十分にある。

 ステータスは上の階の【ハイエンド・ロックニュート・ヴァリアント】の方が高かったし、今のままでもAGIは勝っている。

 だが、UBMになっている特異性がある。

 とりあえず、保険は色々あるしやってみて判断材料を増やしてみよう。

 射程範囲まで近づき、《リーダーアロー》で固定ダメージ魔法を番え放つ。

 殻に当たったそれは僅かに岩肌を削った程度に収まった。

 カタツムリが関係なく食事を続けている。

 岩山は本体に影響はないか。

 そして、この程度ではコチラに気づきもしないと。

 

「ああコレなら、通常の手段では何時倒せるかわからんな」

 

 気づかれなくて良かった。

 本体を狙える位置に移動する。

 練習しないといけないことだ。

 成功すれば大儲け。

 弓を構え、矢を番える。

 《界統濫魔》発動。

 周囲の自然魔力を自分のMPのように感じる。

 《リーダーアロー》、固定ダメージ魔法。

 矢に込められた魔法に魔力を注ぐ。

 どんどん光が強くなる。

 暗い暗い洞窟が晴れた昼間のように明るくなる。

 カタツムリがようやくコチラに気づいたように頭を向けてきた。

 背中の岩山が変化して、砲台のような物が形づくられていく。

 身体が重い、頭が痛い、《危険察知》が反応している。

 ――ああ、熱い。

 溜め込んだ熱を放つように弦を離す。

 洞窟にバキンと何かが壊れた音が響く。

 音を置き去りに膨大な魔力を込められた魔法の矢は飛んでゆく。

 そして、目標に狂いなく届いたその矢は触れた頭ごとカタツムリを弾け飛ばした。

 

【<UBM>【環牛重塔 マイマイマイン】が討伐されました】

【MVPを選出します】

【【レン・クロウ】がMVPに選出されました】

【【レン・クロウ】にMVP特典【饗弓価岔 マイマイマイン】を贈与します】

 

 俺はふらつく視界の中、砕け散った弓の残骸を握り締め呆然としていた。

 




0)>良く一射に耐えたなという感じであります

0)<得る物があれば失う物もあるというお話

0)>しれっとオリジナルジョブが出てきてます

0)<主人公はアダバインを強化するためだけに就いたジョブですが、エンブリオとのシナジーとかやりたい事に必要があれば他のマスターで就いてる人がいるかもというジョブです

0)>次回は日常回の予定で濃いキャラのマスターを登場させるつもりです

0)<ではまた
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