新世界での誕生証明   作:泣面道化

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感想、評価、誤字脱字報告ありがとうございます。
今回はキャラの濃いマスターが出る予定です。


"不死蝶"AOHIGE

栄冠(クラウン)】レン・クラウン

 

 少し不快な湿度の洞窟で、木の破片を握り締め呆然とする。

 腕の頭蓋骨の数珠が少し震えた。

 視線をそちらに向ける。

 気にするなというかのように優しく明滅する。

 そう思いたいだけかもしれない。

 獲得した特典武具を確認する。

 

【饗弓価岔 マイマイマイン】

 

伝説級武具(レジェンダリーアームズ)

 

 鉱物を喰らい岩山の如き殻と武装を作り出し背負う蝸牛の概念を具現化した伝説の武具。

 鉱物を喰らい弓矢に変換する能力を与える。

 ※譲渡・売却不可アイテム

 ※装備レベル制限なし

 ・装備補正

 なし

 ・装備スキル

 《袋鉱物》

 《物物鉱換(マイマイマイン)

 

 弓と矢筒の特典武具だ。

 《袋鉱物》は矢筒を鉱物限定のアイテムボックスにするスキル。

 そして《物物交換》は矢筒の中に入れた鉱物を消費して、矢を作り出すか、弓を強化するスキルのようだ。

 【饗弓価岔 マイマイマイン】を取り出し、握っていた弓の残骸を矢筒に入れようとする。

 入らずに地面に落ちる。

 深く息を吐く。

 地面に落ちた破片を集め、アイテムボックスに戻す。

 そしてあの時に一緒にもらった矢筒も一緒に入れる。

 改めて、マイマイマインを見る。

 石で出来たゴツゴツとした弓と矢筒だ。

 

「戻るか」

 

 一旦、地上に戻る事にした。

 まだ〈重力の井戸〉の先はあるみたいだが、探索する気にはなれない。

 マイマイマインを片付けログアウトして、セーブポイントからやり直す。

 街に戻ってきた。

 ひとまず、特典武具の性能確認だ。

 どこまでを入れれるかだ。

 人目の少ないところに移動する。

 一応、何かに使うかもと持っていた金属素材や作っておいた火属性魔法のジェムを入れてみる。

 問題なく入った。

 木材や、モンスター素材は入らないみたいだ。

 ただ石っぽい素材は入るみたい。

 《物物鉱換》をして矢を作ってみる。

 入れた素材の特徴がまばらに見える矢が作り出された。

 《鑑定》してみるとそれぞれの素材の特徴を引き継いでいるみたいだ。

 若干火の属性がある矢が出来た。

 リソースが少なかったみたいだ。

 残っている金属素材や色んな属性のジェムを追加する。

 今度は弓を強化する。

 強度や装備補正が上がり、入れた属性のジェムによって放つ属性魔法の矢の威力補正が入るみたいだ。

 強化するにはけっこうな金食い虫になるな。

 試し打ちもしないとな、今日はなんだかそんな気分じゃないけど。

 

「ハァ」

 

 思わず深いため息が出た。

 その時、2つの人影。

 

「ふう、ようやくしゃべれるようになったの!おとうさま、はじめまして!めいでん、うぃず、てりとりー、うろぼろすがきたの!」

「ちちうえ、このきかいをおまちしておりました。あぽすとる、うぃず、てりとりー、うろぼろすがさんじょうしました」

 

 幼稚園児くらいの少年少女が現れた。

 少女は真っ白でワンピースのような服装で頭に王冠を被っていて、少年は真っ黒で燕尾服のような服装で背中に悪魔のような翼が生えている。

 

「むう、あぽすとるはだまってるの!わたしがおとうさまとおはなししてるの!」

「めいでんはだまっていてください。ぼくからちちうえにせつめいします」

 

 あまり仲は良くないようで喧嘩しそうな雰囲気だ。

 ウロボロスって言ったか?

 ひとまず、自分のエンブリオを確認するといわゆる上級エンブリオといわれるⅣに到達してる。

 進化した事でコイツらが産まれたのか?

 

「あ!ちがうのおとうさま!わたしたちはもともとうまれてたの!」

「そうです。ちちうえ、ぼくたちはしゃべれるほどにせいちょうしたというひょうげんがただしいです」

 

 良くわからんが元々の俺のエンブリオがこの少年少女みたいだ。

 

「そうなの!わたしたちはふたごのたいじだったの!」

「ちちうえのもとにあらわれたかったですが、からだもしこうもみじゅくでした」

「でも、しんかしたおかげでおとうさまにあえたの!」

「こうしてはなすこともできるようになりました」

 

 少女と少年が交互に喋ってきた。

 ひとまず俺のエンブリオで良いとして、まあ父と呼ぶのもとりあえず置いておいて、聞きたいことがあった。

 

「何となくわかったが、エンブリオなら聞きたい事がある」

 

 俺がそう口を開くと、少年少女は泣きそうな顔になった。

 まだ何も聞いていないんだが。

 

「おとうさまがききたいことはわかるの。わたしたちのすきるはわたしがまだみじゅくだからかいせきできてないの」

「ちちうえがおっしやりたいことはわかります。ぼくたちのすてーたすほせいがないのはぼくのせいです。りそーすをすきるにふってしまいました」

 

 2人共、涙をこらえるように喋ってきた。

 罪悪感が凄い。

 

「いや、好きな食べ物や嫌いな食べ物は無いかなって?ほら、腹減ったろ?」

 

 俺は誤魔化した。

 

「おとうさまはやさしいの」

「おやさしいですね、ちちうえ」

 

 2人共、やわらかく微笑んでくれた。

 

「ところで、2人はなんて呼んだら良い?」

 

 勢いで行けと、とりあえず別の話題を続ける。

 

「おなまえないの、でもわたしたちはうろぼろす」

「ぼくたちのこしょうはうろぼろすとなっていますがここのこしょうはありません」

「おなまえつけて、おとうさま!」

「なづけていただけませんか、ちちうえ」

 

 おっふ、想定外だ。

 

「あー、そうだな。キミはウロ、キミはボロスだ」

 

 やっべ、センスねぇ。

 少女にウロと、少年にボロスと名付けてしまった。

 

「わかったの!わたしはうろなの!」

「ぼくは、ぼろすですね」

 

 嬉しそうな2人を見るとやっぱやめたとは言いづらかった。

 

「えーと、ほら食べ物だ、食べ物。何でも良いぞ」

 

 よし、ノリで行こう。

 

「わたしはおとうさまといっしょのごはんならなんでもおいしいの」

「ぼくもちちうえとごいっしょできればたべれないものはありません」

「あー、そう。じゃあ適当な店に入るか」

 

 気まずいのでとりあえず近くの飲食店を探して入る。

 道中、右手をウロ、左手をボロスに握られて歩いた。

 俺、まだ彼女もいないんだけど子供が出来たみたいだ。

 飲食店に入ってテーブルに着くと、右膝にウロが左膝にボロスが座った。

 

「えっと」

「えへへ、おとうさまといっしょなの!」

「ちちうえ、おひざしつれいします」

 

 もう良いどうにでもなれ。

 何を頼むか聞くとおとうさま(ちちうえ)といっしょと言われたのでとりあえずオムライスを頼む。

 コレくらいの子がどれくらい食うのか分からんからとりあえず1人前にしておく。

 運ばれてきたオムライスはとても美味しそうだった。

 雛鳥のように交互に口を開けるウロとボロスに与えていたら俺の食う分は無かったが。

 ひとまず落ち着いてきた。

 混乱していた頭が一旦、冷静になってきた。

 よし、もう少し話をしよう。

 

「アラ?アラ?ステキなお子様たちネ?アナタは2人のお父様?」

 

 意気込んだ俺に妙に野太い声で話かけてきた。

 そちらを見ると胸元が大きく開いたピタピタのタイツのような服を着る胸毛ボーボーの蝶のような仮面を着けたガタイの良い男が話かけてきた。

 野生のHENTAIだあァァァ!

 

「アレ、"不死蝶"AOHIGEじゃねぇ?」

 

 脳内で叫ぶ俺に周り客の呟きが何故か大きく聞こえた




0)>キャラが濃いマスター予告したのに最後だけしか登場しない

0)<ウロボロスが成長して登場しました。

0)>特に能力は増えてませんが。

0)<また成長系の特典武具を獲得したのでどのように成長していくのか。

0)>次回は今回の続きの予定です

0)<ではまた
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