新世界での誕生証明   作:泣面道化

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オリジナルのエンブリオ、UBMが出てきます。
苦手な方はブラウザバックをお願いします。
追記:装備描写を足しました。


初心者狩り

大道化(ピエロ)】レン・クロウ

 

 デンドロ内で1月半が経ってもいまだに俺の〈エンブリオ〉は孵っていない。

 

「まいったな、ジョブも全部埋まってレベルカンストしたしなあ」

 

 マークさんの【黒幕(マスターマインド)】の《万雷の喝采(カーテンコール)》という観客の反応によって経験値を得るスキルの効果は凄かった。

 クエストを受けた後に就いた【道化師(ショーマン)】、【曲芸師(ジャグラー)】、【手品師(コンジャラー)】、そして就けるならと就いた【軽業師(アクロバット)】のレベルもあっという間にカンストした。

 上級職である【大道化】も観客動員数や興行収入などとといった就職条件をすぐに達成した。

 その際に併せて就職条件を達成した道化師系統複合上級職である【大道芸人(パフォーマー)】にも就職した。

 マークさんも【道化師】、【曲芸師】、【手品師】、【軽業師】の4種のレベルをカンストして就けるなんてレアな上級職だと驚いていた。

 

 そうして迎えた本番。

 専属のメイクでスタイリストの方に準備をしてもらい、立派な道化へと変身し、舞台に向かった。

 目玉となる演目、スターマイン。

 複数の違うジョブのスキルを同時に使うことで行う通常不可能な演目だった。

 スキルのクールタイムと消費を1分間低減させる道化師系統の固有スキル《ショータイム》。

 物を投げることに補正を与える曲芸師系統の固有スキル《カスケード》。

 そして、自身の所有権のあるアイテムを手元に瞬時に取り出す手品師系統の汎用スキル《トリック》。

 光や火の魔法を込められた大量のジェム。

 それらを組み合わせて、空に描く大輪の光華。

 【大道化】の奥義、《道化を演じる(エンターテイメント)》により道化師系統以外のジョブもメインジョブにできるようになり【曲芸師】を選ぶことで不可能を可能とした。

 演目は見事に大成功し、無事に前座としての役割を果たした。

 

 その後、マークさんから報酬を貰い別れ、その報酬で必要なアイテムや軽鎧や外套等を買い揃えいわゆる冒険者のような装備になったわけだが。

 

「俺の〈エンブリオ〉は不良品じゃないのか?」

 

 明らかに周りに比べて孵る速度がおかしい。

 同期はおろか後発組もほぼほぼ孵っていそうだった。

 ひとまず、試したいこともありモンスター狩りにフィールドに来たがいまだに孵らない〈エンブリオ〉を太陽に透かすように掲げため息を吐く。

 

「ちょっと待てよ、初心者(ニュービー)

 

 その時、前から黄金の大仏マスクを被った男に声をかけられた。

 

「あん、なんだ?」

 

 変わったヤツがいることは当たり前になってきたが、どこで手に入れたんだあの頭?

 

「このゲームは良いよなあ、初心者がすぐわかる」

 

 黄金の大仏マスクを右手で隠すようにそう言う

 

「何を言ってんだ?」

「ハハ、問答無用さ。もう終わりだからよ。オレのエンブリオ!この【煌顔群馳 ミダース】によって!《我が美貌を魅よ(ミダース)》!!」

 

 ヤツの黄金マスクが輝き出し、そこから目を離せなくなり動けなくなった。

 

「なっ、何をした!」

「クックック、動けんだろ。オレの必殺スキルは敵の視線を向けさせ動きを止めるのさ!ヤレ、ガッツ!」

「了解〜、なるなる〜」

 

 ヤツはバカにするように笑い何者かに指示を出した。

 続けて背後から金属のこすれる音ともに間延びした声が聞こえた。

 

「《振るうは我が豪腕(ビッグアーム)》」

 

 エンブリオのスキルだろうか、そう聞こえるといきなり周囲が暗くなった。

 いや、何か大きい物の陰に入ったようだ。

 その時、なるなると呼ばれた男の輝く顔に小さな影が飛びついた。

 ヤツの顔が隠れた途端、視線も身体も動けるようになった。

 

「わっぷ!なんだ!」

 

 即座に《トリック》で【紅蓮術師(パイロマンサー)】の奥義《クリムゾン・スフィア》が込められた【ジェムークリムゾン・スフィア】を取り出し投げ、着弾を確認する前に振り返る。

 腕だけ異様に大きい全身甲冑がその腕を振り下ろそうとしている。

 見た瞬間に悟る、範囲が広い避けきれない。

 《ショータイム》を使って、改めて《トリック》を使う。

 地属性の下級魔法《マッドクラップ》が込められた【ジェムーマッドクラップ】を取り出し、相手の左足の地面に投げつけ左に避ける。

 背後から轟音と熱気、正面の甲冑は片足が泥にハマり俺の右側に傾くように腕を振り下ろした。

 地面が弾け、石が礫となり飛んでくる。

 改めて【金雷術師(ボルトマンサー)】の奥義《ゴールデン・グリッド》が込められた【ジェムーゴールデン・グリッド】を取り出し投げつける。

 雷鳴、閃光。

 収まる頃には少し焦げた地面が残っていた。

 

「ふう。せっかく報酬で買ったジェムが、高かったのに」

 

 マークさんからもらった報酬の1部で用意していたジェムをふんだんに使ってしまった。

 

「まあ、試したいことも試せたということで。あ〜、やっぱりコストがネックだよなあ」

 

 【ジェム】貯蔵連打理論。

 魔法を込められたジェムを事前に用意して自身の魔法、あるいは攻撃と併せてジェムを投げまくる最強論の1つとして提唱された理論だ。

 ただ弱点はすぐに発覚して、戦闘系近接上級職のAGIに対応するのには遅すぎるということだ。

 そこで俺は【手品師】の《トリック》、【曲芸師】の《カスケード》を加えることで速度を上げてみた。

 成果はあり、改良していけばさらに良くなる可能性も感じた。

 

「さてと、戻るか。【大道化】も【大道芸人】もあるし【道化師】と【軽業師】をリセットして【魔術師(メイジ)】と【魔石職人(ジェムマイスター)】を取るかなあ」

 

 そう呟き、歩き始めた。

 

【強敵をソロで討伐しました】

【条件解放により、【栄冠(クラウン)】への転職クエストが解放されました】

【詳細は道化師系統への転職可能なクリスタルでご確認ください】

 

「はあ?」




0)>主人公の考えてたジェム貯蔵連打理論の派生は、手品師のトリックで即座にジェムを手元に出し、隻剣士、闘牛士のステータス補正、曲芸師の投擲補正で戦闘系上級職にも対応する考えでした。

0)<まあ、AGI型の上級職に追いつかないしジョブも上級魔法職、高位魔石職人、魔術師、魔石職人、隻剣士、闘牛士、曲芸師、手品師で埋まるのでマスターはエンブリオとのシナジーがあるしティアンは素質の絡みがあるので汎用性があるか微妙です。

0)>没になった特典武具の紹介〜

0)<兎跳飛ジョット 逸話級 靴型
  装備スキル 脱兎 短距離転移
        天跳 2段ジャンプ
  元のUBM 天跳脱兎 ジョット

0)>倒され方はたまたま転移したところに強力な魔法を込められたジェムによって

0)<ほぼほぼ今回と同じ倒し方になるのでやめました。

0)>次回は本編にて今回獲得した超級職と特典武具の紹介をする予定です

0)<ではまた
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