本日、2話目の更新です。
【
やはり、超級職か。
この理不尽な力は特典武具か何かで増幅しているのか?
「ふむ、羽虫共が重力属性魔法を失って久しいと記憶していたが使い手が現れたか。少し教えれば実験にも使えそうだ」
地面から立ち上がれない俺を見ながらまた何かを考えるようにブツブツと呟いている。
「羽虫、いや他とは違うな。御主の職はなんだ?」
ふと、コチラを思い出したかのように問うてきた。
少しでも動けるように体力を回復しておきたい、会話に付き合うか。
「【栄冠】だ」
「ほう、道化か。《
重ねて質問をしてくる。
さてどう答えるか、どうやら向こうには《看破》が無いか俺の詐称スキルを突破出来ないようだ。
「いや、《道化を演じる》で選んでいるのは別のジョブだ。《
スキルで選んでるジョブは違うという真実を話し、あえて《大魔導師》の話をして相手が誤解するように話を進める。
「ほう、《大魔導師》か、なら丁度良い。重力操作を行えるなら《鈍重術師》も持っているだろう。この後の実験のため少し講義をしてやろう」
どうやら会話を続けてくれるようだ。
ありがたい、少しでも体力は回復させておきたい。
「最初に御主にかけた重力は、世界に技と認められなかった魔力操作技術。仮称として魔力操作・重としておこう」
本当に講義が始まった。
とりあえず痛みを堪えて話を聞いておこう。
「魔力を操り、重力属性に変化させる。言葉にすれば単純な事である。御主も先ほど、扱おうとしていたものでもある」
何とか地面に激突するのを防ごうとした、アレの事か。
「そしてその技術を突き詰め、世界に魔法として認められたのが空への重力操作《
「あ、ああ」
ひとまず、魔法としてではなく魔力を扱えるという話か?
「まあ理解してなくても良い。御主は魔力運用特化超級職である《大魔導師》に就いているからな。就いてから魔力を感じやすくなっているのではないか?」
「確かに」
先ほども何故かコイツの使う魔力を何となくわかった。
ソレは《大魔導師》のおかげって事か?
「ふむ、実感はあるようだな。続けるぞ。《大魔導師》は本来、アクシデントサークルを人為的に操る事を目的の職という考察がある」
「アクシデントサークルを?でも、奥義は周囲の魔力を吸収するスキルだぞ」
「なるほど、《
しまった余計な情報を。
「ふむ、アレはスキルがなくても出来る技術でもあるが。本来は《
「何の話だ?」
《妖精女王》は聞いたことがあるが《流姫》って知らないジョブが出てきた。
「まあ、今回の話に関係がある話では無いので簡潔に話すが元々、《大魔導師》に周囲の魔力を自身に流入させる機能は付いていない。本来は周囲の魔力を操りアクシデントサークルあるいは類似の事象を発生、操作、制御が目的の職と考えられている」
「じゃあコレは?」
「ふむ、
よくわからないが、ひとまずは納得しておこう。
「さて、話が逸れたな。実験の話に戻ろう。御主には今から魔力操作・重を覚えてもらう」
最初の方に話ていた魔力操作技術だったか?
「なぜ?」
「何、単純な話だ。重力属性魔法の使い手が居なくなって久しい。久方ぶり重力属性魔法同士の事象の確認を行っておきたくなっただけだ。そして《大魔導師》は魔力操作への適正が高い。さてと、御主はマスターで良かったか?」
「そうだが?」
淡々と実験にしか興味が無いのか続けて話す。
その後に振られた質問の意図が読めない。
「それは良かった。手加減を間違えてもまたいつか実験が出来そうだ。これは横向きの重力操作だ。仮称は魔力操作・斥としておこう」
そう言うと周囲の魔力が動き横向きに落ちる様な感覚になる。
必死に魔力を操ろうとする。
「よく見て、よく感じ、よく考えよ。魔力操作は魔力を知覚する事から始まる」
本当に教える気があるのかコイツ!
木にぶつかり止まる俺がヤツを睨みつけながら思う。
ふぅー、落ち着け。
熱くならずに冷静に。
空から落ちた時の感覚を思い出すんだ。
魔力を感じる、重力属性に変化させる。
そして力の向きをヤツのものの逆に!
木に押し付けられていた身体が自由になり地面に立てた。
「ふむ、やはり《大魔導師》は魔力操作の技術を獲得しやすいか」
コッチは全力なのにヤツはかなり余裕みたいだ。
また顎に手を当てて何かブツブツと呟きながらコチラへの重力操作は止めていない。
何かヤツの周囲の魔力の流れがおかしい。
自然魔力のはずだがヤツの魔力のように変化していっている?
「ほう、気づいたか。言ったであろう、自然魔力を操作する技術は技でなくともあると」
アイツは《界統濫魔》と同じ事をスキル補助なしで出来るって事か。
勝ち目がねぇじゃねぇかよ!
「必死にならんと死んでしまうぞ、道化よ。これが魔力操作・斥の極致《
ヤツは右手の掌をコチラに向けると、拮抗していた魔力勝負が向こうに一気に傾いた。
勢いよく吹き飛んで行く。
《界統濫魔》!
回せ廻せ魔力を!
ヤツの自然魔力を操っていた状況を思い出す。
必死に集めた魔力を重力属性に変化していく。
掌を重力の中、突き出す。
「排斥っ!!」
ドサッと地面に落ちて景色が回って行く。
何とか体勢を立て直し立ち上がる。
「どうだ見たかっ!やってやったぞっ!」
俺は叫ぶ。
一瞬、ピタリと音が止んだ静寂を斬り裂くように。
0)>ほぼ説明回だったような
0)<主人公があたかも重力魔法を扱ったようですが単純に膨大な魔力で再現しただけの力技だったりします
0)>次回、決着です
0)<ではまた