新世界での誕生証明   作:泣面道化

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本日、3話目です。


力――引

栄冠(クラウン)】レン・クロウ

 

「魔力だけで魔法を再現するとは、予想以上の成長速度だ」

 

 感心したように《重王》がこぼす。

 

「それでは、次だ」

 

 ヤツがそう言うと手をコチラに向けた。

 急激に身体を引っ張られる。

 周囲の自然魔力がヤツの身体に入っていくのが見える。

 ああ、そうかあの速度は魔力も利用していたのか。

 不思議と前まで《界統濫魔(ザ・ワールド・オブ・フル・マジック)》使っていた時と感覚が違う。

 油断すると呑まれそうだが、まだ保てる。

 ヤツを真似するように身体を身体強化するように操作する。

 こういうことだろ!

 

「ほう、気づいたか」

 

 思わずといったようにこぼれた言葉を聞きながら魔力を纏う拳を捌く。

 チクショっ!

 コッチはバルムを持ってのに対応するのがギリギリだ。

 吹き飛ばす、あるいは吸い寄せようとする重力の魔力操作を妨害しながら近接戦を行っていく。

 テメエは魔法職だろうが!

 

「甘い」

 

 ガードが遅れ、蹴り飛ばされる。

 

「《堕落(フォール)》」

逆天(アセンション)っ!」

 

 一瞬、身体か重くなるが抵抗して体勢を立て直す。

 ヤツに手を向け、引き寄せる。

 まったくコチラによらない!

 なら、自身を軽くし引き寄せの力を使って飛んで向かう。

 

「同時使用か、思ったより逸材だな」

 

 ピタリと途中で動けなくなった。

 

「だが、まだ足りんな。重力を上手く使う事でこの様に動けなくさせる事も出来る。さて、楽しませてもらった礼だ。(やつがれ)の秘奥の一つを見せよう。【四禁砲弾】が一つ、【超重砲弾】にも比肩する魔法だ」

 

 動けるように抵抗するが動けない。

 集まる魔力を全力で運用するがまったく意味をなさない。

 

「仮称、魔力操作・引を突き詰めた極致。星の終着点。いや待て、ここまでだな」

 

 ヤツが柏手を一つ奏でると付近に集まっていた魔力は霧散して、俺も地面に落とされた。

 俺の《界統濫魔》も解除されていた。

 

「いやはや、久方ぶりの魔法戦で熱くなりすぎてしまった。ここでは駄目だな。ヤツとの契約に抵触する可能性がある」

 

 やれやれと頭を少し振ると残念そうに呟いた。

 

「さてと楽しめたぞ、道化よ。僕のここでの用は済んでいる。やれやれせっかく隠蔽を解除したが、地脈利用特殊魔法兵器関連の施設では無かった。まあ、まったくの徒骨では無かったがな。また別の場所で会えるのを楽しみにしておくとしよう」

 

 そう言うと空に浮かんで何処かへと飛んで行った。

 

「なんだったんだ、いったい」

 

 ズキズキと痛む身体を起こしながら呟く。

 アイテムボックスから【劣化万能霊薬(レッサーエリクシル)】を取り出し飲み、【不蝕布 イーウル】を取り出して身体に巻いた。

 

「おとうさま〜!」

「ちちうえっ!」

 

 治療を終えるか終えないかのタイミングで涙目のウロとボロスが出てきた。

 ズキッと痛む身体で受け止め、2人の頭を撫でる。

 

「すまない、心配かけたな」

「おとうさま〜」

「ちちうえ」

 

 胸に抱いて泣かせると、しばらくして落ち着いたみたいだ。

 

「さてと、まだ宝の反応はこの遺跡からあるんだよな」

 

 両手をウロとボロスに繋がられながら遺跡を見る。

 

「というか、あの戦闘で無傷ってどういう事だ?」

 

 自身で呟き、はたと気づく。

 アイツ、この遺跡のことも気にしながら俺の相手をしていたのか。

 格が違いすぎるな。

 ザックとからばっとを呼び出す。

 

「さて、2人ともザックに乗ってくれ」

「「はい、おとうさま(ちちうえ)」」

 

 1人ずつ抱えてザックの背に乗せる。

 

「先は俺が歩くからザックは後を付いてこい。からばっとはザックのそばにいて護衛だ」

 

 とりあえず探索だ。

 遺跡の中は外観とのイメージと違って近代的だ。

 ただ、所々荒らされており壊れて機械部品が露出してあるところもある。

 付近の落ちてあるスクラップを拾ってみる。

 鉄屑か、マイマイマインに吸収出来るかな?

 とりあえず入れてみると入るようだ。

 

「よし、回収していくか」

 

 何か兵器のどっかの部品みたいなスクラップや何処で使うんだっていう金属片を回収しながら宝の反応があった奥に進んで行く。

 コレが宝か。

 何かと戦ったのか、ボロボロの人型のロボットが倒れていた。

 

「うわっ!このひと、ぼろぼろなのっ!」

「これはなんでしょうか?」

 

 ザックの上で驚くように声を上げるウロと何か興味があるように声を出すボロス。

 マイマイマインに吸収するのは止めておくか。

 アイテムボックスに入れておく。

 あとは4つほど反応があるな。

 残りの3つの反応はコンテナ型のアイテムボックスだった。

 中身は金属粒子が詰められてるようだ。

 

「このまま、マイマイマインに入んねぇかな?」

 

 冗談で矢筒を構えてみると、吸収するようにコンテナを飲み込んだ。

 

「入ったよ」

 

 残りの2つも入れて、最後の反応に向かう。

 

「ここだな」

 

 ただの壁に見えるが、隠し扉だな。

 うーん、開け方がわからんな。

 とりあえず手を置いて魔力を流してみる。

 構造的に何か分かれば良いが。

 あん?

 何となく魔力を動かすと良さそうな感覚だ。

 適当に良さそうに感じる様に動かしてみる。

 

「コレで開いたらって、開いたよ」

 

 コレで開いたら苦労ねえよなと呟こうとした瞬間に開いてしまった。

 何か巨大な槍の様に見える何かが安置されている。

 

「アレが宝ね。回収出来るかな?」

 

 とりあえずまた矢筒を向けてみると吸収された。

 

「しまった。鑑定忘れた」

 

 何を吸収したかわからないが、とりあえずマイマイマインの大幅な強化は完了しただろう。

 

「どっかで試すか」

 

 そう呟き、遺跡探索を後にする。

 とても疲れたが得る物が多い旅だった。

 しばらくはゆっくりしたいな。




0)>決着つかずに終わって遺跡探索に

0)<人型スクラップは出すかどうか悩んだけど一度出したので再登場してもらいました。

0)>それが何かはまたいつか

0)<ちなみに重王さんは再登場するかは不明ですが人物紹介の際に今回紹介してないことも書く予定です

0)>次回からクリスマスイベントを3話ほどやって2章完結予定

0)<ではまた
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