新世界での誕生証明   作:泣面道化

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感想、評価、誤字脱字報告ありがとうございます。
今回は少し時間がとんでクリスマスイベントになります。
SP3を読みましたが、面白かったなあ。


〈メリー・クリスマス〉

栄冠(クラウン)】レン・クロウ

 

 今日からイベントが始まる。

 クリスマスイベントの〈メリー・クリスマス〉だ。

 モンスターとして登場するサンタを倒す事でイベントアイテムを貰えるイベントだ。

 討伐系は正直助かる。

 【重王】との戦闘により魔力の扱いがかなり上手くなり、またその後の遺跡で入手出来た物で戦闘力は劇的に上がった。

 魔力を変化して重力操作を行える様になったのはもちろん、魔法とまではいかない炎や風に変化させたりすることも出来る様になった。

 《界統濫魔(ザ・ワールド・オブ・フル・マジック)》の補助があれば自然魔力も扱えるようになってきた。

 集中しないと暴走しそうになるが。

 あとは遺跡で見つけてマイマイマインに吸収した槍の様な物のおかげで【天神の矢(アロー・オブ・ジ・アトモス)】という特殊な矢を生成出来る様になった。

 この矢は放つと炎・風・雷の三属性魔法が発動して融合、プラズマに変化して飛んでいく強力な攻撃になった。

 試しに〈飢餓の山脈〉で倒せ無かったバカ硬く多重構造で固定ダメージも意味が無かったUBMに放つと一撃で倒してしまった。

 まあその威力に相応しく、消耗品で作るのに各属性の上級魔法を込めたジェムを複数と神話級金属をかなり消費したので一発が馬鹿みたいな値段になったが。

 ただその【天神の矢】に着想を得て、新たな魔法を作成出来た。

 その魔法は《天神の弾丸(バレット・オブ・ジ・アトモス)》と名付けた。

 下級相当の炎・風・雷の三属性を融合させプラズマの弾丸を作る魔法。

 使い勝手はよく、発射速度も速く、《クリムゾン・スフィア》には及ばないが上級魔法並の威力がある。

 そして俺は《魔導(ソーサリー)》のスキルと自身の多いMPで威力を底上げ出来る。

 というわけで、そこまで強くない今回のイベントモンスターのサンタも一撃で倒せるというわけだ。

 

「よっと!」

 

 近くにいるサンタをプラズマの弾丸で撃ち抜く。

 落ちたイベントアイテムをザックが拾う。

 イベントはこの繰り返しになった。

 最初はザックの背の上ではしゃいでいたウロも今は静かになりうつらうつらと眠そうにしている。

 

「ふう、ここらも狩り尽くしたかな?」

 

 辺りを見渡してもサンタの姿が見えない。

 すっかりとザックの背で寝てしまったウロとボロスを紋章に戻す。

 《宝探し(トレジャーハント)》。

 あっちに反応がこの感じは多分、UBMか?

 イベント用のUBMだと面白いな。

 一応、《隠潜》を使い警戒しながら進んで行く。

 木の枝の様な角に宝玉の実を着けたトナカイと対峙する様に本を携えた青年が立っていた。

 

「フフ、ハハハッ!ついについにUBMに会えたぞっ!」

 

 両者を《看破》する。

 トナカイの方は【樹角宝獣 オルドルフ】、青年は【詠王(キング・オブ・スペル)】ワイズマンというらしい。

 あのUBMかなりステータスが高い、だが相手は超級職のマスター。

 どちらが勝つかわからんな。

 両者は様子見をしているのか睨み合っている。

 

「俺は【詠王】ワイズマンっ!詠唱特化超級職だっ!つまりこの話をしてるだけでも俺の魔法の威力は上がっていくっ!」

 

 確かにその青年の言葉には魔力を感じる。

 トナカイは高まる魔力の前でも動かない。

 

「そして、【詠王】には最終奥義を存在するっ!《絶唱(ラスト・スペル)》っ!これで俺のHP、SPも詠唱に乗るっ!そして俺は【死兵】の【ラスト・コマンド】によって魔法を放つまで行動が出来るっ!」

 

 青年が最終奥義と言ったスキルを発動した瞬間に魔力が一気に跳ね上がった。

 トナカイはそれでも動かない。

 青年が足止め様な何かをしているのか?

 

「そして俺のエンブリオは今まで詠唱で発動した魔法を溜め込んでいるっ!その必殺スキルはその溜め込んだ魔法を1つの魔法に昇華して放つっ!もちろん、その魔法に俺の詠唱が乗るっ!終わりだUBMっ!《本は銃よりも強し(バベル)》!」

 

 青年が持っていた本が砲台の様に変化した。

 エンブリオの必殺スキル!

 てか、本が砲台になるなんてエンブリオはなんでもありかよ。

 トナカイはその砲台を向けられても未だに微動だにしない。

 アイツ、ステータス的にはAGI型であのマスターよりも圧倒的に速いんだが。

 なぜだと疑問に思うがエンブリオのチャージが終わったようだ。

 

「これがUBMを倒すために溜め込んだ一撃だあっ!」

 

 放たられた魔法の砲弾がトナカイに向かって行く。

 俺の【天神の矢】を遥かに越えるであろう一撃。

 その砲弾は確かにトナカイに届いた。

 しかし、それは吸収されたかの様に掻き消えた。

 

「へ?」

 

 青年の間の抜けた声が聞こえた。

 トナカイの角に実っていた宝玉も5つから7つへと増え、身体は光輝き一回り大きくなった様に感じる。

 歓喜する様にトナカイは身を震わせ、姿を消した。

 

「なんで?」

 

 ふと空から聞こえた声に気づき目を向けると浮かび光の粒子に変化していく青年の姿を確認出来た。

 そして、青年の立っていた場所に光輝くトナカイが悠然と立っていた。

 もう一度、《看破》を行う。

 敵を倒して油断したのか、パワーアップの影響かスキルの隠蔽が解けたようだ。

 ヤツの隠されていたスキル。

 《魔法吸収》。

 その名の通り魔法を吸収するスキルのようだ。

 まさしく"魔法殺し"。

 そして、ヤツの名が変わっている事に気づく。

 【宝角神獣 オルドルフ】と。




0)>元々、このUBMはアムルドルフという名前にしようと思ってましたがアムはかなり原作的に大きな意味を持つので止めました。

0)<しれっとかなり強くなっている主人公ですが、魔法系統に強くなってるのでこのトナカイと相性が悪いのでは?

0)>次回、オルドルフ戦

0)<ではまた
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