第二章もこの話を含めあと2話です。
その後は第二章の人物紹介などが続きます。
【
俺は駆け出した。
居なくなる前に魔力を使わない攻撃で致命傷を与える。
かなりステータスは高くなったが関係はない。
AGI型でENDはそこまで高く無い。
なら【蠱毒錬刃 バルム】が通る。
最近、強化は出来ていないが〈悋気の水底〉のおかげで凶悪な状態異常を与えられるこの刃はヤツにとっても致命的になるはずだ。
そして、気づかれない内に一気に仕留める。
《隠潜》の影響で気づかれてない。
隙だらけの首に刃を突き立てる。
僅かに刺した感覚が手に残る。
気づいたら少し離れた所に【宝角神獣 オルドルフ】が立ちコチラを見ている。
少し身体がふらついたと思ったら、回復の魔法を使っているのを感じた。
「ちっ、仕留め損ねた」
身体強化に魔力を体に巡らせる。
回そうとした魔力を奪われていく。
すぐに止める。
「魔法だけではなく、魔力自体も吸収出来るのか」
コレはかなり戦闘の幅が狭くなるな。
ヤツの角の宝玉の1つが赤く光る。
《クリムゾン・スフィア》に酷似した炎の玉が飛んできた。
「だが、コイツに込めた魔力は奪えないようだな」
飛んできた炎の玉を仮面を着けた茶猫のぬいぐるみが剣で斬り裂く。
【すーぱーぬいぐるみしりーず からばっと】、《
今回込めていたMPは50万、《
そのスキルは《
効果は、ジョブを模した器を得るというものだった。
副次効果で仮面がぬいぐるみに付き見た目の変化もあった。
20万のMPで下級職《隻剣士》、その後は10万MP毎に《貴剣士》、《
変換効率はそこまで良くなく、ジョブも勝手に決まっているため最高のスキルというと微妙ではあったが、HP,SP,MP,LUCを除いて2万という伝説級モンスターを越えるステータスに下級職3つ、上級職1つの前衛と考えるとかなり有用だ。
今の炎の玉は完全に斬りきれて無くてダメージを負ったようだが高いENDと聖騎士のスキル《聖騎士の加護》によってそれほどの損傷では無いようだ。
「さて、どうしたもんか」
バルムの解毒に手間取っているようで、回復魔法は常時発動している。
そのおかげか身体強化に回していた魔力もそちらに割かれステータスは著しく減少している。
とはいえ、AGIは2万を超えている。
スキルの補助もあってスピードは互角だ。
ヤツの角が色とりどりに輝き始める。
魔法の兆候を感じる。
魔力による先読みで地面から出てきた岩の鎗を、飛んできた風の刃を、駆け抜ける雷の矢を回避する。
闘牛士のスキルでステータスが向上する。
魔力の流れで、魔法を予測し回避し接近する。
「決まるまで何度でも、やってやる」
バルムでヤツを傷つけるように振るう。
魔法の盾で防がれる。
「ちっ!」
一気に距離を取る。
駄目だ、硬すぎてバルムじゃ通せない。
だが、俺に意識を割きすぎたな。
からばっとのレイピアの刺突がヤツの身体に突き刺さる。
身体を大きく震わせ、魔力を周囲に解き放った。
濃密な魔力に耐えきれず、からばっとはレイピアを離して吹き飛んで行った。
乱れた魔力を掻い潜り、バルムでヤツを斬り裂く。
舞い散る血、ギロリとヤツが俺を睨む。
剣を振るわなかった腕で防御体勢を取る。
瞬間に発動された暴風の魔法で吹き飛ばされる。
「グハッ」
強かに木に身体を打ちつけられ肺の空気を吐き出す。
ヤツの角の7つの宝玉が紅、橙、蒼、翠、金、白、黒に輝く。
膨大な魔力の動きに強力な一撃が来る事がわかる。
動こうとするが身体をヤツの魔法で拘束されて動けない。
どうする、対抗札は何かあるか?
『お父様、ウロ達が進化したの。それで今まで分からなかったスキルが使えるの!』
『父上、今回の戦闘には役に立てませんが是非、お使いください』
その時、ウロとボロスの声が頭に響く。
舌足らずだった喋りが妙に流暢になった様に感じる。
『今、使っても意味が無いなら使う必要がないだろ』
ウロとボロスが成長して何か能力を得た事はとても嬉しいが今の状況を改善出来ないなら後にしてほしい。
『お役に立てず申し訳ございませんが父上、少しでも早く使った方が良いスキルなのです』
『お父様、ウロ達の必殺スキルなの!』
必殺スキルか、〈エンブリオ〉の名を冠するその〈エンブリオ〉の特性を表す最強最大のスキル。
とりあえず、時間が無い他に出来る事を思いつかないからひとまず試してみるか。
「《
俺は必殺スキルを叫んだ。
しかし、何も起こらなかった。
『ウロ、ボロス、何も起きないんだが。あれ?ウロ、ボロス?』
頭でウロとボロスに声をかけるが返事が無い。
なんだ?
と、ヤツの魔力チャージが完了したようだ。
もう弾け飛びそうな程の魔力を感じる。
ウロとボロスには後で聞こう。
叫んだおかげか名案が思いついた。
《トリック》で【ジョブクリスタル】を取り出し砕き、ジョブを【
このスキルは閉鎖空間あるいは拘束から脱出する事が出来る短距離転移のスキルだ。
動けない状況から開放された。
アイテムボックスから再び【ジョブクリスタル】を取り出し砕き【栄冠】に戻す。
《
その時、ヤツから光の奔流が放たれた。
回避不能だ。
普通なら。
ヤツの方に駆け出しながら、【栄冠】の【
MP、SPで赤い布を作り出し、自身の被弾をその布に移し替えるスキルの効果を跳ね上げた。
予測どおりヤツは攻撃魔法に注力して魔力の吸収は出来なかったようだ。
スキルが発動出来たおかげで、被弾を回避してヤツに近づく事に成功した。
強力な魔法を放った反動か、ヤツはその場から動け無いようだ。
だが、盾の魔法を張る力はあるらしい。
振りかぶった俺の刃から身を守るように盾を張ってきた。
無駄だ。
「《
【遊星】の《切り札》はレベルをリソースにあらゆるスキルを再現する。
【血闘刃】は闘牛士系統の超級職でそのスキル《エストカダ》は《ムレータ》によって攻撃を無効化された対象の防御スキル無効と自身に攻撃力上昇を与える。
「終わりだ」
振るった刃は敵を斬り裂き、鮮血が舞った。
【<UBM>【宝角神獣 オルドルフ】が討伐されました】
【MVPを選出します】
【【レン・クロウ】がMVPに選出されました】
【【レン・クロウ】にMVP特典【宝蕾玉枝 オルドルフ】を贈与します】
0)>討伐完了
0)<明かされなかった必殺スキル、手に入った特典武具はどんなものなのか
0)>次回、リザルト
0)<ではまた