第二章はこれにて完結。
少し短めです。
人物紹介などを挟んで、第三章に続きます。
【
一息ついて、地面に横たわる。
「ああ、勝てた」
空を見上げて、小さく呟く。
「さてと、まずは必殺スキルの確認だな」
遂に待望の俺の〈エンブリオ〉の能力、かなり期待が膨らむ。
「ウロ、ボロス出てきてくれ、戦闘が終わったぞ」
ウロとボロスから説明してもらおうと呼びかける。
あれ、反応が無い?
寝ちゃったのか?
茶色の革手袋【隠掠手 スティーレル】を外して紋章を眺める。
「あれ?」
そこにあるはずの王冠を被った蛇と翼の生えた蛇が輪になった紋章はなく、ゲーム開始をした時から長い付き合いだった淡く輝く卵型の宝石があった。
「な、んで?」
慌てて身体を起こし『詳細ステータス画面』を出す。
「無いっ!」
【原天回姫 ウロボロス】が孵化して追加されていたはずの〈エンブリオ〉の項目が無い。
「ザック出て来いっ!」
〈ハイ・ドラグウォンバット〉に進化しているザックを呼び出す。
「ウロとボロスは居たよな!」
出てきたザックに問う。
ザックは少し何を問うているのか解らないかったのか少し首を傾けてから小さく頷いた。
「そうだよな。あの子達は、夢や幻なんかじゃ無かった。ああ、そうだ!」
アイテムボックスからウロのお気に入りのスライムのぬいぐるみとボロスの鑑定片眼鏡を取り出す。
「ああ、やっぱりある」
もっちりとした感触のスライムのぬいぐるみとしっかりと感触のある片眼鏡を持って実感する。
あの子達は確かに居たと。
茶猫のぬいぐるみ【すーぱーぬいぐるみしりーず からばっと】が吹き飛ばされてた先からゆっくりと戻ってきた。
その姿を見た時、思い出が甦り楽しそうなあの子達の笑い声が聞こえた気がする。
「なんで、あの子達が消えて〈エンブリオ〉が元に戻っているんだ?」
あの猫は言っていたはずだ。
このゲームは脳波を登録しているから例え別のハードで再プレイしても〈エンブリオ〉をリセット出来ないと。
「じゃあなんで?もしかして必殺スキルか?《
じゃあなんであの子達は、早く使えと俺に言ったんだ?
自身を消すリセットボタンをわざわざ押させるような事を。
解らない。
どんなスキルだったのかも、あの子達が何を思っていたのかも。
「ちくしょう、なんでなんだよ」
知らずと涙が溢れてくる。
思わず悪態が口をつく。
あんなに楽しそうだったのに、あの子達は嫌だったのか?
俺の独りよがりだったのか?
何のスキルとステータス補正も無い〈エンブリオ〉。
最初はバグかと思ったが、あの子達に会って考えが変わった。
俺は別にそれでも構わないと思った。
「あの子達が俺のオンリーワンだったんだ」
他のどのマスターもティアンも持っていない特別。
超級職や特典武具と違い、本当のオンリーワン。
ーー何者かになりたかった。
惰性で生きてきて、このまま何もなさずに生きていくのだろうと何となく思っていた。
このままこの世界に産まれた意味を見つけられずに、流されて生きていくのだろう。
どっかにいたよくいる誰かとして、何者か証明出来ずに生きていくのだろう。
そんな時に出会った、自身を変えるものに。
新世界に産み落とされ、可能性を与えられた。
産声は高らかに、遊戯か、世界に響いた。
そして、何者かも証明出来ないまま特別を失い新たな可能性を得た。
望みを叶えるための新たな始まり。
終わりは始まりを告げた。
0)>オルドルフの特典武具は三章で出す予定です。
0)<導入で倒されていたUBMの特典武具も出てくるかも?
0)>三章で必殺スキルの詳細は出せるか微妙なのでしばらくお待ちください。
0)<なお、必殺スキルは最初から確定してます。
0)>次回は二章の人物紹介です。
0)<ではまた