新世界での誕生証明   作:泣面道化

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今回も原作改変要素があります。
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〈機皇親衛隊〉

栄冠(クラウン)】レン・クロウ

 

「さてと、どうしたもんか」

 

 用事は済んだが得るものは無かったな。

 皇都に戻ってきた俺はこの後にどうするかを悩んでいた。

 とりあえず。

 

「何か用ですか?」

 

 誰もいない空間に話かけてみる。

 

「皇王がお呼びです。皇王宮までご足労願います」

 

 声がどこからともなく聞こえてくる。

 皇王、この国の最高権力者が来たばかりの俺に何のようだ?

 

「わかりました。どうすれば良いでしょうか?」

「話は通っておりますので、皇王宮にそのままお越しください」

 

 その声を最後に気配は遠ざかっていった。

 ひとまず、皇王宮。

 多分、あの城だろう。

 向かってみるか。

 あれよあれよと事はスムーズに進み玉座の間に通された。

 玉座に座る老人と自分だけの空間。

 嫌に空気が重い。

 感じる感覚としてはレベルはそれほど高く無さそうだがこの老人からは強者の雰囲気を感じる。

 あの座ってる玉座は何だ?

 周辺からリソースを吸い上げているように見える。

 

「ふむ、見えているのか。まあ良い、儂はドライフ皇国皇王、ザナファルド・ヴォルフガング・ドライフ」

「私は、旅のマスターのレン・クロウと申します」

 

 皇王が口を開くと重々しい音が空間に響く。

 

「無駄話はよそう。呼んだ用件は【遊星(トリックスター)】についてだ」

 

 ビクリと、身体が一瞬硬直する。

 【遊星】は表に出して無いのにどこからその情報を?

 

「何もそう怯えなくても良い。ただ儂の目的に協力をしてほしいだけだ」

「目的ですか?」

 

 淡々と話を続ける皇王。

 緊張感が漂い、うっすらと嫌な汗が出てくる。

 

「まずは確認だ。記録では【遊星】には他のスキルを再現する奥義があると残っている。コレは確かか?」

 

 目的は何かは解らないが嘘を吐いても仕方ないだろう。

 

「ええ、まあそうですね。《切り札(ジョーカー)》というスキルを再現する奥義があります」

「ならば良い。その奥義を使ってやってほしい事がある」

 

 ギラギラと野心が漲る様な目でコチラを見て、話を続ける。

 

「【機皇(インペリアル・マシン)】には《ロードマップ》という奥義がある」

 

 【機皇】は確か【勇者】とかと同じ特殊超級職のはず。

 どういうジョブかの詳細情報は得られなかったが、この皇王が就いているジョブのスキルが何だと言うんだ?

 

「このスキルは目標となる知識、技術を自身の持ってる知識、技術をベースに1つずつ工程をアンロックするというものだ」

 

 時間がかかりそうだが、かなり有用なスキルだ。

 とはいえ、それが俺に頼みたい事に繋がるのか?

 

「最もそのアンロックには、自身の寿命を使用する。さて、頼みたい事がわかったか?」

 

 なるほど、言わんとした事はわかった。

 不死身のマスターを使って自身の望む知識や技術を得たいという考えだな。

 確かに寿命を迎えても3日すれば復活するマスターの最適な使い方だと思うが。

 

「褒美はそれなりの物を約束しよう。さて、どうだ?」

 

 受ける受けない以前に聞いて置かないといけない事がある。

 

「ちなみにその知識や技術は何を得ようとしてるか聞いても良いでしょうか?」

「ああ良いだろう。人類の本願成就のため、この世に戦乱を満たすのよ」

 

 彼の返答を聞いて答えが決まった。

 

「申し訳ございませんが、お断りさせていただきます」

「ほう」

 

 彼は僅かに目を細めた。

 

「《切り札》はレベルを消費して発動いたします」

「なるほど、やはり対価が必要であったか」

 

 納得したかのように相槌を打ってきた。

 

「ただまあ、今回はどのような条件でもお断りしましたが」

「やはり予測した通りか。本題に入ろう」

 

 断ったというのに何処か愉しげにそう告げてきた。

 

「【栄冠】、【遊星】、【大罪狩】、【秘宝狩】、【大魔導師】」

 

 ゆっくりと俺の就いている超級職を呟いてきた。

 

「多くの超級職に就き、これまでのアプローチとは違う可能性。試させてもらおう。〈機皇親衛隊〉」

 

 彼が喋りきる前に時間停止のアイテムボックスから【すーぱーぬいぐるみしりーず からばっと】と【鋼咬覇餓 ゴレムレゴ】を即時開放する。

 100万のMPを込められた状態の2足歩行の茶猫のぬいぐるみと魔法により強化された状態の子鬼のゴーレムが即座に出てくる。

 茶猫のぬいぐるみは装備した盾で赤い布を纏う男の斬撃を防ぎ、子鬼のゴーレムは下着姿のような両手に斧を持つ少女の身体を噛み千切った。

 俺は【宝蕾玉枝 オルドルフ】を右手に取り出しその宝玉が実ったような枝を振るい周辺に現れた雨の魔法を掻き消し、左手で周囲のアンデッドたちを重力属性の魔力操作で動きを止める。

 

「からばっとはそのまま、攻撃せずに防ぎ続けろ!ゴレムレゴは喰らい尽くせ!」

 

 赤い布の男は【血闘刃】、下着姿の少女は【蛮姫】で何故か身体欠損が即座に回復している。

 俺の相手の虚無僧が【雨降】、アンデッドが【死将軍】。

 即座に《看破》して相手を把握する。

 いつまでも持たんな。

 仕方ない、戦略的撤退だ。

 《道化を演じる(エンターテイメント)》で【大罪狩】を【奇術師】に変更する。

 戦闘開始とともに部屋の雰囲気が変化したのを感じていた。

 逃さないと閉じ込めたのが失敗だな。

 からばっととゴレムレゴを即時回収。

 

「《大脱出(エスケープ)》!」

 

 周辺の景色が皇王宮の外に変化する。

 即座に離れるように痛む身体で駆け出す。

 指名手配とかされないよな!

 

「チクショーッ!」

 

 俺の虚しい叫びが皇都に響いた。




0)>主人公に可能性を感じた皇王の襲撃です

0)<上澄み中の上澄みのティアンを足止め出来たのは準備が良かったからです、逃げる時にダメージを負っているのでギリギリです

0)>からばっととゴレムレゴがベストなパフォーマンスの状態で保存していたおかげで何とか相手が出来ていた感じです

0)<もう少し戦闘を引き延ばすか考えましたが、やられるビジョンしか見えなかったので逃がしました

0)>次回、皇国放浪です

0)<ではまた
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