新世界での誕生証明   作:泣面道化

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感想、誤字脱字報告、評価ありがとうございます。
久しぶりに更新できました。


Dice Roll

【栄冠】レン・クロウ

 

 あのショーの後、全てをJ孫に丸投げして俺は村を去ることにした。

 皇王に目を付けられた俺があの場に残るのは得策には思えなかったからだ。

 また人気の少ない山を目指して旅に出たが、《宝探し》に複数の反応。

 多分、ティアンかマスターかな?

 

「とりあえず、様子を見に行くかな」

 

 反応のあった方に近づき、近くで《隠潜》を使って更に距離を詰める。

 瓶で酒か何かを呑んでいる金髪、グラサン、豹柄の毛皮のコートの上裸の男がいた。

 ティアンのようだな。

 

「チッ、もうネェか」

 

 呑み終わったようで瓶を逆さに振り始めた。

 関わらなくて良いか、ゆっくりと去ろうとした。

 

「オイ、そこのヤツ。酒を持ってないか?」

 

 気づかれてたか。

 《隠潜》を解き、彼の前に姿を現す。

 

「残念ながら、酒は持ってない」

 

 《一挙掠匿》でスキルを隠しながら《看破》を行う。

 【賭博王(キング・オブ・ギャンブル)】か、デタラメなステータスだな。

 MPが極端に高く、LUCは6桁に他は5桁だ。

 たしか賭博師系統には固有スキル《運も実力のうち(ラック・イズ・ステータス)》という獣戦士系統の《獣心憑依》がLUCになったようなスキルがあったな。

 数値を見るに10%くらいか?

 

「まあ、良いか」

 

 おもむろに男は葉巻を取り出し、指をチョキのようにして端を切り、ゴツい金色のライターで火を着けてくわえた。

 

「ふう、コレと同じ葉巻は持ってねぇよな?」

 

 吸い込んだ煙を吐き出してから、そう尋ねてきた。

 

「それもない」

「だよな、はあ。そろそろ街に戻らんと駄目だな」

 

 男はやれやれと首を振りながらそう言った。

 

「【賭博王】アセットだ。よろしく」

「レン・クロウ」

 

 サングラスを少しずらして、自己紹介しながら挨拶をしてきたので警戒は解かずに自己紹介で返す。

 

「ふん、中々に固いねぇ。まっ、良いけどよ。さて、お前は俺が【賭博王】と知っても何も感じねぇみたいだな」

「それが何か?」

「いや、単純に【賭博王】は簡単に手に入る超級職だから欲しがるかなと思ってな」

 

 愉快そうに男が続けて言った。

 

「簡単に手に入る?」

「ああ、知らねぇだけか?【賭博王】はギャンブルの勝ち数とかで成れるようになる条件と別に現【賭博王】に勝利すれば資格を得られるんだよ」

 

 なぜそんな情報を俺に?

 

「ふん、変わらねえか。おもしれぇな」 

 

 ニヤリと口角を上げて不敵に呟いた。

 

「賭けをしねぇか?」

「賭け?」

 

 男はおもむろに紙を取り出し、提案してきた。

 

「誓約書だ。マスター相手にはコレがねぇと話にならんからな。内容はまあ、雑用とかやってもらうそんな感じだ」

 

 ヒラヒラと紙を揺らしながら、語る。

 

「それに俺に何のメリットが?」

「【賭博王】になれると言いてぇが、他のヤツがなるだろうからな。俺の全てが手に入る」

「何を言ってるんだ?」

 

 サングラスを少し押し上げ告げてきた。

 

「何、【賭博王】の最終奥義に《命賭け(オール・イン)》がある。コレは勝った奴が負けた奴の全てを手に入れるという効果を持ってんのさ」

「雑用を手に入れるためにそこまで賭けるのか?」

「ふん、リターンがあればギャンブルになり得る。所詮は賭け狂いだ。それなのにあのマスター共は」

「何かあったのか?」

 

 怒りを思い出したのか、もうすぐで吸い終わりそうな葉巻を握り潰しながら言葉を吐き出した。

 

「誓約書も書きやがらねぇ、3日で戻ってくるのをいいことに昼夜問わずに襲って来やがる。リターンがありゃ良いが、何もありゃしねぇ、いい加減に嫌になってこんなとこにいんのさ」

「相当に腹に抱えてたんだな」

「さて、それじゃあ始めるか」

 

 おもむろに男は立ち上がり、右手を左手で覆い骨を鳴らした。

 

「待て、誓約書も書かないし、アンタとやり合うつもりは無いぞ」

 

 ティアンと進んで戦うつもりは無い。

 

「だいたいアンタにリターンが無いだろ?」

「ふん、単純な事だ。俺がお前を気に入ったから戦いたくなったのさ」

 

 その言葉を最後に男が消えた。

 寒気が走り、腹を見ると触れるか触れないかの辺りに指を伸ばした右手が添えられている。

 反射で魔力を回し、距離を取るように斥力に変換する。

 次の瞬間に腹に強力な衝撃と激しい痛み。

 後ろに吹き飛びながら、地面を転がる。

 

「邪魔なブローチを砕くつもりだったんだがな。おもしれぇじゃねぇか」

 

 立ち上がり、《トリック》で【蠱毒錬刃 バルム】 を取り出す。

 アイテムボックスから【魔女の秘薬】を取り出して刀身に掛ける。

 液体は刀身に呑まれるように地面に零れることなく吸い尽くした。

 一気にステータスが上がるのを感じるが、まだ足りない。

 

「《切り札》【超隻剣士(オーヴァー・シンギュラーソードマン)】《隻剣》」

 

 降りかかる火の粉は払わなければ、コレで大丈夫か。

 スッと刃を構える。

 

「やる気になって何よりだ。楽しもうぜ」

 

 口元をニヤリと歪ませ、楽しそうに笑う。

 そして、おもむろに手にサイコロを取り出した。

 

「さて、今日の俺の運勢はどうかな。《命賭け》《賽は投げられた(ダイス・ロール)》」

 

 男の手からサイコロは投げられた。




0)>原作で詳細は出てない【賭博師】が出て来ました

0)<原作で詳細が出てきても修正が厳しいので原作改変要素になると思います

0)>詳細はこの後の話と人物紹介の時に説明する形になると思います

0)<【超隻剣士】の《隻剣》は片手で剣を扱う際にステータスが上昇するというもののレベルEXのイメージです

0)>次回は戦闘回予定です

0)<ではまた
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