新世界での誕生証明   作:泣面道化

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評価、感想、誤字脱字報告ありがとうございます。
休み最終日なので明日から不定期更新に戻ります。
今日もう1話いけるかなぁ?
複数人数は書きづらいな。


【■■■■ ■ー■■】

栄冠(クラウン)】レン・クロウ

 

 ウンディーネの担ぐ水瓶からの水流が少しずつ弱まり、止まった。

 

「ワシの番じゃな。《開墾栄捻私材峰(ピークシフト)》、《地産地消(ノーム)》」

 

 両手を地面についたアリスがそう言うと濡れた地面が隆起し、アリスの目の前にある女戦士のフィギュアが人のサイズに大きくなったような像が一気に作られて行く。

 

【それじゃあ、行ってきまーすっ!《風乗り(サーフィン)》】

 

 風が乗っていた板が浮き上がり、強い風が吹くとともに森の中に入って行った。

 その後を追うように女戦士の土人形も続々と入って行く。

 

「アレは?」

「いわゆるゴーレムのようなもんじゃ。アンデッドを倒すように指示してある。聖水が染み込んだ土が材料じゃからある程度のザコは倒せるじゃろう」

 

 俺が質問するとアリスがそう答えた。

 

【アンデッド、けっこう倒れてるよっ!奥の方まで届いてるみたい。うわっ!】

【おいっ!どうした!?】

 

 少しして風から【テレパシーカフス】で連絡が来ると急に切れてしまった。

 

「急ごうッ!フーが危ないッ!」

 

 火燐がそう叫ぶと泥を跳ねながら中に駆けていった。

 

「ちょっ!ちっ、先に行ってるぞっ!」

「すみませんっ!お願いしますっ!」

 

 ヴァッサの声を背に聞き、火燐の後に続くように俺は駆け出した。

 傷口が燃えているアンデッド、土人形の槍に刺されてるアンデッド、逆にアンデッドに噛みつかれてる土人形を横目に前を走る火燐を追う。

 火燐の足が止まる。

 少し拓けた場所で地べたに座り何かを握り締め喰らう4〜5メトルほどの猿頭のツギハギだらけなミイラがいた。

 

【猿頭狂飢 クーモン】

 

 多分、話にあった取り巻きのUBMだ。

 ヤツが握り締め食べていた何かは光の粒子になって消えた。

 

「キサマッ!フーをよくもッ!」

 

 火燐の握る剣が纏う炎が一段と強くなったようだ。

 弾けるように火燐が駆け出し、猿に迫る。

 何かを握りしめていた手を閉じたり開いたりして首を傾げていた猿に一閃。

 力強い剣撃が決まった。

 しかし、少し燃える程度で傷すらついていない。

 

「なッ!」

 

 猿は鬱陶しそうに拳が人ほどの大きさの腕を振るうと火燐が吹き飛ばされ、かなりの勢いで木にぶつかり木が折れた。

 

「大丈夫か!?」

「なんとか、な」

 

 俺が声をかけると火燐はヨロヨロと立ち上がった。

 猿もコチラを相手にする事にしたのか前腕を地面につけ立ち上がり、ゴリラがするような立ち姿になった。

 コチラを見てニッコリ嗤う。

 縫い目がついた口の両端が裂け、中のギザギザのキバが見えた。

 

 「Gyaaaa!」

 

 猿が叫ぶ、火燐が同時に駆け出す。

 《ショータイム》《トリック》、光属性の魔石を取り出し連続で投げていく。

 表面を焦がす程度であまり効いて無さそうだ。

 猿は嫌がる素振りも見せない。

 火燐が到達し、剣を振るう。

 振るわれた剣とともに火の粉が舞う。

 さながらダンスのような優雅な斬撃が・・・。

 いや、何かドタドタって効果音が似合いそうな斬撃なんだけど。

 時々、猿が腕を振るっているが上手い事避けてる。

 何かバラエティを見てる気分になる。

 なんであんなコミカルなんだよ。

 気が抜けそうになりながらも、何とかジェムで援護する。

 ちっ!動きが読みづらい、火燐の動きがコミカルすぎて援護がしづらい。

 徐々に火燐の動きが早く、火の勢いは強くなっていく。

 

【MPッ!】

 

 不意に火燐からの【テレパシーカフス】。

 【ハイ・マナポーション】を取り出し火燐に投げつける。

 

【SPッ!】

 

 次は【ハイ・ソウルポーション】を投げつける。

 

【リジェネッ!】

 

 【ハイエンド・リジェネポーション】を投げつける。

 

「《完全燃焼(サラマンダー)》ッ!」

 

 火燐の全身が燃え上がり、速度はさらに加速していく。

 猿も斬られるたびに傷がつき燃え始めてきた。

 

【クリムゾン・スフィアッ!】

 

 猿に目掛けて【ジェム―クリムゾン・スフィア】を投げつける。

 

「コレでおしまいッ!《炎纏火(フレイムベール)》」

 

 猿に炸裂したクリムゾン・スフィアが火燐の剣に呑まれていく。

 振り下ろした剣で猿は両断され、燃え上がった。

 

【<UBM>【猿頭狂飢 クーモン】が討伐されました】

【MVPを選出します】

【【火燐】がMVPに選出されました】

【【火燐】にMVP特典【筋誇示 クーモン】を贈与します】

 

「あなたの仇はとったわよ、フー」

 

 チリチリと火花が舞う中、火燐はそう言った。

 

「ワワワっ!避けてーっ!」

 

 空から声が降って来ると、ドサッと音ともに風が落ちて来て火燐には板が思いっきり突き刺さった。

 

「フー、あなた」

 

 火燐はその言葉を残して光の粒子となった。

 

「あいたたた、っと気をつけてっ!上にモンスターっ!」

 

 体勢を立て直して空を指差し、風は叫んだ。

 空を見上げると【鳥獣飢餓 キーガジ】という名の鳥の骨のモンスターが飛んでいた。

 ブレスをするかのように息を吸い込んでいる。

一挙掠匿(スティーレル)》《トリック》【ジェム―クリムゾン・スフィア】を取り出し投げつける。

 

「Kee・・・」

 

 怪鳥の叫びは炎に呑まれていった。

 

【<UBM>【鳥獣飢餓 キーガジ】が討伐されました】

【MVPを選出します】

【【風】がMVPに選出されました】

【【風】にMVP特典【生声髏転 キーガジ】を贈与します】

 

「えっ!やったっ!特典武具ゲット!ありが・・・ 」

 

 両手を上げ喜び、コチラに笑いかけながら喋りかけた風の上半身が物凄いスピードの黒い影に連れ去られた。

 視線を向ける。

 腐り落ちる肉を纏う狼が光の粒子を口からこぼしコチラを見ていた。

 

【腐食餓狼 イーウル】

 

 ゾッと寒気を感じ、暗い木立を振り向く3つ頭に右腕が3本、関節が1つ増え異様に長い左腕、6つの脚の骸骨が闇を思わせるような眼孔でコチラを覗いていた。

 身体の感覚が変わる。

 ああ、そういえば取り巻きにUBMがいるんだったな。

 そのモンスターの名は・・・。

 

【継骨羅刹 ラクシャス】




0)>遂に主人公以外の特典武具獲得者が作中に誕生。

0)<手に入れた特典武具の説明はいつかやると思います。

0)>【猿頭狂飢 クーモン】猿ベースキメラアンデッド逸話級UBM
猿のモンスターの頭にツギハギされたモンスターの身体にくっつけたアンデッド。
特殊な能力はなくフィジカル重視に設計されたモンスター。

0)<【鳥獣飢餓 キーガジ】鳥スケルトン逸話級UBM
怪鳥の骨をベースに複数の骨をツギハギして作られた鳴き声に特殊能力を持つアンデッド。
斥候、伝令、支援を重視に設計されたモンスター。

0)>一気に2体の紹介〜

0)<特典武具は火燐の方はかなり珍しい性能になってます。

0)>次回も引き続きUBM戦です

0)<ではまた
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