闇の華は偽りに咲く 〜見た目ラスボスの美少女たちは、俺の前でだけポンコツに戻る〜   作:フレラガ

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第三話 感情無き暗殺者

 ――数日後、ザミアが受けた薬草採集……銅級としては一般的な依頼を受けて俺達は行動を共にしていた。

 今はパーティーで別れての採集中だ。簡単な依頼ではあるが、必要数が多いので手分けをして集める必要がある。その説明で自然にそれぞれが別れて薬草を探す流れとなった。

 俺がザミアが受けた依頼が薬草採集と聞いて、なるほど。俺が理由を聞くために都合の良い依頼を受けてくれたのかと納得しながら説明したのでスムーズに進行した。ただ、ザミアも一緒になるほどと言いながら頷いてた。そういう意図で受けたんじゃなかったんかいとツッコみたかった

 

(……さて、まずはどう切り出すかだよなぁ)

 

 薬草採集で必要な分は採集し終えた俺は。のんびりと追加の薬草を探しながらそんな風に思考を回していた。いきなり「お前達の連携はクソだ!」など、元の世界で見た映画のようにスパルタ教官のようなことを言い出しても聞いて貰えないだろう。と言うか俺が舐めた口を聞いてボコボコにされれば抵抗も出来ないし、まずスルーされたら悲しみで泣いてしまうかもしれない。

 そんなわけで、まずはこのパーティーの問題を切り分けてゆっくりと対処していこう。まずは問題として……リズに話をする必要がある。必要最低限の言葉以外を使わず無表情無感情な暗殺者少女である彼女箱のチームにおいての役割が難しい立ち位置だ。

 

(……噂じゃ暗殺者として育てられてきたがけども、その組織が壊滅して生き残った子って話だけど)

 

 暗殺者というのはこの世界でも存在しているらしい。とはいえ、基本的にスキルという超常の力があるのでその種別は千差万別。噂に聞いた話では影も形も見せずにターゲットが会話をしている最中に誰にも気づかれないうちに息の根を止めるような隠密暗殺者もいれば、ターゲットの周囲の目撃者も巻き込んでアリ一匹すらも残さないように殲滅して暗殺完了と言い張るそれはもう暗殺じゃねーよみたいな怪物もいるらしい。

 そういう観点から見るなら、リズは隠密の得意な真っ当な暗殺者なのだろう。真っ当な暗殺者ってなんだよ。普段から、気配もなく隣に立っていたり、突如として現れたりするのでビビらされる事も多い。

 

(だからこそ、連携という面での課題はリズが大きいんだよな)

 

 リズの動きは個人を活かす動きなのだ。気配もなく動き、相手に気取られずに立ち回る戦い方はチームにおいて連携が取れなければデメリットになる。仲間が彼女の存在に気づけずに射線やお互いの立ち位置で問題を出してしまう。

 一ヶ月の間に依頼でも、魔法を使おうとしたアメリアが射線にリズが入っていることに気づいて、慌てて魔法を止めていたのも見ている。他にもザミアの攻撃に空気を読んで避けた結果、明らかにリズに必要のない動きを繰り返しているシーンも何度も見てきた。はっきり言って普通のチームなら喧嘩の一回でも起こるだろう。

 ……それでも問題がない程に高い実力があり、それぞれに抱えている事情の深さが推測できるから許されているのだが。

 

(……俺にはない才能があるんだ。もっと出来るはずだし、上手くやってほしいな……)

 

 自分の無力さに、才能あるチームメンバーたちへの嫉妬心が湧いてしまいそうになる。

 ……無い物ねだりをしても仕方ない。湧き出た邪念を振り払って、リズにはどういう話の切り出し方をするべきか考えて……。

 

「ユーマ」

「うおわっ!?」

 

 突如として背後から声をかけられて思わず悲鳴を上げてしまう。

 振り向けば、リズが立っていた。気配を感じ取れずに背後を取るのは辞めてくれと言う気持ちになりながら、悲鳴を上げた醜態を隠すように咳払いをして話しかける

 

「……すまん、驚いた。それでどうしたんだ?」

「薬草を採ってきた。見てほしい」

「ああ、それじゃあ確認させて貰うぞ」

 

 薬草を確認してみる。

 ……ん? 量自体は一人当たりに必要なノルマよりも多いが……

 

「リズ、悪いがコレ半分くらい関係ない雑草とか毒草だぞ」

「本当?」

「ああ。ほら、見てみろ。これなんて葉っぱの形が違うだろ」

「……うん、違う」

「まあ、薬草取りに慣れてない初心者だと誰だってやる間違いなんだけどな。銅級にあっさり昇格する冒険者ほど、薬草を知らないってのはよくある話ではあるんだ」

 

 薬草というのは見分けが難しい。そんな薬草でも見分けて採取できるほどに知識を手に入れてしまうほどに長く鉄級の下働きを続けていた……というのは冒険者でもよく言われる話だ。薬師でもないのに薬草に詳しい冒険者は才能が無いなんて直球の暴言すらある。

 

「まあ、こういう依頼はミスがある前提だからな。仕方ないさ」

 

 冒険者組合もそういった間違える前提で依頼を振っている。なので失敗を恐れるほどでは無い。とはいえ、ハズレ薬草の数が少なければそれだけ評価も上がり報酬も増えるので間違えない方が良いのは当然ではある。

 

「ごめんなさい」

「別に気にしなくても良い。とはいえ、時間はまだあるから探しに行くか」

「ん、探してくる」

「……いや、待ってくれ。俺は集め終わってるから一緒に探そう。見分け方を教えて一緒に探せば効率が良いだろ?」

「……確かに。そうする」

 

 ちょうど良いタイミングだと思って強引ではあるがそんな風に提案をする。そしてリズも乗り気になったのか俺の隣に立つ。

 よし、このまま薬草を探しながらリズの話を聞いてみるとしよう。

 

「ユーマ、取ってきた」

(……って、早いな!?)

「すまん、ちょっと待ってくれ! そっちにすぐに行く!」

「うん」

 

 慌てて走ってリズの元へ行く。こうして歩調を合わせて感じるが……リズの動きはなんというか、最適化されているように感じる。目に見えて早いという感じではないのだが、あらゆる無駄がないのだ。だから同じような動作、同じような作業をしても圧倒的にリズは早い。

 ……とはいえ、だからといって完璧というわけではないのだが。

 

「これは?」

「それも毒草だな。ほら、葉っぱの裏に小さなトゲがあるだろ? 素手だとかぶれるかもしれないから捨てた方が良いな」

「……難しい」

「確かに最初は難しいよな。でも慣れると分かりやすいし、いざという時に自分で薬草を見つけて応急処置が出来たりするから便利だから覚えておくといいぞ」

「うん」

 

 そう言って毒草を近くに廃棄するリズ。

 なんというか、彼女はわりと素直だ。こちらの指示があれば、迷いなく聞いて従ってくれる……もしかしたら、ちょっと踏み込んだ質問をしても許されるかもしれない。少し緊張しながらまずは軽い話題から口にする。

 

「そういえば、リズのスキルって早さに関わるスキルだよな?」

「うん。私のスキルは『才気煥発』って言われた」

「……おお、レアスキルだ」

 

 スキルというのは、この世界に生きる人間が持っている特殊な能力であり様々な種類がある。

 リズのスキル、『才気煥発』というのは聞いたことがある。『加速』や『高速』などの物理的な速度に干渉するスキルと違い、自分に関わる速度へ干渉をするスキルらしい。

 

「そうなの?」

「ああ。そのスキルを持ってた冒険者の逸話が残ってるくらいには珍しくて優秀らしい」

 

 かつて、『才気煥発』を持っていた有名な冒険者が残した言葉に『自分だけ違うルールの中で動いているようなものだ』と言っていた記録が残っている。

 詳しい詳細に関しては伏せられて伝わっていないが、動体視力や反射神経に干渉するスキルなのだとすれば冒険者をやる上ではかなりのアドバンテージだろう。

 

(……なるほど。だから連携が合わないのか)

 

 強いスキルというのはどうしても突出してしまう。スキルによって、常人とは違う時間に生きているであろうリズにとっては他の人間は遅すぎるのかもしれない。

 だからこそ扱いは難しい。パーティーの中心に据えて併せて動くようにすることもあれば、逆に連携を捨てて自由にやらせる方式もある。このパーティーではどれが正解なのか……。

 

「ユーマ。これはどう?」

「ん? ……ああ、それは薬草だ。間違えてないぞ」

「良かった」

「それだけ集めたら十分だろう。少し休憩するか?」

「うん」

 

 そういって座ったリズ。彼女の感情は見えない。

 ……しかし、引く手あまたの強い能力だとしてもこうした彼女自身の過去に起因する無感情さはパーティーを組む上では高い敷居になっている。リズに話しかける他の冒険者を見たことがあるが、バッサリと切り捨てたり返事すらせずに無視されていた場面を何度か目撃している。コミュニケーションの難しさでいうなら、リズは良い冒険者とは言えないかもしれない。

 ……そんな彼女に仲間として認めてもらうためには俺も踏み込む必要があるだろう。せめて、薬草のことを教えた事で使える奴だという認識になってくれれば助かる。即殺みたいなことにはならないだろうし。

 

「なあ、リズ……聞いてもいいか?」

「なに?」

「教えたくないかもしれないが……リズの過去について聞いてもいいか? 俺はまだパーティーに入ったばかりだからな……皆のことを少しでも知っておきたくてさ。嫌だったらいいんだ。俺は異界人で、この世界じゃ知り合いも禄に居ないからさ……そんな俺だから何かの助けになれるかもしれないと思うんだよ」

 

 こういう時は直球勝負だ。いや、それ以外の方法を知らないというのもあるが。

 そして、俺の言葉に無表情になってじっと見つめるリズ。沈黙が怖い。このまま秘密を探るなら死あるのみと言われて殺されたらどうしようと冷汗が流れる。

 

「ユーマは似ている」

「似ている? ……何とだ?」

「私と」

 

 リズと俺が似ている……? それは、いったい何だろうか?

 彼女が見出した共通点とは孤独であるという点だろうか? ならば、そこは彼女と交流をするきっかけになるかもしれない。

 

「どういう意味でだ? 俺は異界人でリズとは大違いじゃないか?」

「私も知り合いが碌にいないから」

「……そっちか」

 

 知らない世界の人間だから仕方ないだろといいたい。

 ……とはいえ、リズが心を開いてくれたのなら掘り下げてみるか。

 

「知り合いが少ないって言うのは……過去に原因があるのか?」

「うん。そう」

「……そうか。教えて貰っていいか?」

「分かった」

 

 そしてリズは彼女の過去について語った。

 

「私は凄い田舎で暮らしてた。おじいちゃんと二人暮らしだったから、友達が居なかったの」

「そうか……」

 

 ――次の言葉を待つ。

 しかしどれだけ待っても次の言葉が来ない。えっ? 終わり?

 

「……えっと、終わりか?」

「うん」

「……い、田舎? そんなに凄い田舎だったのか?」

「うん。凄い田舎だった。他の人と出会うのが一ヶ月に一回来る商人さんだけだったくらい」

 

 突然放たれた秘密は俺の覚悟して構えていたストライクゾーンのはるか真下を通り過ぎていった。もはや暴投だろう。

 ……い、いや。田舎と言う名の暗殺者の里みたいな話とかかもしれない。

 

「ど、どんな場所だったんだ?」

「自然がいっぱい。動物もたくさんいて、よく罠に引っかかったのを捕まえて晩御飯にしてた」

「……なかなか、野生的な場所だったんだな」

「そんな場所で暮らしてたから、同じくらいの年の人を見たのは街に出てから初めてだった。普段は家で家事をしてたり編み物をしてた」

 

 ……色々と言いたい事はあるが……俺の想定していたような場所ではなく言葉通りの田舎だったらしい。

 じゃあ普通に裏とかは無く、想像以上に対人経験が薄かっただけか。誰だよ、暗殺者の里だなんて言ったのは。俺か。

 

「なるほど……でも、なんで街に出て冒険者になったんだ?」

「流行り病で一緒に暮らしていたお爺ちゃんが死んじゃったから。それで、お爺ちゃんの遺言で街で頼れる人のところに来たけどその人も死んじゃってたから途方に暮れてた」

「爺さん、自分の年齢を考えておけよ……」

 

 多分これあれだ。山で隠居してる生活をしてたから知り合いも気づいたら寿命とかで死んでた奴だ。

 そして、この勘違いされやすい見た目というか無表情さをしているリズも相まって路頭に迷ってしまったと。

 

「山で暮らしてたから、あんまり街の仕事もしらない。それで誰でも出来る仕事だって聞いたから冒険者になろうと思って」

 

 その誰でも出来るに関しては間違いなく「どんな立場でも冒険者を名乗れる」の方であり、誰にでも出来る仕事ではないとは思うんだが。

 とはいえ、頼れる人間もいない少女が突然一人で生きていくことになったのだ。想像して多様な闇の深い事情は一切無いが、それでもこの少女も大変な思いをしてきたようだ。

 

「そりゃ苦労してきたな。でも、他のパーティーには入らなかったのか?」

「おじいちゃんの遺言で、若い男は信用するなって言われてたから」

「……そうなのか?」

「うん。明るい男女で声をかけてきた奴も警戒しろって言われた」

「お、おう」

 

 ……お爺ちゃんさぁ。

 いや、心配するのはわかる。リズは話している感じで無感情ではあるが素直な女の子だ。騙されてしまわないか心配だったのだろう。いや、でも言いつけを素直に守りすぎてないか? パーティー組めてなかったレベルじゃん。

 

「都会はとても恐ろしい場所。信じられるのは自分だけだって聞いていたから警戒していた」

(いや、おじいちゃんの教育偏ってないか?)

「そんな恐ろしい都会できっと辛い目にあったはずのザミアにアメリア、ミライの三人は私を受け入れてくれたからとても感謝してる」

「……なるほど」

 

 連携を取れないリズの動きに関して少しだけ納得できた。「皆のために自分は頑張らなければならない」という気負いから来るものだっただったのか。

 これであれば、リズに方向性を指示せばすぐにパーティーの動きを改善することは出来るだろう……ん?

 

「……なあ、リズ。山では何かお爺ちゃんに教えて貰ってたのか? 例えば狩人の仕事とか」

「ううん。「お前は危なっかしいからおとなしく家の仕事をしてろ」って言われてたからしてない。本を読んだり編み物したり家事をしてた」

 

 ……その言葉に思わずゾッとした。いや、下手なホラーよりもホラーだろ。この発言。

 つまり、本当に戦闘経験も知識も無いの?

 

「リズは冒険者になってどのくらいなんだ?」

「え? このパーティーが出来てからだから……三か月……?」

「さ、さんかげつ……か……そりゃ、すごい……」

 

 怪物だわ、この子。

 スキルがある? それだけで簡単に戦えるなら、冒険者が誰にでもなれる仕事になるわけがない。彼女は才能がある。それも、常人が考え付かない程に飛びぬけた才能だ。

 

「ええっと……誰かに戦い方とか武器の使い方は教わったりしたのか?」

「ううん。見様見真似で覚えた」

 

 無言で空を仰ぐ。いや、涙なんて滲んでない、こっちの世界にきて三年以上、戦えないかと試行錯誤して色んな文献を漁り酒を奢って話を聞いたが物になる事がなかった俺の過去なんてのは関係ない。

 

「ユーマ?」

「……いや、すまん。気にしないでくれ」

 

 だが、リズの発言で大きな問題が発生した。つまり、彼女の動きはセンスだけで構成されている。そして、そんな動きは個人ではいいが仲間で連携をするには難易度が高くなる。

 そして、ほぼ対人経験のない無感情少女に他人に合わせろなんて無理に決まってるし、他人に動きを読めと言っても分からないに決まっている。この天才少女は致命的にパーティーに向いてないが冒険者しか生きる術がないと言っても過言ではないのだ。

 

「……ええっとだな。リズ、もしかしたら俺からリズに教えられる事があるかもしれない。それに、このパーティーはこのままだとどこかで失敗する……それを無くしたいんだ。だから、俺と協力してくれないか?」

 

 だからこそ、リズに手伝ってほしいと頼む。

 その言葉に一瞬の逡巡すらなく頷いた。

 

「私もこのパーティーは好きだから、失敗はしてほしくない。だから、ユーマに協力するね」

「ありがとう、リズ。助かるよ」

 

 ……嬉しさと同時に、彼女の抱えてる秘密も闇はなかったな……と心の中で思った。

 ある意味では詐欺ではないんだろうか? いや、悲しい思いをしてる少女が居ないならいいんだけどさ。

 

「……そういえば、俺のことは信用していいのか? さっき若い男は信用するなって言ってたよな?」

「大丈夫」

 

 頷くリズ。その眼はまっすぐに俺を見る。

 ……無感情だが、その瞳は強い力を宿していた。彼女にしか分からない直感があるのだろう。

 

「おじいちゃんは、異界人に関しては特に言ってなかった」

「……ん?」

「それに若い男は信用するなって言われてたけど、ユーマは若くないから大丈夫」

 

 ザクっと言葉のナイフが突き刺さる。

 ……いやまあ、もう五年もこっちの世界で冒険者をしてきたから俺は若くはないよ? でも、そんなストレートな言葉のナイフを刺されるとは思わないじゃん。

 

「そ、そうか……あんまり他人にそういうことを言わないほうがいいから気をつけろよ? 年齢は傷つく人も居るからな」

「うん、わかった。気をつける」

「ああ……素直に聞いてくれて助かるよ……」

 

 というか、お爺ちゃんの言いつけとか遺言を聞いているがなんかちょっとズレているんだよな、リズ。

 都会の人間は信用しては駄目だけど異界人は言われてないからセーフとか。若い男は駄目だけど若くないからセーフだとか。というか、ちょっと聞いてみよう。

 

「それで、他にお爺ちゃんからなんて言われてるんだ?」

「知らない人に簡単に付いて行ったらダメ。いきなり勧誘してくる相手は詐欺。辛い目にあった奴には優しくしろ。過去は軽々しく口にするな。身内には心を開けって言われたのは覚えてる」

「……えーっと、つまり俺は身内だから素直に言うこと聞いてくれてるのか?」

「うん。若くなくて異界人の辛い目にあった身内だから信じれる。だから、教えないようにしてたこの話もユーマには教えた。頼りにしてる」

「ああ、ありがとうな」

 

 ……言いつけをその通りに守っている。だが、もうちょっと融通とか効かせる前提じゃないのか? とか思ってしまい、リズのお爺ちゃんも苦労したんだろうな……と、ちょっとだけ同情した。

 この子、想像以上の問題児だよ。闇はないけどそれ以外に問題がありすぎるだろ。というか、つまり俺って扱いはお爺ちゃんと同じなのか……なんだろう、気分的に凄い納得しづらい。

 

「それだと、よくザミア達に声をかけたな」

「パーティー募集で女の子だけだったから、参加してみた。辛い目に合ってそうだから優しくして、とてもいい人達だったから仲間になりたいって思ったの」

「ああ、そうなのか。そして一時パーティーから正式に仲間になれたから身内判定になったと」

「うん」

 

 ……このパーティーが何かの拍子に解散してしまうと、リズはそのまま路頭に迷って酷い目にあうだろう。

 そんな未来にしないためにも、俺はリズに協力という形で一流の冒険者になってもらうしかない。

 

(……それに見てみたいしな)

 

 これだけの才能を持っている少女がどこまで行けるのか。

 そんな野心とも欲望も言える気持ちを抱きながら立ち上がる。

 

「それじゃあ、そろそろ戻るか。皆も薬草を集め終わっただろうし」

「わかった」

「リズ、これから色々とあるだろうが、俺も全力で協力するつもりだ。だから、リズも……って、もう行ってる!?」

 

 俺が声をかけようと思ったときには、既に随分と先の方まで進んでいた。

 慌てて走って改めてリズに協力すると宣言をしながらも……言葉一つで暴走しそうなこの少女に、なんとも言えない前途多難さを感じるのだった。

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