闇の華は偽りに咲く 〜見た目ラスボスの美少女たちは、俺の前でだけポンコツに戻る〜 作:フレラガ
激動の一日を終わらせて、宿のベッドに横になった俺は心の中で呟いた。
(……いや、誰も闇の深い秘密持ってねえじゃん!)
ザミアは口下手な人見知り。リズは世間知らずの田舎少女。アメリアは問題児な引きこもり。そしてミライは年齢詐称少女だった。
誰も彼もがお互いに「他の子はきっと深い事情があるから、私のことは隠そう」という認識で噛み合っていたのだ……よく回ってたなおい。
(……いや、それでも回るくらいに実力と才能があるんだよなぁ)
ポテンシャルだけを見れば、このパーティーにいる全員がとんでもない才能を持った原石なのだ。そしてそれぞれの事情で成り上がるための理由があるしモチベーションも高い。だからこそ、連携を取れていない事実が足を引っ張っている。
例えば、個人プレイの極地で成り立つチームも存在する。しかし、それをするには全員が優しすぎるのだろう。そういうチームというのは全員が実力があって自分が全てやろうとする結果噛み合うのだ。
(……つまり、全員がお互いの事情を知ってしまわないように調整しながら、パーティーの全員を導いて成長させるってことだな!)
文字にすればシンプルと言うほどシンプルでもないし浮かんだ感想は一つだった。
……いや、無理じゃね?
(……でもやるしかねえんだよなぁ)
頭を抱えながらも、今後のことについて考える。
(まず……お互いの事情をバラすのは無し)
優しすぎるというか、多分ザミアやミライが気を遣いすぎる。そして、気を遣うとリズとアメリアが働かなかったり動かなくなる。そうすることで負担が掛かったザミアとミライからチームが崩れていくだろう。うわぁ、嫌なくらいに想像出来るな……この未来。
今の全員が持っている「皆事情があるのに、冒険者を頑張っているから自分に出来ることを専念しよう……」という気遣いが一種の緊張感になっているのだ。まあ、それが行きすぎて最低限の連携相談やらすら出来ないのが現状なのだが。
(逆に言うと、最低限の相談やら連携が出来れば……)
少なくとも、銅級はあっと言う間に超えていけるだろう。
……だからこそ、俺に掛かる責任も大きい。。
(……俺がなんとか出来るのか?)
今までずっと冒険者としては大成せずに、命を懸けても底辺をはいずり回っていた3流以下の冒険者でしかなかったのだ。
……まあ、言っても仕方ないだろう。なら、俺にできる限りのことをやるしかない。そんな覚悟を決めた俺は明日からのことに思いを馳せながら眠りに就くのだった。
――そして三日後、俺の目の前には散々な光景が広がっていた。
「……うぅ」
ボロボロになって地面に倒れ伏して呻いているザミア。
「いたい……」
ズタボロになって、木の上に引っかかっているリズ。
「……うえぇ……」
吐きそうになっているアメリア。
「……あうぅ」
そして目を回して倒れているミライ。
……どうしてこうなったのか。記憶を振り返れば、始まりはシンプルな話だった。
『……一度、大型の討伐依頼を受けて見ようと思う』
ザミアからの宣言はある意味では正しいものだった。
討伐対象はアメリアが頭部を吹き飛ばしたジャイアントベアー……とはいえ、その時に倒した個体とは違う大物である。
銅級でも受けられる魔物の討伐依頼がある。ジャイアントベアー以外にも小物の魔物……狼や鹿などをベースにした魔物が存在するからだ。しかし、それらはあくまでも小型。大型の魔物は四足ですら見上げるようなサイズだ。そんな魔物を相手にする依頼の難易度は高く、それに応じてギルドからの評価も高い。
『……アメリアが一人倒せたなら、全員であれば今の私達でも倒せるはずだ』
『ん。分かった』
『……ええ。構わないわ』
『そうですね、いつかは必要な依頼です』
全員が乗り気だった。何なら俺も乗り気だった。
当然だろう。言わば討伐依頼は冒険者と切っても切り離せない依頼の一つだ。多くの冒険者は討伐という壁を前にしてどういう冒険者となるのか? それを見極めると言ってもいい。討伐を選ぶ冒険者、回避する術を見つける冒険者、飼い慣らす冒険者なんていうのもいる。
『というか、今まで大型討伐依頼したことなかったのか』
『……機会が無かった』
ザミアはそう言っていたが、恐らくは機会があっても不安から挑戦しなかったとは思う。
……だって、連携も取れないし誰も相談できない状態で命の危機があるリスクは取りたくないよな。
『……だからこそ、実戦で試してみたい』
そういうことでザミアの一声で決まった大型討伐。
……この惨状になるなんて、あの時は思ってもいなかった。
(ザミアとリズが何故かポジションが被って上手く連携出来なかった。で、ジャイアントベアーはフラフラと動き回ったせいでむしろ大暴れ……で、その結果ミライが必死に二人へ回復を続けて魔力切れでダウン。狙いが定められず味方に当たるから魔法を撃てなかったアメリアがミライが倒れて、回復が切れて集中を後ろに向けたザミアが攻撃を喰らったあたりでテンパってジャイアントベアーに大魔法をぶちかまして……余波で全員が吹っ飛ばされると)
お手本みたいな壊滅だった。
ミライの後ろで見ていた俺も思わず天を仰いで、その瞬間にミライは倒れるわ、魔法の余波で吹っ飛ばされるは散々な目に合った。
そうして、ボロボロになりながらも俺達は帰還をしたわけだが……
「……皆、お疲れ様」
「うん……」
「お疲れ様……」
「お疲れ様でした……」
冒険者ギルドの一角でお通夜のような空気で労うザミア達。
あの惨状だが、ジャイアントベアーはしっかりと倒していた。まあ、死体は跡形もなく吹き飛ばしてしまったのだが……一応は痕跡らしきものが残っていたのでこれで報告した。
『えっ? これがジャイアントベアーの……? な、なるほど……了解しました』
と、まあ受付してくれた人はドン引きしていた。まあ黒焦げになった破片だったもんな。ジャイアントベアーにどんな恨みがあったらこんなことするんだ? と言わんばかりの顔を向けられた。違うんです、その子達は落ち込んでるんですと説明したいくらいだったぞ。
「……すまない、私が悪い」
「ううん、私も失敗した」
「いや、私が……」
「すいません、私も……」
と、全員が謝罪を始める。いかん、これは次に響くタイプの失敗だ。
そこで、俺が空気を変えるために咳払いをする。
「あー、悪かったな。実は……ジャイアントベアー討伐の時にもっと上手く出来るだろうけど、あえて何も言ってなかったんだ。だから、この依頼は実は失敗前提だったんだよ。本来ならジャイアントベアー討伐の時に問題が起きて、そこで失敗覚悟で逃げてもいい算段だったんだ……とはいえ、倒せたのは俺も良い意味で誤算だった。それに、今回の皆を見て改善の方法は分かったから、安心してくれ」
そう伝えると、全員がそうだったの? と言う顔を浮かべる。
驚いただろうな。だって俺自身が初耳だもん。今思いついた事だし。深く突っ込まないでくれ。失敗だったらどうやってフォローするんだよとか考えてないんだからな。
「というわけで、謝罪はしても落ち込まなくても大丈夫だ。今後改善していけばいいからな」
「……なるほど」
「そうだったんだ」
「期待してるわ」
「何でも言ってください!」
全員が不安が取れたような表情で俺を笑顔で見る。そして、俺の改善に期待しているようだ。
俺も笑顔を浮かべながら背中に流れる汗を感じていた。
(……まず、戦力外の俺がアドバイザーやるの無理がねえかなぁ!)
こういうの、実際に戦えるから説得力とかが出るんじゃん。後ろで見て説明して上手く行くなら酒場で飲んだくれてるおっさんでも一流冒険者だよ。
……ぼやいていても仕方ないので解散になった後に、俺は久々に冒険者が集う酒場へと足を運ぶのだった。
――そして、次の日。
俺は部屋でザミアと向かい合っていた。
「……ごめんなさい……私があの時、ちゃんと指示出しも出来てなかったし、守ることも意識を割けてなかった……小さい魔物相手なら問題なかったけど、大型の魔物だと思ってたように行かなくて……」
「うんうん」
朝起きたら部屋の前でじっと座って待ってたザミアにビビりながらも、俺はしっかりと彼女の反省を聞いていた。
……うーん、内容自体は具体的だし割と分析もしっかりしているんだよな。
「……あの時に私は明確な指示を出すべきだった。全員がちゃんと立ち位置を気をつけれずに連携が取れてなかったのは私の責任」
(俺目線でも、指示を出せていなかったのは問題だったからなぁ)
ジャイアントベアーを見つけた時、ザミアとリズが真っ先に向かって注意を引いていた。しかし、大型の敵に対しては後衛に近づけないようにしながら大振りの攻撃による致命的な一撃を食らわないようにする必要がある。
恐らく、そのせいで声に出して指示を出す余裕がなかったのだろう。
「ザミア。それに関しては……まあ、正直慣れだ」
「……そうなの?」
そうだと自身満々に頷く。酒場で銀等級冒険者に酒を奢って聞いたからある程度は正しさが保証されてる。多分。後は俺の仕事はブレないことだろう。
ついでに、フォローとは言わないまでも俺から見たザミアの印象から付け加える。
「ただ、ザミアは普段から依頼だと指示を出せるだろ? ある程度はミライの神聖魔法を信頼して大型相手でも意識を多少は指示出しに割いていいんじゃないか? 自分一人じゃない利点を活かすんだ」
「……なるほど」
その言葉が染み渡っているのか、頷くザミア。
……というか最初の反省で殆ど答えだしてるんだよな。ザミアの欠点は度を超えた口下手と威圧感のある見た目なんだが……逆に言えばそこ以外で問題は無い。
むしろ、依頼中であれば彼女は緊張感から普段の口下手が端的な説明に変わり、威圧感のある見た目は味方に安心感を与えるシンボルとなる。戦うために生まれてきたのかな?
「まあ、細かい部分はあるかもしれないが……今回だとこの程度かな。詳しく教えられなくて悪いな」
「……ううん、助かる……ユーマ、ありがとう」
感謝と尊敬の目が痛い。そうして手を振って帰って行くザミアを見送る。無邪気なシーンなはずなのにザミアがやると「お前を殺しに来たぞ」って言う風にしか見えないんだよな。この世界の不思議がこの年になって増えてしまったぞ。
と、ザミアが帰ったので次に向かうのは冒険者組合前だ。そうして出入り口前にやってくると、そこには入り口で獲物を品定めしているかのように無機質で無表情な顔をした少女が一人佇んで、周囲の冒険者をビビらせていた。
「リズ、すまん。お待たせ」
「ユーマ」
リズは昨日、解散前にギルド前で落ち合う約束をしていた。
お爺ちゃんの遺言で住んでる場所は男に教えてはいけないらしい。お爺ちゃんの遺言どうなってるんだよ。俺の知らない爺ちゃんの評価が乱高下している。
「教えて。何をしたらいい?」
「とりあえず飯を食いに行こうか」
「分かった。何でも任せて。どんな仕事でもする」
リズの発言を聞いていたらしい近くの冒険者が凄い顔をしてるよ。違うよ、暗殺依頼とか裏の仕事じゃないよ。
そして、飯屋で適当に頼んだ料理を食べながら話をする。
「リズ、大型討伐で感想はあるか?」
「やり辛かった」
シンプルな言葉だが、ある意味では本質だろう。
「そうだな。その理由は、リズがやる仕事が違うからなんだ」
「……私の仕事?」
「大型討伐ではリズは目や弱点を狙ったり、相手の動きを牽制して止める動きをして欲しい」
「分かった」
頷いて話は終わった……いや、待て待て。話が終わっちゃダメだ。リズはなんだかんだ言って話を聞いてちゃんと理解する子だ。
素直に受け止めるが……意図を理解した上で動けた方が良い。
「理由をちゃんと言うから聞いててくれ。リズはザミアの負担を減らすために自分にも注意を向けてたんだろ?」
「うん」
「でも、ザミアは一人でやり遂げる奴だ。それに、ミライの魔法もある。だからリズにしかやれない方法で相手の注意を逸らすんだ」
「分かった」
……分かってるよな? いや、リズは物分かりが良いから分かってるはずだ。
短剣使いのような冒険者が大型の魔物と戦う時には何をするのか。それは常に相手の意識を割かせることが重要なのだという。
「致命傷にならなくても、リズみたいな短剣使いの一撃で目がやられたら? 攻撃を加えようとして短剣で止められたら? 背後から強襲されたら? そういう存在がいるだけで相手は凄くやりにくくなる。今回のリズみたいなやり辛さを相手に与えるための仕事だ」
「うん」
「そして、狙えるときは相手を倒せば良い。それが短剣使い……引いては遊撃役の仕事なんだ」
……って言ってたんだよな。
ちなみにこれは俺に出来る仕事があるんじゃないかと聞いた時に言われたことだった。そして戦闘力皆無で脅威のない俺に出来る事じゃなかったんだよな。
「んじゃ、また頑張ろうな」
「うん、バイバイ」
そう言って去っていくリズ。
……本当に分かってるよな? 素直すぎるのもちょっと分からなくて不安になってしまう……贅沢な悩みではあるよなぁ。
さて、忙しくも次はとある高級な宿屋の一室へとやってきた。
ノックをする。
「……誰? 勝手に入ってきたら……」
「俺だ。ユーマだ」
「あ、ゆ、ユーマか……入っていいよ」
先程までの気を張った怖い声が、急に緩くなった。
そうして促されたままに中に入り……
「うお……」
部屋を埋め尽くす量の本にビビる。
……アメリアの部屋、凄いな。
「というか、本なんて高価だろ? よく金があるな」
「ふへへ……まだ実家から援助のお金が入ってるから……買い漁ってる」
「……こいつ」
アメリアは寝転んで本を読みながら菓子を食い、茶をするる自堕落の極みを行っていた。というか、追い出されたのに実家から支援貰ってんのかよ。ダダ甘じゃねーか。俺の元の世界でも許されるか怪しいラインだぞ、今の字堕落っぷりは。
普段の外行きの顔をしているときは魔術の探求のためとなれば無辜の市民を犠牲にしても眉一つ動かさないような顔をしているのに、今目の前にいる顔をふんにゃりと緩めて寝転んで本を読みながら菓子を摘まむ姿はゆるキャラとかそっちの枠だろ。
「まあいい。とりあえず前の反省だが……アメリア。お前はテンパるな。前の依頼のときは全員ぶっ飛ばすのは考えなかっただろ?」
「だ、だってこっち見てたし……二人がなんか微妙だったし……ミライさんも倒れたし……た、倒さないと不味かったから……」
「まあそういうシーンもあるだろうが……今回に関しては普通にビビっただけだろ」
「……ぴゅ、ぴゅ~」
「吹けてないし誤魔化すの下手か」
威力制御出来てないから自分まで吹っ飛ばされたの見てたからな。
アメリアは魔法を使えるし、その威力は折り紙付きだ。しかし……テンパるとぶっ放す悪癖がある。面倒くさくてもぶっ放す悪癖がある。とにかく最大火力をぶっ放せば良いと思ってる節がある。普段なら豪快や大胆と思えるのだが……本性を知ってから見るとコイツが面倒くさがりなのが端々から分かるのだ。
「……まず、ギリギリまでぶっ放さないでくれ。で、制御してちゃんと魔物を狙ってくれ。威力に関してはアメリアに任せる」
「そ、それだけでいいの?」
「ああ。基本的には俺は魔法のことは分からないからな……そこはアメリアに任せる。ちゃんとすれば、ちゃんとアメリアの活躍をギルドに報告するからな」
「……で、出来なかったら?」
「その分報酬から割り引く。あと、ギルドにも被害報告する」
「いやあああああ!!!」
その言葉に悲鳴を上げて顔を真っ青にするアメリア。思った以上にダメージを受けてて俺がビビったぞ。
「そ、それだけはぁ!」
「……実家から支援されてるんだろ?」
「ぎ、ギルドから被害を出した報告が来たら支援が打ち切られちゃうの! そ、それに報酬が減ったら本が買えなくなっちゃう!」
……ある意味では一番の説得材料になったな。
というか、実家の支援ギルド報告次第なのか……実家にどういう風に伝わってるんだろう。普通に気になるが……まあ今は関係ないか。
「ちゃんと仕事した分、ギルドにも報告するからな」
「が、頑張る! うう……実家を出たのにお財布のヒモが握られるだなんて……」
悲しげに言うが、普通の冒険者は困窮してるのだ。
実家に甘えまくってるアメリアに同情の余地はないからな?
――そして最後に教会へとやってきた。
教会の前で掃除をしている少女……ミライではなく、子供姿のラミィ状態だった。
「ラミィ」
「あ、ユーマさん!」
声をかけると笑顔で駆け寄ってくる。
そして、ちょっと教会から離れた場所にあるベンチに腰掛けて話をする。
「今日はあの話ですか?」
「ああ。ラミィの役割の話だな」
「はい! 何でも言ってください!」
気合いを入れるラミィ。
……良い子なんだが、この年で冒険者をやってるのは普通に違法なんだよなぁ。一番真っ当で付き合いやすいのに、秘密のデカさが一番大きいのはこの子だったりする。
「ラミィは……まず、信じるべきだ」
「……えっと、信じるって」
「ザミアとリズをだ。昨日の戦いを見ていたんだが……常にヒールを続けていただろ?」
「あっ、う……は、はい……」
ションボリとした顔を浮かべるラミィ。罪悪感が湧くが、ここは心を鬼にする。
「回復をするのが悪いことじゃないんだ。ラミィの魔法は俺達のチームに欠かせない守りで生命線だ。だからこそ、ラミィの魔法は大切に使わなくちゃいけない」
「……はい、そうですね……初めて目の前で魔物の攻撃を受けている姿を見て怖くなっちゃいました……」
「そりゃ仕方ない。俺だって怖いんだ」
「ユーマさんも怖いんですか?」
「ああ。昔から怖くてたまらないよ」
弱みを見せる事で信頼を勝ち取る高度なテクニック……と言うわけでもない本音だ。
魔物は怖い。俺みたいな魔力を持たない人間はただ撫でるだけで殺すことが……いや、歩いているだけで踏み潰して死ぬ可能性もあるのだ。マジで怖い。
「ふふ……ありがとうございます、ユーマさん」
「ん? 何がだ?」
「わたしのために、アドバイスもそうですし……そんな風に打ち明けてくれて。私のことを子供だからって扱わないのは嬉しいんです」
「……」
いや、それに関しては素の強さがラミィ以下なんだよ俺。子供だとしても、強さの面で俺が言える事無いんだよ。だって俺より強いもん。魔力の差って残酷だよね。わはは……はぁ。
「ありがとうございます。次からは絶対に間違えません!」
「ああ、その意気だ」
「そういえば、シスターに挨拶して行きますか? 今なら教会で……」
「いや、俺は今日は帰るよ。じゃあな」
流石に疲れた。あと、シスターはちょっと苦手なのだ。あの強肩で気絶させられたトラウマがあるから……
というわけで、今日の一日はこんな風に全員の相談に乗って終わった……いや、まあ実際にどうなるのか分からないが、それでも俺にちょっとでも仕事ができたと思いたい……うん。