カスレアクロニクル   作:すばみずる

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118 ここは退屈しない場所ね

 夜のボトムレスピットは静かだった。

 

 普段であれば、こんな時間でもどこかしらから音がしている。一階のデュエルスペースで誰かが夜食を食べる咀嚼音。二階の廊下を歩く足音。浴室から漏れる水音。あるいは金髪の女の間抜けな寝言。

 

 その全てが、今夜は無い。

 

 賭博都市の女帝(エンプレス・オブ・ジャックポット)レディ・ローマは、誰もいない店内をふわふわと浮遊していた。

 

 浮遊、という表現が正確かどうかはレディ自身でも分からない。肉体があるわけではないのだから、浮くも沈むもない。ただ、主である亜修利ヒナタの敗北の代償として課されたアンティ──人間への干渉の禁止によって、レディの存在はこの世界において限りなく希薄なものになっていた。

 

 アンティの内容は干渉の禁止であり、別にカードの中に封じられているわけではない。だが干渉が出来ないということは、当然人の目には映らないということだ。

 

 レディのカードはボトムレスピットのショーケースに眠っている。カードがこの場に在る限り、レディの意識はこの店の中に繋ぎ止められていた。見ることは出来る。聞くことも出来る。だが触れることは出来ず、声を届けることも出来ない。

 

 幽霊みたいなものだ。いや、幽霊よりもなお薄いだろうか。幽霊には怨念という明確な意志があるものだが、レディにあるのはただ漫然と流れる時間だけだった。

 

 誰にも干渉出来ず、誰からも干渉されない。そんな日々の中で、ボトムレスピットの住人たちの暮らしを眺めるのは、レディにとって数少ない娯楽だった。

 

 金髪の精霊、レヴェローズがシラベに抱きついて叱られるのを見るのは面白い。小さな店長、ミトラがシラベの膝の上で不機嫌な顔をしているのは愛らしい。ピンク髪の聖女、カルメリエルが裏で何やら企んでいるのは興味深い。かつて共に箱で眠っていた筈の精霊、大穴が撫でられている姿には、どこか複雑な思いがある。

 

 たまに大穴が、レディのいる虚空をじっと見つめてくることがあった。星屑を散らした丸い瞳が何も無いはずの空間に焦点を合わせて動かないひと時。たまにレディから手を振ったりするものの、そこへの反応は無い。

 

 だが、おそらく見えているのだろう。あの猫は人間に近い精霊たちとは異なる。レディの気配を感知しても不思議はない。それでも大穴は見つめる以上のことはしなかった。見つめて、見つめて、そして飽きたように目を閉じる。虚空を見る猫に幽霊でも見ているのかと揶揄する人間がいるかどうか、その程度だ。

 

 役者の多い店内は、見世物としては悪くない日々だった。だが今夜は、その見世物すらない。

 

 朝早くにシラベが出かけた。しばらくして女たちも出て行った。大穴も一緒だ。そのまま昼が過ぎ、夕方が過ぎ、夜になっても誰も帰ってこない。

 

 こういう事態は初めてだった。定休日に全員が不在になること自体は珍しくないが、夜まで戻らないのは記憶にない。あの面々のことだから、どこかで騒ぎを起こしているのだろうか。あるいは揃って夕食を外で取っているか。

 

 別に心配しているわけではない。レディにとって彼らは干渉出来ない存在であり、彼らの安否がレディの存在に影響を及ぼすこともない。カードがここにある限りレディはここにいる。それだけのことだ。

 

 だが、寂しいか寂しくないかと問われれば。

 

 レディは蛍光灯の落とされた店内を漂いながら、小さく息を吐いた。吐息が埃を散らすこともないのが少し虚しい。

 

 またいつものように眠って、時が過ぎるのを待つか。カードに意識を沈め、次に店の住人たちが何か面白いことを始めるまで、深い眠りの中で過ごす。それがレディの日常だった。

 

 眠りに落ちようと意識を薄くした、その時だった。

 

 店のガラス戸越しに見える金属のシャッターが、揺らいだ。

 

 物理的に揺れたのではない。シャッターの表面を、何かが通り抜けた。金属の板に波紋が走るように、一瞬だけ表面が液体のように歪み、そしてその歪みの中心から、小さな影が滲み出した。

 

 白い髪の少女だった。

 

 薄暗い店内に佇むその姿は、年齢にすれば十歳前後にも見える。だが纏っている気配は、その外見からは想像もつかないほど古い。金色の瞳が暗がりの中で微かに光を帯びていた。

 

 手には、チビた鉛筆ほどの長さしかない杖のようなものを握っている。どこかくたびれた様子で、杖を持つ手も僅かに震えていた。

 

 人間ではない。精霊だ。それはレディにもすぐに分かった。人の形を取ってはいるが、人間に今のような芸当は出来ないことくらいは知っている。

 

 だが、この世界に在る精霊の大半は人間に近い振る舞いをする。レディのような干渉を禁じられた存在は、人と同様に視認出来ないはずだ。

 

 レディはそうたかを括っていた。しかし。

 

「おや」

 

 白髪の少女が声を上げた。金色の瞳がレディの漂っている位置を、正確に捉えていた。

 

「煉獄賭博都市の女帝がこんなところにいるとは思わなかったよ」

 

 レディは瞠目する。見えているだけではない。レディの姿を知り、そしてその素性も一瞥だけで判断出来ている。この子供は一体なんだ。

 

「私を、知っているの?」

 

 レディの声は長い沈黙の後に絞り出したせいか、自分でも驚くほど掠れていた。白髪の少女は当然のように口元に笑みを浮かべる。

 

「うん。後輩のことなんてろくに知らないけど、淫蕩白野(ヴァナヘイム)戦乱葦野(ミズガルズ)の関所の役目を果たしたキミのことはよく知ってるよ」

 

 背筋に冷たいものが走った。

 

 物語としての役割。カードゲームの背景ストーリーにおけるレディ・ローマの位置づけを正確になぞる言葉が、少女の唇から紡がれている。

 

 レディが統治していた煉獄賭博都市は、九脊界の淫蕩白野(ヴァナヘイム)戦乱葦野(ミズガルズ)に中立つ位置にある不夜城だった。絢爛たる賭場が立ち並び、あらゆる存在が財貨と運命を賭けて遊興に溺れる歓楽の都。

 

 だが、その華やかさは隠れ蓑に過ぎない。煉獄都市の真の役割は、戦乱葦野(ミズガルズ)淫蕩白野(ヴァナヘイム)の境界に空いた孔、九脊界の欠陥を管理することだった。

 

 住まう者たちの罪過を財貨として変換し、賭博によってその増減を操作する。全ての罪を清算した者にのみ世界の通行を許すという仕組みを、賭博というシステムで蓋をして塞ぐ。それが煉獄都市の、そしてレディ・ローマの存在意義だった。

 

 その真実を知る者は限られているはずだ。戦乱葦野の側には伝承すら残っていない。淫蕩白野の側でも、古き時代から存在し続けてきた者だけが知り得る情報のはずだった。あるいは新たな存在(エキスパンション)によってその設定が破壊され、過去を紐解いたのか。

 

「あなたは、何」

 

 レディは慎重に問うた。声に平静を装ったが、揺れを完全には隠せなかった。

 

 白髪の少女は、くたびれた杖を胸の前に掲げ、仰々しく一礼した。

 

「ボクはノルドリッチ。しがないワンドメーカーだよ」

 

 その名前に、レディの警戒は一段階引き上がった。

 

 ノルドリッチ。以前、店の中でシラベとカルメリエルがその名を口にしていた。ディーヴァ・アリーナで騒動を引き起こした、レディよりも古い時代のカードに紐づく精霊。

 

 レディは自身の得物である長銃を意識の端に浮かべながら、ノルドリッチの一挙一動を注視した。

 

「おっと。勘違いしないでほしいな。ボクはキミをどうこうするためにここに来たんじゃない」

 

 ノルドリッチはレディの殺気を感じ取ったのか、杖を持ったまま両手を挙げるようにして見せる。

 

「では、何の用?」

 

「用、というほどのものでもないかな」

 

 ノルドリッチは店内を見回した。暗がりの中のショーケース、パイプ椅子の並ぶデュエルスペース、カウンターの上の壺。金色の瞳がそれらを一つずつ確認するように移動していく。

 

「ここに面白い精霊たちがいるという噂を聞いてね。知り合いがいるかと思って見に来たんだ。まさか煉獄の女帝まで転がっているとは思わなかったけど」

 

 言葉を切り、ノルドリッチはレディに向き直った。

 

「まぁ、だけど。こうして出会って、キミに興味を惹かれたのは事実かな」

 

 少女の口元に、大人びた笑みが浮かんだ。外見と不釣り合いな、古い知性の光が金色の瞳を横切る。

 

「少し前のことだけどね。キミの未来の姿のカードに、ボクは敗れたんだ。清貧を唱えつつ相手から搾取して公平を強制する女帝になっていたよ」

 

 ノルドリッチは懐かしむような口調で言った。カードゲームにおいて、同一の存在が複数のカードとして収録されることは珍しくない。時代や物語上の立場によって異なるバージョンが存在する。レディ・ローマにも、現在のレディよりも後の時間軸を描いたカードが存在するのだろう。そこに動揺はない。

 

 だが、敗れたという言葉が自然とレディの体をこわばらせる。それを理由に害意を向けるというのはとばっちりも良いところだが、この小柄な存在はそういう気まぐれを起こしかねない雰囲気がある。

 

 だがノルドリッチはレディ・ローマの危惧を気にせず会話を続ける。

 

「でも別に、ボクはキミを恨んでなんかいない。そもそも筋違いだしね。あれはキミの未来のカードであって、今のキミとは別の存在だ」

 

 少女は杖をくるりと回し、レディに向けた。チビた鉛筆のような杖の先端から、微かな光が瞬いた。

 

「だから、キミがそこから出たいと言うのなら、手伝ってもいい」

 

 レディはその言葉に眉さえ動かなかった。

 

「同じ精霊同士、助け合うのは当然だろう?」

 

 ノルドリッチの声は軽やかで、レディに邪気を微塵も感じさせなかった。ともすると、本当に善意で言っているのかもしれない。

 

 このまま幽霊のような存在として誰にも認知されずに時を過ごすか、それとも古き精霊の力を借りて再び現世への干渉力を取り戻すか。

 

 だが、レディ・ローマの心に迷いは微塵も生じなかった。その軽さの裏に何が潜んでいるか、シラベとカルメリエルの会話から聞き取った断片ではあるもののレディは知っている。この少女が縁を結んだ者に何をしたか。杖という名の搾取。善意を装った略奪。

 

 彼女は静かに高度を下げてノルドリッチの目線の高さにまで降り立つと、手に現わした長銃の銃口を真っ直ぐに白髪の少女の眉間へと突きつけた。

 

「お断りするわ」

 

 毅然とした、冷ややかな声が店内に響く。ショーケースに並んだカードたちが僅かに揺れたのは幻覚だろうか。

 

「私は賭博都市の女帝。自らが主にベットして敗北した結果の代償を、他者の手引きで反故にするような真似は私の矜持が許さない」

 

 ノルドリッチは瞬きをした。金色の瞳がレディの銃口と、その奥にある意志を計った。

 

「……ふうん」

 

 少女は肩をすくめた。

 

「じゃあ仕方ない。友達になれないなら邪魔になるだけだし――」

 

 ノルドリッチの杖が僅かに傾いた。チビた杖の先端に、微かな光が収束し始める。実体を持たないレディに対してどのような攻撃を仕掛けるつもりかは分からないが、明確な敵意だけがそこにある。

 

 レディもまた引き金に指を掛け、銃弾を撃ち出す準備を整える。

 

 その時だった。両者の圧力を切り裂くように、ヴヴ、と、甲高い駆動音が店の奥から響いた。

 

 バックヤードのカーテンが内側から押し開けられ、小さな影が三つ、四つと飛び出してくる。四つのプロペラを持つ小型の飛行物体。ドローンと呼ばれる類のもの。

 

「……なに?」

 

 唐突な乱入者に闖入者であるノルドリッチは不満げに眉をしかめる。その間にも手のひらほどの大きさの四翼機がプロペラの回転音を撒き散らしながら、ノルドリッチを包囲するように取り囲んだ。機体の下部には細い棒が取り付けられており、先端が青白い火花を散らしている。

 

 レディはそれらの正体を知っていた。カルメリエルが組み立てていたものだ。

 

 夜中。シラベやミトラが寝静まった後、一階のカウンターでカルメリエルがジャンクパーツを組み立ててプログラムを組んで自在に飛ばして遊んでいたのを、レディは何度も見かけていた。

 

「せっかくですから、防犯用に少し改造してみましょうか」と、カルメリエルが悪戯っぽい笑みを浮かべながら、その下部に何やら物騒な金属の筒を取り付けていたのも知っている。

 

 その一環として不審者を検知した場合に自動で起動するよう設定されていたのだろう、レディよりは存在感を有しているノルドリッチに反応したらしい。

 

「うわぁっ!?」

 

 ドローンの筒が帯びた電流を受けて、ノルドリッチの表情が一変した。古い精霊の威厳などどこへやら、電撃を纏ったドローンの群れに追い立てられて腕で顔を庇っている。杖を振って払い除けようとするが、ドローンは機敏に回避して再度接近する。

 

 実体の薄い精霊にどこまで効果があるのかは分からない。だがノルドリッチの狼狽は演技ではなさそうだった。あるいは電気だけではなく、カルメリエルが施した何らかの付与効果が精霊にも作用するのか。あの女のことだ、何を仕込んでいても驚きはしない。

 

 ノルドリッチは数秒間ドローンの攻撃を凌いだ後、観念したように身を翻した。

 

「またね、女帝!」

 

 少女の姿が、来た時と同じようにふっと薄れた。輪郭が滲み、色が抜け、空気に溶けるようにして消えていく。シャッターを通り抜けた時の波紋すら残さなかった。

 

 侵入者が消えたことを感知したのか、ドローンたちはプロペラの回転を緩め、編隊を組み直してバックヤードへと戻っていく。カーテンの向こうに消えていった最後の一機のプロペラ音が遠ざかると、店内は再び静寂に包まれた。

 

 レディ・ローマは構えていた銃を下ろし、誰もいなくなった入り口のシャッターをじっと見つめた。

 

 自分よりもはるかに古い精霊。過去の世界の理を知り、人に害を成すのを何とも思って無さそうな存在。それがあの腹黒い女の作ったおもちゃに追い立てられて逃げ帰っていく様は、なんとも滑稽で、拍子抜けするものだった。

 

 溜め息を吐く。今度は吐く仕草だけでなく、本当に溜め息が出た気がした。

 

 ノルドリッチがまた来るかどうかは分からない。だが今日のところは、カルメリエルの趣味の産物が店を守ったということになる。もっとも、カルメリエルにこのことを伝える手段はレディにはないため、動作したログを見る程度だろうか。

 

 店内は静かだ。誰もいない。ドローンは眠りに付いたようで、耳を澄ませばバッテリーが給電される音が聞こえるだろうか。

 

「……本当に、ここは退屈しない場所ね」

 

 レディはそう零した後、意識をショーケース、そこに展示される己のカードの中へと沈めていった。眠りの中に入れば、時間は一瞬で過ぎる。次に目を覚ました時には、きっとまた騒がしい日常が戻っているだろう。

 

 たとえそれがあったとしても、見ているだけの日々だ。退屈で、平穏で、少しだけ寂しい。

 

 だが不思議と、嫌ではなかった。




レディ・ローマ
 年齢不詳。177センチ。
 B117 (J) / W67 / H97
 カードの精霊。
 長らくボトムレスピットで売れ残りになっていた構築済みデッキ『光と闇の狂宴』の看板カード、『賭博都市の女帝レディ・ローマ』に宿る精霊。
 エインヘリヤル・クロニクルの背景ストーリーにおいては、『淫蕩白野(ヴァナヘイム)』と『戦乱葦野(ミズガルズ)』に中立つ位置にある不夜城・煉獄賭博都市を統治する女帝。
その真の役割は二つの世界の境界に空いた孔を管理し、住まう者たちの罪過を賭博によって増減を操作することで世界の孔に蓋をするという責務を担う存在だった。
 外見はスートに彩られた真紅の豪奢なドレスを纏い、背中に光り輝く翼を生やした金髪の美女。身の丈ほどの長銃を携えている。
 夢を通じてシラベに働きかけて大穴と共に購入されるが、構築済みデッキで遊んで欲しいという要求にシラベとミトラが耐え切れずカルメリエルによって鎮圧後、初心者用デッキに身を落とす。その後、不法侵入したヒナタを主として勝手に認定し、彼女と共にシラベに挑んだ。しかし結果は敗北し、アンティによって「人間への干渉」を一切禁じられてしまう。
 現在はボトムレスピットのショーケースにニアミント(美品)カードとして置かれ、物理的な干渉力を持たない透明な幽霊のような状態で店内をふわふわと漂っている。
 性格は高飛車で誇り高い。自らが主にベットして負けた結果を反故にするのは矜持が許さないと封印解除の誘いを一蹴するほどの気高さを持つ。一方で、精霊として宿ったカードが構築済デッキだったのが災いしたのか、自身が率いる個に固執してしまいシラベたちを苦しめ、機会を失うことに繋がった。
 誰にも干渉できず干渉されない現状を最初は屈辱に感じていたが、今は店の住人たちが織りなす騒がしい日常を特等席から眺めることを、少しの寂しさを交えつつも密かな娯楽として気に入っている。

 各人への印象

 シラベ:
 生意気な男。自分たちのデッキを腐したことを後悔させるために敵対した相手。しかし自分たちを下した相手としての腕の確かさは認めている。今は干渉できないため、彼がレヴェローズたちに振り回され、ミトラに甘えられながら振り回され気味な日常を眺めるのが日課になっている。

 ミトラ:
 シラベの隣にいる小柄な店長。自分の主であるヒナタを狂わせている元凶だが、シラベとヒナタの板挟みになって不機嫌を撒き散らしている姿は見ていて飽きなかった。最近はデレデレとしている様子ばかり見ているので少し胸やけ気味

 亜修利ヒナタ:
 見初めた主。自分の力を証明するための手駒として使ってくれたことには感謝している。それはそれとして口車に乗せられてデッキを解体されたのはちょっと納得がいっていない。愛する者のためなら手段を選ばない狂気は好ましく思っており、彼女が敗北した代償で自分が封印された結果すらも、自らが選んだ主ゆえの責任として受け入れている。

 カルメリエル:
 腹黒女。時折夜中にバックヤードで工作活動をするなど、この店で一番得体が知れず危険な女だと思っている。ノルドリッチを自作のおもちゃで追い払った手回しの良さには感心したが、絶対に敵に回したくないタイプ。

 レヴェローズ:
 威厳ゼロのポンコツ犬。王族や総督と自称しているが誇りはどこへやら、シラベに縋り付いては邪険にされる毎日を送る哀れな精霊。見世物としては最高に面白いが、貴き者であるプライドはないのかと心底呆れ果てている。

 全てを喰らう大穴:
 かつて同じ箱に封じられていた相棒。シラベにあっさりと寝返って猫の姿になり、今は彼の肩を特等席にして幸せそうにしている薄情者。自分が見えているのかたまに虚空を見つめてくるのが少しだけ嬉しかったりする。
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