転生した野蛮人の姫様はスレ民(集合無意識)を頼るようです   作:イッツ

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転生した姫様は強いようです

 

 

 

 部隊長の鬨の声が響いた。女性でありながら成人男性の八倍の強さを持つ彼女は、声もひたすらデカい。

 

「進め! 進め! 我ら、剣に纏わる血肉となれ!!」

 

 槍を持つ騎乗兵に対し、彼彼女らは()を持って飛び出していく。

 

「進め! 進め! ()の為にィィィッ!!」

 

 杖で鉄のスピアを生成させた勇士達はそれを一斉に解き放つ。赤い金属鎧の騎乗兵は「急げッ、盾の騎士を!」慣れたように一際赤い甲冑の兵士を前方に駆けさせ、彼らの作り出した金の護りが大針(攻撃)を弾く。

 

「第二射、構えェッ!」

「させるか!」

「──いいえ、させますわ」

 

 盾兵(シールダー)達が魔法戦闘を開始する。それはいつもの彼らの戦い方であり、それで彼らは()()の侵略を防ぐ。

 だが、毎回そんな真似させていたら、私の面目丸潰れだ!

 剣を構えて、私は一足飛びに馬の頭に辿り着く。身体強化すればこの程度、これこの通り。

 

「あ──」

「アディユ!」

 

 "斬る"というより"殴り付ける"ような斬撃に、兵士の首が跳ねて転がる。すぐに「姫騎士、貴様ァッ!!」槍で貫かんとする騎士を飛んで交わして、槍を蹴ってその首を──

 

「死ねええええっ!」

 

 「あら」と声を出したのも遅く。私が宙返りで交わした槍は、同士討ちの一撃になってしまった。未熟な味方に殺されて、哀れ御免と思いはすれど、私はすぐにその兵士(未熟者)の首を跳ねた。

 血飛沫が頬にべたりと飛んで、それも気にせず馬の背中から血に降りた。

 

「姫様、お流石にございますッ! 敵の血の頬紅は戦士の証ッ! このマルクァめ、感動しておりますッ!」

「そう。──勇士達、構えなさい」

 

 ハッ、と一糸の乱れもなく杖を構えた勇士。魔法使いでありながら勇者として戦う彼らの誇り高き"針の一撃"が、盾兵の消えた今は赤の騎乗兵達に刺さり、ぐさぐさと死んでいく。

 どうしても慣れない、雪の飛ぶような戦いをじいと見ると、軍師マルクァが舌打ちした。

 

「失敬……」

「いえ、流石の勘ね。感動して来たわ」

 

 前方の、血の乱れる屍山血河の絶望を肩で切って、ひたすらに長い赤髪の騎乗兵──いや、王子様がやって来た。

 舞踏会に誘う訳でもなく、姫を見つける為でもなく、ただ私達、蛮族なる者ども(バーバリアン)を殺すために!

 最悪だ。最低だ。毎回あいつが現れて、毎回進行を防がれる。

 

「死ね」

 

 だから前に飛び出し──剣を大きく縦に振った。多少の隙は無視しても、あいつには力押しでないと。

 

「センスのない挨拶だッ……!!」

「和平の使者を殺したのはそちらでしょう」

「ああ、彼については申し訳ない、ねっ!」

 

 あれが使者とは思えなくてね──と笑うバロック帝国第二王子様は、すぐに盛る焔の目で私の後ろを睨む。それだけで、彼に飛ばされた針は地面に落下して行った。

 

「今度こそ君を殺す。」

「今度こそお前が死ね。」

 

 同時に剣を振るった我々の腕に、凄まじい衝撃が響いて、先に弱ったのはアチラだ。だから左手に持っていた暗器を飛ばすと、それは剣で叩き落とされた。

 それでいい。この隙を──

 

「──斬り捨て御免」

 

 待っていた、と右手で突いたはずの喉が、クツリと笑った。

 

「それ、新手のジョークかい?」

 

 凄まじい衝撃に後方に随分飛ばされて、咄嗟の兵に支えられて地面に足が着く。

 数メートル進む度に、詰められた勇士達が斬られて崩れて、彼専用の道が出来ていく。それに焦った者が列を崩し、せめてもと肉壁となって行く。「ダメだ! 隊列を崩すなァッ!!」マルクァが言っても聞きやしない。彼らは皆、強き者の為に死ぬことこそを望んでいる。

 

「マルクァ。下がって。指揮、任せたから」

「……は!」

 

 素直に引いた軍師を帰らせる為にも、私は剣を握る。

 あいつは私が相手にする。

 せめても、祖国アマゾーンの為に。

 

「進め。進め。我ら、剣に纏わる血肉となれ──」

 

 自らを奮い立たせて、私は剣を大きく翳した。

 

───

 

 

 

 【野蛮人姫様】恒例の姫様スレパート20【大体負けてて草】

 

 

360バロック帝国よ滅プペシ

 姫様負けてて草

 

 

361バロック帝国よ滅プペシ

 負けたんスか?

 

 

362野蛮人

 (最終的に乱戦になって数の暴力に)負けた

 

 

363バロック帝国よ滅プペシ

 >>362

 負けてて草

 

 

364バロック帝国よ滅プペシ

 お前ら笑うなっ 姫様は誰も知らねえとこで過酷な転生してんだよ! 戦ってねえヤツは笑うなっ!(ヤンクミ)

 

 

365バロック帝国よ滅プペシ

 でも実際どうすんのこれ。和平の使者(全然普通にスパイ)見抜かれて逆ギレして攻めて負けてお前ら(野蛮人ども)何がしたいん?

 

 

366バロック帝国よ滅プペシ

 >>365

 戦争……ですかね

 

 

367バロック帝国よ滅プペシ

 お前らっ笑うなっ

 

 

368バロック帝国よ滅プペシ

 笑うだろこんなん

 

 

369バロック帝国よ滅プペシ

 姫様がたまたま強くて生き延びてるだけの国

 

 

370バロック帝国よ滅プペシ

 >>371

 へ、ヘイトスピーチ……

 

 

371野蛮人

でも実際どうしますのこれ?

 

 

372バロック帝国よ滅プペシ

 下剋上……

 

 

373バロック帝国よ滅プペシ

 ん、王様を襲う

 

 

374バロック帝国よ滅プペシ

 下剋上……

 

 

375バロック帝国よ滅プペシ

 ⚠️現王に政治は全く向いていません!⚠️

 

 

376野蛮人

 でもお父様襲って部下着いてこないと困るじゃない

 

 

377バロック帝国よ滅プペシ

 >>376

 ええ…(困惑)下剋上はいいのかよ……

 

 

378バロック帝国よ滅プペシ

 これには集合無意識もニッコリ

 

 

379バロック帝国よ滅プペシ

 >>378

 ニッコリする身体がないんスけど……いいんスかこれ……

 

 

380バロック帝国よ滅プペシ

 マイ・ペンライ!

 

 

381野蛮人

 じゃあいっそ上の連中、全員殺してしまおうか

 

 

382バロック帝国よ滅プペシ

 >>381

 五条先生は申し訳ないがNG

 

 

383バロック帝国よ滅プペシ

 >>381

 よくねえよ!(ゴルゴ13)

 

 

384野蛮人

 ええ…(困惑)じゃあ本当にどうしようもないじゃないの。何とかしてよ集合無意識ども

 

 

385バロック帝国よ滅プペシ

 ククク酷い無茶ぶりだな、まあ人間じゃないから仕方ないけど

 

 

386バロック帝国よ滅プペシ

 集合無意識っつっても俺らはただの掲示板という形で人間と繋がってる言語情報帯(アルカナ・レコード)の一部なだけだし

 

 

387バロック帝国よ滅プペシ

 (スレ民のコメント)はっきり言ってスレ民はめちゃくちゃ役立たず。困ってる女の子一人助けられないんだから話になんねーよ

 

 

388バロック帝国よ滅プペシ

 女の子……?

 

 

389野蛮人

 >>388

 今どこに性別疑う要素あった?

 

 

390バロック帝国よ滅プペシ

 野獣先輩は獰猛→野獣先輩はレイプしてくる野蛮人→姫様は野蛮人→野蛮なのは女の子の特権=姫様=野獣先輩=女の子

 Q.E.D. ―証明終了―

 

 

391バロック帝国よ滅プペシ

 それを言ったら殺されても文句は言えねえぞっ

 

 

392バロック帝国よ滅プペシ

 流石に東のド田舎の島国のホモと転生したとはいえ今は一国の姫…?を比べるのは辞めて差し上げろ

 

 

393バロック帝国よ滅プペシ

 不敬罪でしょっぴかれてしまえ

 

 

394野蛮人

 >>393

 別にそこまでしなくていいわよ。あとうちの国不敬罪ないですわよ

 

 

395バロック帝国よ滅プペシ

 不敬罪が無い(但し命の保証も無い)

 

 

396バロック帝国よ滅プペシ

 ほかの国が舞踏会とかドレスとか魔法学園とかやってる間に戦争してる国

 

 

397バロック帝国よ滅プペシ

 古代ローマとどっこいどっこいの技術力

 

 

398バロック帝国よ滅プペシ

 (技術で)負けたんスか?

 

 

399野蛮人

 >>398

 負けた

 

 

400バロック帝国よ滅プペシ

 もう笑うしかないよねえっ

 

 

401バロック帝国よ滅プペシ

 アマゾーン湿地国……聞いています、たまたま魔法使える国民と魔法の杖の材料になる樹木が多くて代々野蛮で今の王女が強かっただけの国と

 

 

402バロック帝国よ滅プペシ

 それを言ったら殺されても(以下略)

 

 

403野蛮人

 あの……今、王国から和平の使者(マジモン)が来たんですけど……どうすればいいんですのこれ?

 

 

404バロック帝国よ滅プペシ

 ファッ!?




強い(但し勝てるとは言ってない)
不定期更新ほらいくど〜
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