東方万能録   作:オムライス_

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お待たせしました

地霊殿回に入ってから中々戦闘描写に移れずにいますが、やっと次回ら辺からかけそうです´д` ;


102話 古明地 さとり

 

地霊殿を訪れた隼斗と霊夢は、其処の住人であるお燐に案内され、その先にいるこの屋敷の主人に会う為に屋内を進んでいた

 

 

「能力の余波?それで間欠泉が噴き出したってのか?」

 

「うん。元々はそんなに大した能力じゃなかったんだけど、ある日突然強力な力を得たみたいで………終いには地上を侵略するなんて言い出したのよ」

 

「そりゃぁ……まあ単純と言うかアホだな」

 

「地上と地底の妖怪はお互い干渉するのは好ましくない事。掟に背く様な事があれば地上の妖怪どころか鬼やさとり様の手によって友達は始末されちゃうかもしれないでしょ?」

 

「んー、なんかその結論も極端過ぎる気がするけどな」

 

「兎に角!私は異変を嗅ぎつけてやって来た貴方達にあの娘を止めて貰いたいの!出来ればさとり様にバレる前に」

 

「そんなおっかない奴なのか?さとり様ってのは」

 

「……ううん。確かに怒ると怖いけど、普段は優しいよ。……でも…!」

 

 

 

 

「ちょっとー?二人で何コソコソ話してるのよー。案内がないと先進めないんだから」

 

「……ゴメンゴメン、今行くよー」

 

お燐との会話はここで切れ、先を歩いていた霊夢と入れ替わるように先頭を歩き出した

 

 

「ねぇ、何を話してたの?」

 

「ん、大した事じゃない。世間話だ」

 

「?」

 

 

隼斗は敢えて霊夢には話さず、話題を変える為に窓の外を見た

 

 

「ほぉ、この屋敷マグマの上に建ってんのか。此処の主人ってのは怖いものしらずだな。その内溶けて無くなりそうだ」

 

「でも不思議と中はあんまり暑くないわね。外の景色は最悪だけど」

 

「………二人とも住人を前にして結構言うね。ちゃんとそうならないように処置してあるよ」

 

 

ステンドグラスで彩られた窓が外の灯りを通し、虹色の光が射し込む廊下を歩いて行く。

すると突き当たりに一際大きな扉が現れた

 

 

「ほい着いたよ。此処が『さとり様』の部屋だ。ちょっと待っててね」

 

 

お燐は一度隼斗達を部屋の前で停止させ、数回扉をノックした

 

 

「さとり様、お客様をお連れしました」

 

「…お客様?……まあいいわ、どうぞ」

 

 

中から応答があると、お燐は一言添えて扉を開けた。

室内は小さな図書館の様になっており、部屋の中心には一人分のソファと机が置いてある

 

そこへ腰掛けていた少女は立ち上がると、入室者を一見した後お燐を諭した

 

 

「お燐、普通は先にアポを取ってから部屋に通すものよ?」

 

「あはは……すみません〜」

 

「都合悪かったか?」

 

「…いえ、大丈夫ですよ。ただ急だったのでお茶の準備もしてなかったから。お燐、お願いできる?」

 

「はい、さとり様!」

 

 

ビシッと姿勢を正したお燐は、そそくさと部屋を後にした

 

 

「此処では難だし、客間に案内するわ。どうぞ此方に」

 

 

隼斗と霊夢は促されるままに同行した

 

部屋を出てから特に会話がある訳でもなく、数メートル進んだ先の部屋へと案内された二人は、大きめのソファへと腰掛けた

 

 

「はじめまして。私はこの地霊殿の主『古明地 さとり』です。貴方方は?」

 

「ああ、ジェイソン・ステイs『ドゴォッ』……柊 隼斗だす」

 

「何回やる気?……。コホンッ、博麗 霊夢よ。私達は……」

 

 

脇腹に小気味のいい肘鉄を入れられた隼斗に対してノーリアクションな少女は、自己紹介だけ済ませると早速本題へと入った

 

 

「言わなくとも既にわかってます。地上で突然吹き出した間欠泉について調査しに来たのね。そして地底で得た情報から此処が怪しいと」

 

 

霊夢は事情を説明する前にスラスラと目的を言い当てたさとりを不思議そうに見つめた

 

 

「……私まだ何も言ってないんだけど?いや、言いたい事は当たってるけども」

 

「失礼ながら貴女の心を覗かせてもらったわ。それが私の能力なの」

 

「へぇー、態々話さなくても伝わるなんて便利なモンじゃない」

 

「ただし、後ろめたい事がある場合でもそれを知られちまう。なるほどな、ヤマメが言ってたのはそういう事か」

 

「あら、貴方ヤマメの事知って………?」

 

隼斗へ意識を向けたさとりは、突然黙り込み怪訝な表情を浮かばせた

 

 

「どうなってるの…?貴女の心が読めない」

 

彼女には相手の思考を覗き見ることの出来る『第三の目』というものがある。

ヘアバンドから伸びる管の様なものと直結しており、胸の高さに浮いついる目玉は隼斗を凝視するが、何も見ることが出来なかったのだ

 

 

「ああ、俺の中身を覗こうとしたのか。無駄だよ。俺に精神系の能力は効かねーからな。体質的に」

 

「……体質って。でも初めてだわ。相手の心が読めないなんて」

 

 

これまでその能力の為か他者との交流を控えていたさとりにとって、それが通じない隼斗は興味を引く存在だった

 

 

「……貴方ともっと早く会っていれば、妹も違ったかしらね」

 

「あん?」

 

 

そう呟いたさとりはそれ以上続けなかった

 

 

「そんな事より異変についt…」

 

「『何か知ってる事はない?』……そうね、もしかしたら私のペットが原因かも知れないわ」

 

「ペット?犬でも飼ってるのか?」

 

「まあ犬もいるわね。この屋敷にはありとあらゆる動物を飼っているの。貴方達を招き入れたお燐だってその内の一匹よ」

 

「って事はさっきn…」

 

「『さっきの猫娘が犯人か?』。いいえ、あの娘にそんな能力は無い筈よ」

 

「じゃあs…」

 

「『そのペットを呼べばいい』。残念ながらあの娘は今この屋敷内には居ないの。居場所に心当たりはあるけどね」

 

 

言葉の先読みによりセリフを途中で切られてしまう霊夢は、釈然としない表情をつくった

 

 

「……アンタがなんで嫌われてるかわかった気がするわ」

 

「あらゴメンなさい。ついやってしまう癖みたいなものなの。悪気はないのよ?」

 

「だってさ。そうカリカリすんなよ霊夢。………そしてお前の次のセリフは『アンタは読まれてないでしょうが!』と言う」

 

「アンタは読まれてないでしょうが!…ハッ!」

 

 

隼斗のイジりがトドメとなり、霊夢はソファの上に体育座りしたまま黙りこくってしまった

 

「……」

 

「拗ねんなよ悪かったって。………そんで?さっき言ってたペットが屋敷に居ないなら何処にいるんだ?」

 

 

 

 

「屋敷の中庭にある穴が灼熱地獄の最深部へと続いてる。居るとしたらそこね」

 

 





さとり様が隼斗の心を読めなかった事については、以前作中で描写した通りです。

さて、グダグダとやっておりますが、次回の投稿若しくはその次辺りに戦闘回をぶち込みたいと思っておりますのでお楽しみに^ ^

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