東方万能録   作:オムライス_

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初めてお空を見た時ね、あの筒……ロックバ◯ターにしか見えなかったのよね


103話 八咫烏を宿した少女

「……ここか」

 

 

地霊殿の中庭に存在する灼熱地獄最深部へと続く通り穴。

隼斗は一度内部を覗き込むと、意外と中は明かるく見通しも悪くなかった

 

 

「定期的に管理を行ってるから、ある程度は照明等も設置してあるわ。ただ穴を抜けてしまえばそれも必要なくなるけど」

 

「やっぱり暑いの?」

 

「そうね。人間の貴方達は長く居たいとは思わないでしょう」

 

「……取り敢えず俺が先に降りる。今度は逸れるなよ、霊夢」

 

「別に逸れてないわよ失礼ね!」

 

 

背後でがなる霊夢をスルーし、以前と同様躊躇うことなく灼熱地獄へと飛び降りた隼斗は次第に周囲の気温が上がっていることに気が付いた。

そしてものの数秒で穴を抜け、一気に開けた空間に出た

 

周囲一帯に熱気が漂い、幾つかある岩場の下には川のようにマグマが流動している

 

 

(……流石にアレに落ちたらヤベーな)

 

 

マグマを避けながら空中を蹴り、広めの足場へと着地した隼斗はすぐ後に現れた霊夢に声を飛ばす

 

 

「霊夢、さっきと同じだ。身体を結界で覆うのを忘れるな」

 

「もうやってるわ。って言うか本当にこんな場所あったのね」

 

 

今異変の影響か灼熱地獄一帯が活発になっており、時折足場からマグマが噴き出している

 

 

「きゃっ!?ちょ、ちょと…!危ないわね此処!」

 

「今は下手に足場へ降りない方が良さそうだな」

 

 

早急に空中へと避難した二人は改めて周囲を見渡した。

よく見れば所々に地上でも見た怨霊が漂っており、此処が昔地獄として機能していた事が伺えた

 

 

「こんな所さっさと出ましょ。チーズみたいに溶けちゃいそう」

 

「………ああ。丁度『彼方さんも来た』みたいだしな」

 

 

新たに声が聞こえたのはそのすぐ後。

二人は接近している気配に目を向けた

 

 

「あれ?こんな所に誰か来るなんて珍しい」

 

 

漆黒の翼をはためかせながら現れたのは一見異彩な少女。

右脚には象の足の様なゴツゴツとした形状の具足、左脚には電子の様なものがスパークし、右腕は多角柱の筒の様な物がはめられている。

そして何より目立つのが、胸の中心に付いている大きな赤い瞳

 

 

「とっくに寂れた地獄に落とされるなんてよっぽどお間抜けさんなんだね」

 

「落とされたんじゃなくて自分で来たのよ。アンタが上の主人が言ってたペットよね?」

 

「さとり様を知ってるの?でもまあ、そうだよ。さとり様含めて皆んなは『お空』って呼んでる」

 

「…ならお空。力を使って間欠泉を起こしたのはお前さんか?」

 

「間欠泉?……ああ、それで貴方達は来たの?」

 

 

お空は不敵に笑うと、自身の目の前に眩く光る球体を形成した

 

 

「残念だけど間欠泉は私の持つ究極の力の余波。この力を使う度に間欠泉が出るから止められないの」

 

「……気を付けろよ霊夢。理由はわからんが、アイツから神力を感じる」

 

「神力?じゃあアイツは神様なわけ?」

 

「んー、どっちかっつーと憑依させてるって方が正しいな。アイツ自身からは妖気も感じるから、認識的には神を宿した妖怪ってかんじか」

 

「猫の言ってた強大な力ってきっとその事ね。そう言えば地上を侵略するとかなんとか言ってたわね」

 

「ふふふっ、その通り。貴方達は私を止めに来たんでしょ?だったら私は貴方達を倒して地上を新しい灼熱地獄へと変えてみようかな」

 

 

お空が力を解放すると、周囲の岩石が持ち上がり所々から一層強くマグマが噴き上がった。

右腕の筒の先に高圧のエネルギーが蓄積されていき、その砲口が霊夢達へと向けられる

 

 

「八咫烏様の力!究極の核融合の力を得と味わうがいい!!」

 

 

 

ーーー轟ッ!!

 

多角柱から圧縮されたエネルギーが一気に照射され、巨大なレーザーが迫る

 

 

 

 

「縛道の八十一『断空』」

 

 

 

レーザーを遮断する様に展開された琥珀色の障壁。

進行方向を遮られた事で四方に飛び散ったエネルギーは、周囲の地形を吹き飛ばした

 

 

「最近の火遊びは進んでんな。ロッ◯バスターまで用いるとは。斯く言う俺もガキの頃はダンボールでよく自作してたもんだ」

 

 

霊夢を護るように前へ出た隼斗は、そんな事を言いながら悪戯好きな子供を前にした時のように軽快に笑った

 

 

「霊夢、一先ずアレを止めるぞ」

 

「……二対一で?」

 

「向こうは一人どころか一柱が憑いてる。それに今回も俺はサポートに回らせてもらうから実質戦うのはお前だぜ」

 

 

目の前の障壁を解除し、霊夢に道を開ける隼斗。その先では既に臨戦態勢に入っている神を宿した少女の姿があった

 

 

「……はぁー。(私はただ温泉に入れればそれで良かったのに)あわよくば一儲け。どうして毎回こうなるのかしら」

 

「セリフと心の声逆」

 

「あーもう、わかったわよ!隼斗、出遅れないでよね!」

 

「了解ですBOSS」

 

 

二人は駆け出す。

それと同時に球状となった核エネルギーによる弾幕が照射されるが、弾幕戦に慣れている二人には掠りもしない

 

 

「爆符『メガフレア』!!」

 

 

大気が震え、霊夢達の進行方向から爆発の連鎖が起こった。

一旦上空に逃れた霊夢は、陰陽玉を周囲に展開しながら弾幕を放つ

 

 

「夢符『封魔陣』!」

 

「七星『セプテントリオン』!」

 

 

安定性の取れた乱れの無い弾幕

ーーーーーー VS

不安定ながらも高密度の弾幕

 

 

「!」

 

 

火力の差はすぐに出た。

霊夢の放った弾幕は瞬く間に核エネルギーに飲み込まれ、それでも尚勢いが緩まず迫る

 

 

「『七連白雷』」

 

 

後方から七つの青白い閃光が放たれ、お空の弾幕とぶつかりその軌道を逸らした

 

 

「霊夢、相手は火力が高い分コントロールは不安定だ。馬鹿正直にぶつかっても押し負けちまうぞ」

 

「……火力特化。どっかのお騒がせ魔法使いでお馴染みね」

 

 

お空は左手に二つの球体を形成。次第に膨張するそれは小さな太陽の様な形となり、霊夢等を上下で挟み込むように配置された

 

 

「『ヘルズトカマク』!!」

 

 

配置された球体からその場の空間を侵食する様に次々と弾幕が生み出され、一瞬で視界一面がエネルギー弾で埋め尽くされた

 

 

 

当初回避行動をとっていた二人も、徐々に逃げ場が無くなっていきその足を止めた

 

 

 

「二つの太陽に飲まれちゃえ!」

 

 

それを見てかお空は高らかに叫んだ。

過分な力を手にして、高ぶった感情のまま勝利を確信した

 

 

 

 

「……仕方ねェ。『合わせろ』霊夢」

 

「…ハイハイ」

 

 

二人とも迫る弾幕には目もくれず、弾幕を吐き出すエネルギー体のみに其々狙いを定めた

 

 

 

「「共鳴『師弟・夢想封印』!!」」

 

 

 

 

二人の霊術が合わさり、巨大な光弾が二方向に放たれエネルギー体へと着弾

 

 

ーーー文字通り封印するかの様に打ち消した

 

 

 

「嘘ぉぉっ!?」

 

「さあ畳み掛けるわよ」

 

「覚悟はいいか鳥頭」

 




親子かめはめ波的な
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