東方万能録   作:オムライス_

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お空のスペルカード『アビスノヴァ』ってスマブラXに出てきたタブーの技みたい( ゚д゚)




104話 沈静化

 

 

「星符『巨星墜つ』!!」

 

 

お空の頭上から青白い弾幕が霊夢へと降り注ぐ

 

 

「霊夢、そのまま行け!」

 

 

隼斗は後方から叫ぶと、飛翔している霊夢の周囲を護るように幾つもの障壁を配置。

弾幕の雨を正確に弾いた

 

 

「宝符『陰陽宝玉』!」

 

 

霊夢は掌から巨大な霊力弾を放ち、そのすぐ後を追う様に突っ込んだ。

対するお空も退くことなく前進し、右腕の筒から熱線を放射。そのまま形状を刀身型に留めた

 

 

 

「光熱『ハイテンションブレード』!!」

 

 

振りかぶり一刀。高温・高圧の剣の一振りで、霊力弾は真っ二つとなり掻き消された。

更に振りかぶり、弾幕の陰に隠れていた霊夢へも突き立てられた

 

 

「神技『天覇風神脚』!!」

 

 

空中で身体を後方に回転させた霊夢は、勢いのままサマーソルトの要領でお空の腕を跳ね上げた

 

 

「おっ、ガキの頃ノリで教えてやった技じゃん。……あっ、今もガキか」

 

「余計な事言ってないで手伝いなさいよ!」

 

「この…!えいっ、えいっ!当たれー!」

 

 

接近した事により白兵戦を繰り広げる事となった霊夢は、普段から弾幕戦に慣れていたこともあり攻めあぐねていた

 

しかし当たれば火傷どころでは済みそうにないブレードも、力任せに振るうだけでは決定打に欠ける。微量なりとも格闘戦の修行を受けてきた霊夢でも避けられる程に

 

結局のところ、お互いグダグタに立ち回っているだけ。

その光景に隼斗は笑いながら助言を入れる

 

 

「はっはっは。霊夢、お前は一旦距離を取れ。えーと…お空、そんだけ間合いが近いなら範囲攻撃に切り替えた方が効果的だぞ」

 

「ちょっ!?」

 

「うん、わかった!!」

 

 

霊夢は思わず飛び退き、同時にお空は周囲一帯にエネルギー弾を撒き散らせた

結界でカバーしながら隼斗の元まで下がって来た霊夢は苦情を申し立てる

 

 

「ちょっと!何で敵にまでアドバイスするのよ!」

 

「怒んなって、仕切り直しただけだ。つーか素直だなアイツも……っと」

 

 

周囲の温度が上昇し、気が付けば次の攻撃が始まっていた

 

 

「爆符『ペタフレア』!!」

 

 

ゴオオォォオオッ!!

 

 

二人を包み込むように巨大な爆炎が楕円形に広がり、灼熱地獄全体が激しく揺れた

 

 

「……今のは中々良かったと思ったんだけどなー」

 

「威力はな。ただ起こりが著明過ぎる」

 

「ちょっとー、此処って崩れたりしないでしょうねぇ?」

 

「……」

 

 

余裕を残しての回避行動。

それを見たお空は一度、先の様に高ぶっていた感情を抑えた。この間、激しく脈動していたマグマもフッと静まり返る

 

 

「……なら私も『必殺技』を使うからね!!」

 

 

刹那の静寂の後、再びマグマが脈動を始める。眼下の足場からは溢れ出た溶岩が所々から噴き出した

 

お空の身体を包み込むように光が集束され、その体内でエネルギーが循環、増幅されていく。やがて彼女自身も光を浴び、眩く点滅し始めた

 

 

(!……明らかにさっきより出力があがってやがる……不安定のまま限界値まで上げる気か?)

 

 

やがて出力の上昇に比例して点滅が速くなっていき、一定の速度に落ち着いたところでボンヤリとした光へと変わった

 

 

「うっ……意外とキツい…」

 

 

コントロールが不完全のままの大出力は、お空の身体に負担を掛けていた。

よく見れば早々に、微量ながら身体に馴染んでいない分のエネルギーが漏れ始めている

 

 

「霊夢、結界の準備しとけ。結構強力なのが来るぞ」

 

「!」

 

(今の内に縛道で拘束するか?……いや、下手に動きを止めればコントロールを失って暴発するかも知れねェな)

 

 

 

そしてお空は翼を一層大きくはためかせ、力の影響か瞳を赤く光らせながら内に溜めたエネルギーを解き放った

 

 

 

ーーー『アビスノヴァ』

 

 

 

激しい閃光と共に押し寄せる波。

高圧エネルギーの塊である其れは周りの岩盤を抉り取りながら、まるで空気を押し出すように霊夢等へと迫った

 

 

「くっ、何て圧力よ…!」

 

「集中を緩めるなよ。アレをお前が食らったら一瞬で消滅しちまうぞ」

 

「洒落になってないわよそれ!」

 

 

最初の波が過ぎ去った直後、新たなエネルギーが充填され第二波が打ち出された。

お空を中心に波紋状に広がる波は、最早霊夢達だけでなく灼熱地獄全体を崩壊させかねない程の威力を秘めていた

 

 

「このまま打たれ続けたら此処が崩れるな。……霊夢、次にアイツがエネルギーを吐き出した瞬間が攻撃のチャンスだ。充填中は迂闊に手が出せねェからな」

 

「でもそれってアイツの攻撃と相打つタイミングじゃないと間に合わないわよ?」

 

「心配無用、俺がなんとかしてやる。お前は攻撃に集中しろ。次来るぞ」

 

 

 

 

続く第三波。

眩い光の波が押し寄せた

 

二人は結界を解き、霊夢は霊力を溜め、隼斗は一点に掌を向けた

 

 

「『重撃白雷』」

 

 

白雷よりも巨大で貫通力のある閃光が一直線に迸り、エネルギー波の一部をかき消した

 

 

「ッ!まだまだ…!」

 

 

エネルギー波の反動か、若干フラつきながらお空は次の充填に入った

 

 

「いいえ、此れで終わりよ」

 

「!?」

 

 

フッと自身に掛かる影。

見上げれば霊夢が印を結びながら急接近していた

 

 

 

 

 

 

「神霊『夢想封印』!!」

 

 

ーーーカッ!!

 

 

充填が始まるまで刹那の差。

霊夢の繰り出した霊力弾はお空を巻き込み空中で炸裂した。

隼斗はその閃光に瞳を覆いながら安堵の息を漏らした

 

 

 

「一先ず安心だな。……さーて、じゃあ『黒幕』とやらを暴き出すかねぇ」

 

 





次回の投稿は10月11日 日曜日となりますm(_ _)m

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