東方万能録   作:オムライス_

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11話 諏訪大戦 前

俺は諏訪の国から帰ると、直様神奈子の部屋に突撃した

 

「神奈子ォォォ!!」

 

「うわっ!?は、隼斗?帰ってたのか。どうした急に」

 

「神奈子、お前に聞きたい事がある」

 

「何だと言うんだ藪から棒に」

 

「先日洩矢諏訪子に文を出したよな?」

 

「ああ。いきなり戦争を仕掛けるのは酷な話だから交渉の為に」

 

「…これはその交渉の為に洩矢諏訪子に送りつけられた文だ」

 

そう言って神奈子の目の前に文を置く

 

「なっ!何で隼斗がそれを持ってるんだ!」

 

「細けェ事は気にするな。…それより読んで見ろ」

 

「あ、ああ」

 

最後の方若干低めの声で言うと詮索をやめて文を読み始める神奈子

 

「な、なんだコレは!?これじゃまるで脅迫文じゃないか!!」

 

「やっぱり知らなかったのか。誰に命じて書かせたんだ?」

 

「……部下の神官だ。前に隼斗と戦った」

 

「…あの野郎か」

 

こりゃ一発拳骨をくれてやらないとな

 

指をボキボキ鳴らしながら部屋を出て行こうとする俺の肩を神奈子が掴んで止めた

 

「なんだよ神奈k…」

 

俺は止めないでくれと言おうとして途中でやめた。

理由は簡単

 

「部下の不始末は私の責任だ…!」

 

神奈子から自分以上の憤怒を感じたからだ

 

ズカズカと廊下を歩いていく神奈子の背中を見ながらそっと部下の神官のこれからを思い、静かに合掌する隼斗だった

 

 

その後例の神官が大和の国から叩き出されたのは言うまでもない

 

 

 

 

 

ーー翌日

 

「交渉上手くいったぞ」

 

「マジで!?」

 

俺は今洩矢神社に来ている

 

あの後神官をしばき倒した神奈子が戻ってきて、俺に大和の使者として諏訪子に言伝を頼めないか?っと言ってきた

 

内容は、諏訪の神には申し訳ない事をした。お詫びに此度の戦は私一人で相手をしよう

 

っと言ったモノだ

 

この事を諏訪子に伝えると心底驚いていた

 

何がって俺が八坂神奈子と知り合いだったことがだ

 

「それならそうと先に言え!心配したんだぞ!!」っと見事なドロップキックを顔面に見舞ってくる諏訪子。

成る程、下着も蛙なんだなと言ったら今度は股間を蹴り上げられた

 

まあ何はともあれ部外者の俺がしてやれるのは此処までだ。

後は当事者次第

 

「それで期日と場所だが、一月後に此処と大和の国の間にある平原で行うらしいぜ。それなら何方の国にも被害は出ないだろうってさ」

 

「わかった、一月後に平原だね!ありがとう隼斗」

 

「じゃあ俺は報告の為に戻るよ」

 

再び神社を後にしようとすると諏訪子に袖を掴まれた

 

「もう言っちゃうの?もう少しいいじゃん……」

 

うーん、まあ早急に帰って来る様には言われてないし、いいのか?

 

「わかった。じゃあ今日泊まっていってもいいか?」

 

「本当!?うん!すぐ寝室を用意するね!」

 

すると満面の笑みで駆け出して行く諏訪子

やっと見た目相応の反応を見れた気がする

 

「嬉しそうにしやがって、ったく」

 

まあそんな微笑ましい状況は嫌いじゃない

 

別にロリコンじゃないぞ?

 

 

 

ーー

 

「おらぁ、飯できたぞー」

 

「うわぁー見事な男飯だね。特に盛り付けとか」

 

「黙らっしゃい。腹に入れば皆一緒だ」

 

では二人揃っていただきます!

 

うむ、この川魚の塩焼き。我ながらナイス塩加減だ

 

「そう言えばさ、隼斗って独り身なの?」

 

「何だよ突然」

 

「いや、料理とか出来るみたいだし長いこと一人で生活してたのかなーって」

 

「まあ、そうだな」

 

かれこれ一億年ほど独身ですが何か?

 

「ねねっ、私が嫁になってあげようか?」

 

「…いや何でそうなるんだよ」

 

「だって隼斗お嫁さんいないんでしょ?」

 

「それとコレとは話は別だ。子供が何言ってんだ」

 

「だから子供じゃないってば!!此れでも隼斗より年上なんだよ?」

 

そう言えば神様ってのは外見と年齢が一致しない奴多いよな。

転生させてくれた神然り、諏訪子然り

 

「ほぅ、じゃあ幾つなんだ?」

 

「二百万歳」

 

「何だ、やっぱ子供じゃねェか」

 

「なあっ!?じゃ、じゃあ隼斗は幾つなのよ!」

 

えーと、転生してから大体五百年ぐらい都で過ごして、そっから更に一億とちょっとだから……

 

 

「…一億歳以上だな」

 

「……はっ?」

 

「正確にはそれ足す五百年位なんだけど、数えんの面倒臭い」

 

「えっ……隼斗人間だよね?」

 

「まあ種族は人間で間違いないけど俺は超人だ」

 

「ちょう…じん?」

 

ハイ出ました説明タイム

 

って一々面倒臭いから端折るか

 

 

「超人ってのは、斯く斯く然々…」

 

「へぇー、凄いんだね」

 

おおっ!斯く斯く然々って言葉便利だな。

 

よっしゃ!今後はコレでいこ

 

 

「んん?何で布団が一つしか無いんだ?」

 

「だって元々この神社には私一人しか住んでないから布団が足りないんだよ」

 

「わかった、じゃあ俺はどっか適当に…」

 

「駄目。一緒に寝るの」

 

「布団一つじゃ狭いだろ。俺身体デカいし」

 

「大丈夫、くっ付いて寝るから」

 

「いや俺が狭いんだよ!」

 

 

 

 

ーーそんなこんなで一ヶ月

 




よくよく考えると諏訪子も結構歳いっt……

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