東方万能録   作:オムライス_

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今回から数話に渡ってオリジナル回をお送りします!


113話 隼斗の魔界探索記・序章

 

紅魔館地下にある大図書館。

莫大な量の書物が保管されており、ある程度の知識や情報は此処を訪れれば手に入る

 

室内には窓が無いせいか若干カビ臭く、健康に悪そうなものだが此処の管理者であるパチュリー・ノーレッジ(病弱)は気に止める様子は無い

 

 

「えーと、魔界の本は……っと」

 

 

迷路の様に連なる本棚の一角に、この場に似つかわしくない男が一人。

柊 隼斗は目当ての本が見つからず、かれこれ小一時間程探し回っていた

 

 

「貴方さっきから何やってるの?」

 

 

ウロウロと館内を徘徊する隼斗へ、閲覧中の書物を卓上に置いたパチュリーが尋ねる

 

 

「いや、目当ての本が見つからなくてさ」

 

「何て本?」

 

「魔界関係」

 

「それなら回れ右して左手に見える棚の上から二列分がそうよ」

 

「あっさり!?……もっと早く教えてくれよ!!」

 

「だったら何故すぐ聞かなかったの?」

 

「………」

 

 

隼斗はストレートで飛んできた指摘に、ぐうの音も出ないまま素直に回れ右をした後目的の棚へと向かった

 

 

「何だよマジで速攻見つかったじゃん。何だったんだ…?俺の一時間は……」

 

 

項垂れつつも本のタイトルを指でなぞりながら目的の本を探す。

そしてあるタイトルが目に止まった

 

 

ーーー『魔界の創造神』

 

 

「……」

 

 

徐に手に取りパラパラとページをめくる。

一見適当に流し読みしている様に見えて、常人離れした視力によってある程度の内容は読む事ができる隼斗は、目線を忙しなく動かし読み漁っていく

 

そして一通りの内容を読み終え、パタリと本を閉じ棚へ戻した

 

 

「………『魔界の全てを創造した神』、か」

 

 

そう呟き今度は次から次へと棚へ手を伸ばす。

気が付けば足元に大量の本を積み重ね、ひたすら本を読み漁る隼斗の姿を、遠目から怪訝な表情で見つめるメイド長

 

 

「……パチュリー様、彼…大学でも受験するんですか?」

 

「さあ?」

 

 

パチュリーは運ばれてきた紅茶を口に含みながら適当に流した

 

 

 

 

 

紅魔館の帰り道。

結局あれから図書館で小一時間過ごした隼斗は、知り合いの中で唯一魔界出身だというアリス・マーガトロイドの住む家へと向かっていた

 

 

(……相変わらず小綺麗な家だなー。俺ん家とは大違い)

 

 

適当な感想を思い浮かべ、ドアのノッカーを数回叩く

 

 

(…?)

 

 

しかし応答は無く、再度同じ様にノックするも結果は同じだった

 

 

(……留守か?)

 

 

改めて家内の気配を探ってみるも、やはり誰もいない。

普段はあまり外出をしないアリスも、買い出しの際や自作した人形で人形劇を開く時などは人里に足を運ぶ事がある。

隼斗は勝手にそう結論付け踵を返した

 

 

(……出来れば魔界について聞きたかったが、仕方ねーな)

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

翌日、隼斗は博麗神社を訪れていた。

茶の間では霊夢が淹れた茶(極薄味)に加え、彼が持参した団子が並べられている

 

 

「って訳で、少しの間魔界に行ってくる」

 

「……いや、どういう訳で?って言うかそんな所に何しに行くのよ?」

 

「ちょいと野暮用がな。別に大した事じゃない」

 

「ふーん」

 

「……なんだよ?」

 

「別に?隼斗がそう言うなら特に問題は無いんでしょ」

 

 

お茶(極薄)を啜りながら、霊夢は特に気に留めていない様子で答えた

 

 

「俺不在の間何かあったら頼むぞ。一応紫にも頼んであるから緊急を要する時はアイツを頼れ」

 

「はいはい。旅行前のお母さんみたいになってるわよ」

 

「土産には濃いーお茶っ葉買ってきてやるよ」

 

 

 

隼斗はそう言って立ち上がり、ふと昔の事を思い出す

 

数年前。

先代の巫女である博麗 暁美が行方不明になったあの日……、当時幼かった霊夢は一人神社で泣いていた

 

ーーー身内の突然の失踪

 

最後に立ち会ったのが自分であった為か……以降、霊夢は誰かを見送るという行為を極端に恐れるようになった。

 

成長するに連れて少しずつ改善されていったものの、それまでは留守番も碌に出来ないほどであり、先代に代わって世話をしていた隼斗や紫は頭を悩ませていた

 

 

「……霊夢」

 

「んー?」

 

 

隼斗は懐から一体の御守りを取り出し、霊夢へと投げ渡した

 

 

「何これ?」

 

「見ての通り、御守りだ。いざって時に役に立つかも知れねーぞ」

 

「は、はあ?」

 

 

ケラケラと笑いながら部屋を出て行く隼斗を、霊夢は怪訝に思いながらも見送った

 





毎度の事ながらオリジナルの話を考えるのは難しい……
でも後々の展開を考えていくうちに楽しくなってくるんですよねー( ̄▽ ̄)
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