東方万能録   作:オムライス_

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13話 八雲 紫

ーーー柊 隼斗。貴方には私の式になってもらいたいの

 

 

 

 

 

 

 

式……って式神の事だよな?

 

 

「一ついいか?何故妖怪のお前が人間の俺を式にしたがる?」

 

「あら、貴方程の実力者なら種族なんて関係無いんじゃなくって?」

 

「そう言うことを聞いてるんじゃない。人間と妖怪は本来、相容れない存在のはずだろう」

 

「……それは、私の夢と関係しているわ」

 

「…夢?」

 

少女から出た意外な言葉に思わず聞き返してしまった

 

「願望……とも言うわね」

 

すると少女は一拍置いて

 

「柊 隼斗。貴方は人と妖怪が共存することは可能だと思う?」

 

…また難しい質問がきたな。

人間と妖怪の関係性を考えりゃ誰もがNOと答えるだろう。

少なくとも人妖大戦の妖怪達は人間を獲物としか認識していなかった

 

「恐らくそれは難しい。人は妖怪を恐れ、妖怪は人を襲うものだ。これは両者が存在し続ける限り変わることはない事実だ」

 

「……」

 

予想していた答えだったのか少女は扇子で顔を隠してしまったが、なんとなく表情が暗くなったのはわかった

 

 

「でも良いよな、そんな世界も」

 

「えっ…?」

 

若干俯きがちだった顔を勢いよく上げる少女。

これは予想外だったらしい

 

「昔はさ、お前みたいにこうして向かい合って話してくる妖怪なんて居なかった。皆理性があるのかどうかもわからない獰猛な奴らばかりでな」

 

 

ーーーバッタリ出くわせば、有無を言わさず襲いかかる。ギラギラと爪をチラつかせて、牙を鳴らして。

だから俺たち人間も武器を持って戦うしかなかった。

互いにわかり合おうなんて考えた事もなかった

 

「俺は正直、そんな世界にウンザリしてた」

 

「でも……それは私も同じかもしれないわよ?」

 

「いいや。こうして意思疎通を図る事が出来るんだ。なら後はお互い歩み寄るだけだろ?」

 

「!」

 

「そりゃ中には悪意を持って人を殺す妖怪だっているだろうな。でもそれは人間にだって言えることだ」

 

 

以上の事から俺個人としては努力次第で何とかなると思います⚪︎

 

あれ、作文?

 

「なあ、八雲」

 

「……紫でいいわ」

 

おっ、なんかさっきまでの胡散臭い雰囲気が抜けて素直になった感じだ

 

「じゃあ、紫で。

紫はさっき俺に式になれって言ったけどさ……」

 

スッと右手を紫に向けて差し出す

 

「友達ってのは駄目か?」

 

「!!……いいの?」

 

思わず手に持っていた扇子を地面に落とす紫

 

「俺は紫の夢に賛同する。素晴らしい夢だ。だから俺にも協力させてほしい」

 

だからこそ同じ立場でありたい。

上下関係なんて作らず対等な立場でスタートに立ちたい

 

「…ありがとう!とても嬉しいわ…!!」

 

差し出された右手を感極まって両手で握り返してきた

 

友達ができてそんなに嬉しいのか?

 

もしかしてこの子友達居ないのか?

 

「し、失礼ね!友達位いるわよ!」

 

なっ!?心を読まれた…だと?

 

まあそれは置いといて

 

「まっ、よろしく頼むよ。改めまして、柊 隼斗だ。隼斗でいい」

 

「ええ、よろしくね隼斗」

 

これが俺と紫の初めての出会いだった

 

 

 

ーー

 

紫と出会って半年程。

 

俺は相変わらずのゆったり一人旅を謳歌しとりましたとさ

 

このまま平和な旅に…

 

「きゃああああ」

 

ならないんだよなー、これが……

 

突然聞こえた悲鳴。

 

声色からして女の子か?

 

 

 

「あっちか」

 

ほっとく訳にもいかない俺は地を蹴った

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