今年からもチマチマ投稿していくのでよろしくお願い致します
太陽が沈み、辺りはすっかり暗くなった山中。パチパチと焚き火の炎が川魚を焼く。
「んー、もうちょいかね」
焼き加減を見ながら串の刺さった魚を回していく中、傍らで眠る少女に目を向ける
「白髪に紅の瞳か……」
少女の髪はまるで色が抜け落ちてしまったかの様に真っ白で、瞳孔確認した際に気付いたが瞳も紅い。
一瞬アルビノか?と思ったけど、何処か違う感じもするし……
見た目15歳前後だろうか、若干幼さの残る顔立ちで、服装は着物で、軽装ではあるが山の中を歩く格好ではない。
「う……ん…」
あれ此れ考えていると少女が目を覚ました様なので声をかけてみた
「おう、気がついたか」
「………えっ?」
俺を見て固まる少女
「覚えてるか?お前崖から落ちたんだぞ?」
「崖から落ち…………!」
俺の言葉を反復するとハッとして自身の身体を確かめる少女
「心配するな、怪我は無い。ちゃんと受け止めたからな」
「……貴方が助けてくれたの?」
「まあ、偶然だったけど」
「……」
あれ?ヤケに暗い表情になっちまったな…
助かったんだからもっと喜べばいいのに
「どうした?命が助かったんだ、嬉しくないのか?」
「…………から」
「ん?」
「私……死なないから……」
消え入りそうな声で確かに少女はそう言った。
ーーー死なない
それはどういう意味か?
あれ位落ちても平気という意味か?
いいや、それは無いだろう。
あの高さの崖から落ちれば例え妖怪だとしても唯では済まない。況してや少女からはそんな力は感じない。人間の其れと変わらないはずだ
ならば能力か……恐らく此れも違う。
何故なら少女はあの時気を失ってたからだ
それ以外の方法であの状態から助かるには、そう。不死でもない限り不可能だ
「その死なないってのはさ、死なない身体を持ってるからって事か?」
「!?」
ーーー図星か
核心を言い当てられた少女は驚きの表情を見せた後、再び俯いてしまった。
「……ほれ」
「……えっ?」
だから俺は焼けたばかりの魚を差し出した
「食え」
「えっ…でも」
「いいから食う…!」
「は、はい…!」
尚も遠慮する少女に半ば強引に焼魚を手渡した。
少女は少しの間焼魚を見つめ、一口齧る
「!…ハグッハグッ」
それ以降は夢中で食べ始めた
「慌てて食うと骨が刺さるぞ。心配しなくてもまだあるから」
よっぽど腹が空いてたのかあっという間に3匹の魚を平らげた少女。
「落ち着いたか?」
「うん、ありがとうございました」
空腹が満たされて余裕が出来たのか落ち着きを取り戻した少女はさっき程とは違い言葉を正しながら更に続けた
「……貴方の言った通り私は不死の身体を持ってる…ます」
「…それはお前の能力か何かか?」
死なない能力。
此れならば例え意識がなくとも死ぬことはない
「……ううん、私に能力はないから」
「えっ?じゃあどういう事だ?」
すると少女は少しの沈黙の後、意を決した様に口を開いた
「蓬莱の薬………っていう物を飲みました」
「!?」
蓬莱の薬………永琳と輝夜が作り出した不老不死になる薬だ。
でも何故彼女が?
確か地上に残した薬は帝の命令で焼かれた筈だ
「確かその薬はとっくに処分された筈じゃなかったか?」
「!……知ってたの?」
「巷じゃ有名だからな」
「………実は」
・
・
・
以降少女の話を纏めると
・少女の父である藤原不比等は輝夜に求婚したはいいが出された条件をクリア出来ず、恥をかかされた。→娘である少女は、月に帰った輝夜が迷惑をかけたとして帝に残した蓬莱の薬が処分する為運ばれることを知り、薬を奪うことで復讐をしようと考えた。
しかし不慣れな登山に行き倒れた少女は偶然にも帝の使いの者に助けられ一緒に行動することに。
そしてチャンスを見計らい薬を強奪、当然兵士達に追われる身となった少女は取り返されない様にあろうことか薬を飲んでしまう
服用直後、全身を耐え難い激痛が襲い意識を失う。→目が覚めた少女は自身の髪が白髪になっている事に気付く
んー、何やら波乱万丈な人生だなこの子
にしても薬飲んで見た目が変わったってのはどうしてなんだろう……
輝夜と永琳は変わってなかったのに。
……副作用には個人差があります的な?
「崖から落ちてきたのはどうしてなんだ?」
「それは……兵士の人に見つかって追われているうちに足を滑らせて……」
「……そうか」
「……」
「…」
……気まずい
「…そ、そういやお互い自己紹介してなかったな。俺は柊 隼斗って言うんだ。お前は?」
「あっ、えっと…藤原 妹紅…です」
「よろしくな妹紅。それと別に普通に話してくれていいぞ。敬語、苦手なんだろ?」
「わ、わかった。よろしくね、隼斗さん」
さん付けか……まあいいや
「それでどうする?家に帰りたいなら送ってやってもいいけど」
「……っ」
少女は首を横に振った
「……追い出されちゃったから」
「!?」
震えた声でそう続けた
「……薬を飲んだ後自力で家に帰ったんだけど……この姿見た途端 お前は化物だ、出て行けって……!」
ついに妹紅の目に涙が溜まる
「は、ははは……馬鹿だよね…私。お父さんの仇を取ってやろうと息巻いて家を飛びたしたのに……こ、こんな……こんな姿でさ…!これじゃあもう化m「もういい」…!?」
俺は泣きながら自虐的な言葉を発する妹紅を強く抱きしめた
「これ以上自分を責めるのはよせ……少なくとも俺の目に映るお前は化物なんかじゃない、父親想いの立派な女の子だよ…!」
「!……ぁ…」
「この場にお前を責める奴なんていない。だから思いっきり泣いたって構わない。俺が全部受け止めてやる」
「うっ……ひぐっ…うぇぇ…」
ボロボロと大粒の涙が妹紅の頬を伝う
「…」
「ーーーーっ!ーーーーーー!」
虫のさざめきすらも聞こえない静かな山地で、少女の泣き声が響いた
妹紅って白髪?銀髪?どっち?