東方万能録   作:オムライス_

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69話 異変の後は

紅霧異変から一夜明けてまたも昼時。

此処紅魔館では朝から倒壊した壁や、内装の復旧作業が行われていた。

作業にあたるのはメイド長をはじめとする妖精メイドやホフゴブリン、召喚された下級悪魔など

 

「よーし、こんなもんか」

 

その中に1名、ここの住人ではない男の姿が

 

「こんな事なら霊夢と魔理沙も連れて来るんだったなー」

 

言うまでもない、今異変の解決者である柊隼斗である。

何故この面々に混ざっているのかと言えば、今朝隼斗は紅魔館を訪れていた。

理由は異変解決後に行われる『宴会』の話をするため

 

幻想郷の新しい取り決めとして、異変が発生し、それが解決に至った場合はそれまでのいざこざを水に流すと言う意味で宴会が行われる。そして異変を起こした者が宴会の酒持ちを担う事になる

 

しかし紅魔館では異変から1日と経っていないとはいえ、未だ復旧作業中であり人手が足りない状態だった。

そこでメイド長である『十六夜 咲夜』から『お前も壊しただろ、手伝え』的な事を言われ現在に至る

 

 

そういやあのメイドも涼しい顔して結構容赦ないって霊夢が言ってたな

 

「霊夢といいメイドといい、最近の娘は凶暴だn…」

 

「誰が凶暴よ」

 

突然真横から飛来したナイフをノールックでキャッチする隼斗。

噂をすればのメイド長がにこやかな笑顔で現れた

 

「いきなりナイフ投げんなよ危ねーな」

 

「作業の進行具合はどうかしら?」

 

「スルーかよ………作業っつっても瓦礫運びだろ?とっくに終わってるよ」

 

 

※隼斗は修復術が使えない為、瓦礫撤去などの重作業

 

 

「あら意外に早いわね。なら次は庭の掃き掃除でもして貰おうかしら」

 

「えっ、俺一人で?」

 

「心配ないわ、何名か妖精メイドを寄越すから」

 

「……心配なんだけど」

 

 

 

 

「あっ!馬鹿ゴミ集めてるとこに着地すんな!!」

 

 

 

 

「おーいそこさっき掃いたぞー」

 

 

 

 

「チャンバラすんな!男子中学生か!!」

 

 

 

「はぁ〜〜やっと終わった」

 

裏庭にある花壇の淵に腰掛け溜息を漏らす隼斗。妖精メイド達はとっくに何処かに行ってしまい、完全放置状態だった。

すると不意に後方から気配が一つ

 

 

 

「……フラン」

 

「よくわかったね」

 

「昼間なのに動いてていいのか?」

 

「直接日の光を浴びなきゃ大丈夫だよ。それに今までのこともあって決まった生活サイクルがないからね」

 

フランは陽気に笑いながら隼斗の隣に腰掛け、世間話が始まる

 

「まだ昨日の今日だけど、どうだ?ここの奴らとの仲は?」

 

「あはは、なんか初登校した日のお父さんみたいな質問ね」

 

「少なくともお兄さんって歳じゃねーからのう」

 

見た目は二十代前半だが、恐らく幻想郷内じゃ年長者の一人であろう隼斗は、やや貫禄を意識して答えた

 

「うん、思ってたよりも良好だよ。お姉様やパチュリーに咲夜、後門番の美鈴も気さくで面白かったし。あっ、でも他のメイド達からは若干怖がられてるかな〜?」

 

他にも聞けば聞くほど出てくる話、経った1日でそこまで進歩があったのなら大したもんだと感心する隼斗に、今度はフランから質問がきた

 

「そう言えば隼斗は何しにここへ来たの?」

 

「……それが聞いてくれよフラン」

 

隼斗は今朝からの経緯を話した。

成り行きで手伝えと言われ、渋々承諾するもやる事は雑用並に地味な作業。それでもコキ使うメイド長、妖精メイドに振り回されただの、自分は宴会の話を持って来ただけなのにと、少しばかりの尾ヒレもトッピングして説明した

 

「ぷっ、それは災難だったね」

 

「……吹き出してんじゃねーよ。まあ、それもあと少しで終わりそうだし別にいいか」

 

隼斗は腰を上げ軽くストレッチしながら側に立て掛けてある竹箒を掴んだ

 

「そろそろ戻るわ。これ以上サボってるとまたナイフが飛んできそうだからな」

 

「…う、うん」

 

若干寂しげな声色で返事をするフランに、隼斗は「…それから」と付けたし、

 

「今日の宴会、お前も来いよ?場所は博麗神社って所でやるから」

 

「!」

 

ーーーさっきまで無風だった裏庭に一陣の風が吹く

 

それはフランの髪を靡かせ、隼斗の集めていた塵を天高く舞い上げた

 

 

 

「ぬわーーーーーっっ!」

 

 

 

 

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