東方万能録   作:オムライス_

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9話 諏訪の国の小さな神

「本当にこの国を攻める気はないんだな?」

 

「なんか話が大分飛躍してるが、そんなつもりはサラサラないよ」

 

神奈子との激戦?の後、暫く放心していた神奈子が急に顔を蒼くして

 

「わ、わかった。話し合いの場を設けよう」

 

と言ってきたので承諾して着いて行き、現在に至る

 

まあ話した内容って言っても俺がこの国に害を成す存在ではない事を説明した上で納得してもらっただけだが

 

「しかし、隼斗は何者なんだ?神官のみならず私でも勝てないなんて本当に人間なのか?」

 

「だから言ってるだろ?俺は超人だって」

 

「その超人?…って言うのがわからないんだけど」

 

 

「簡単に言えば人知を超えた物凄い力を持つ人間、ってとこかな。基本的には身体能力がアホみたいに高い人間と思ってくれていい」

 

「しかし身体能力が高いだけでは神力で作られた閃光は破れないだろう?」

 

閃光……ああ、レーザーの事か

 

「それは拳を霊力で覆ってたからだ。って言っても俺は霊力の使い方が下手くそだから強化とかは出来ないけど」

 

「じゃあアレ素の力なの…?」

 

げんなりした様子でそう訪ねてくる神奈子

 

「大体5割位だ」

 

「」

 

今度こそ完璧にフリーズした神奈子

 

「あ、アレで半分か!?」

 

「超人だからな!」

 

なんか此れからも同じ様な質問されそうな気がするけど、この言葉だけで乗り切れそうな気がする

 

「うーん。断片的には何と無くわかった様な…」

 

「心配するな。実のところ俺もよくわかってない」

 

「いいのかそれで!?」

 

まあこんな感じで大和の神と打ち解けていき、その日の晩は酒を飲み交わした

 

ーー

 

俺が大和の国を訪れてから三ヶ月が過ぎた頃

 

 

見張りの神達が話していたことだが、近々大和は諏訪の国と呼ばれる国の神、洩矢諏訪子から信仰を奪い自国の勢力を上げる動きに出るのだとか

 

「神でも戦争するんだな。意外だ」

 

「信仰は神にとって謂わば神力の源だからな。致し方ない」

 

神奈子が、言った神力と言うのは人間で言う霊力、妖怪の妖力の事だ。

 

「それで相手国は何て?」

 

「…どうやら素直に応じる気は無いらしい」

 

って事は戦うのか、この大国と。

戦力的にも勝負は目に見えてるが

 

「戦力差で考えれば相手国が戦力総動員させても勝ち目がある様には思えないけど?」

 

 

「いや、洩矢は国の民を戦で傷付ける訳にはいかないから一人でウチに挑む様だ」

 

「マジで?」

 

そりゃ尚の事無理だろ…

聞く限りじゃ洩矢諏訪子は土地神の中でも最高位に位置する神だが、神奈子も風神と呼ばれる程名の通った神。加えて配下には幾人もの神々が付いている

 

「…よし」

 

「ん?どこに行くんだ?」

 

「ちょっちね」

 

 

 

俺もお人好しなんかねェ…

 

ーー

 

「えーと、村人に聞いた話だとあの神社か?」

 

村外れにある山。その上の方に大きな神社が見えている。

 

麓から山頂までザッと見て1000メートルもないから助走なしで行けるかな

 

「ほっ!」

 

地面に足型が残る程の脚力で一気に山頂まで跳んだ

 

風を切りながら徐々に近づいてくる神社

 

だが此処で問題発生。

 

着地地点に賽銭箱がある

 

「あっ、やべ…」

 

ドォォン

 

ガシャーン

 

 

 

 

 

「…」

 

 

さて、マズいことが三つある

 

・豪快な音を立てて着地

 

・賽銭箱粉々

 

・賽銭箱に気を取られて着地時に衝撃を殺すのを忘れた為、神社の石畳粉砕

 

以上の事から導き出される答えは一つ

 

「おいおいコレやべえよ。何か完全に襲撃しに来たみたいになっt…」

 

「誰だ!!」

 

キタ―――orz―――― !!

 

「ああっ!?神社が…!貴様何て酷いことを!!」

 

出て来たのは金髪でヘンテコな帽子を被った幼女。

神奈子と同じ神力を感じるからこの子が洩矢諏訪子で間違いないだろう。

とりあえず謝らねば

 

「いや、その…すんません」

 

「さては大和の手の者か!合戦前に襲撃とは姑息な!」

 

おいおいおいおい話がとんでもない方向に向かってるんだけど!?

何か刃物みたいなもの出してきたし、戦う気満々じゃねえか

 

ヤバい!早く軌道修正しないと

 

「ま、待て。子供がそんな物振り回しちゃ危ないぞ?それに俺は大和の国とは関係が…」

 

「子ど…気にしてることをよくも〜!!ゆるさん!!」

 

しまったァァァ!?修正するどころかロケットブースター点火しちまったァァァ!!

 

「いや本当ごめn…」

 

「問答無用!!」

 

両手に持った円形の刃物を構え突っ込んでくる洩矢の神

 

「…結局こうなるのかよ」

 

幼い見た目とは裏腹に、人間を遥かに超える速度で斬りかかって来る辺り、やはり最高位の土地神と言うべきか

 

「くっ、この!なんで当たらないんだ!」

 

まあ当たらなければどうと言うことはない

 

俺が斬撃をスイスイ避けていると、それにイラついたのか洩矢の神は一旦距離をとり地面に手をつけた

 

「串刺しになれ!!」

 

次の瞬間地面が勢いよく盛り上がり、無数の突起が襲いかかってきた

 

「おおっ!ハガレンで見たことある技だ!!」

 

俺は生前憧れた某漫画に登場する技を目の当たりにして感激した。

 

勿論躱しながら

 

「な、なんで当たらないのーー!??」

 

この技に余程自信があったのか知らんが、全て躱しきった俺を見て唖然として技の発動を解いてしまっている

 

「スキあり!」

 

「ふぐぅぅー!?」

 

そのスキを見逃さず素早く背後に回り軽く手刀を落とした。

 

大分加減したつもりだが、くらった洩矢の神は叩きつけられた蛙の様なポーズで地面にめり込み目を回して気絶した

 

「あちゃ〜やり過ぎた。悪い事しちゃったな」

 

この状況に呆然と立ち尽くす超人と目を回している神

 




本文に出てきたハガレンの技とは勿論あの手を合わせて地面バンッ!ズオァァァ!ってやつです
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