【安価スレ】転生者ワイ、家の地下にある代物で色々作れるから楽しもうぜw   作:同感するワイト

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黒栗ってかっこいいけど、ACVDしてると金策キャラとしか思なくなってしまう。あとファットマン大好き。



9話 くろいとりがのこすはね

IS学園。

そこではISの一大イベントとも言えよう、ISの高機動パックによる超音速下のスピード競技《キャノンボール・ファスト》が行われていた。

 

通常であればIS学園を卒業したベテランパイロットによって行われるも、今年度はIS学園に高い実力を持つ代表候補生が入学した上、世界初の男性パイロットや篠ノ之束の妹など、超がつくほどの重要人物が入学したことにより、IS学園で行われていた。

 

そんなキャノンボール・ファストもとうとうクライマックス。観客席も熱く盛り上がり、大盛況に包まれていた。

そんな中、1人の男が凛とした雰囲気でその光景を眺めていた。

 

男は左手につけた独特な黒い腕時計をチラチラと見ながら、会場そっちのけで、周りを見渡していた。

 

「……黒栗も、理論上であれば俺への毒素を消しきれてはいるんだけど、どうなる事やら。まぁ、死にそうになれば、計画を早足にすればいいだけだしな」

 

男はブツブツと呟く。

しかし、周りの人間は、目の前の白熱した状況に目が離せず、男の呟きは歓声の中に消えていく。

 

そしてキャノンボール・ファストが終わる寸前。男は立ち上がり、見回りをしている千冬の横を横切る。

それと同じくして男は口角を上げる、千冬に小声で、しかしはっきりと告げた。

 

「俺はイッチだ。全学年専用機持ちタッグマッチの当日にIS学園でテロを起こす。楽しみにしていてくれよ、プロジェクト・モザイカの成功例さんよ」

 

「ッ!貴様ッ―――!」

 

不気味にクツクツと笑いながら、千冬を通り過ぎた。

千冬は急いで振り向き、男───イッチを追おうとするも、そこには既にイッチは居らず、消えていた。

 

「全学年専用機持ちタッグマッチにテロ……。校長にも報告せねばな」

 

尻尾を掴むことができない相手。故に警戒しかできない自分の無力さを呪いながらも、千冬は報告を急いだ。

 

───

──

 

時は経ち、深夜23時。イッチはイタリアのアヴィアーノに来ていた。

 

「アーキタイプ・ブレイカー組の出身国襲う訳にも行かないしなぁ、まぁ、イタリアが丁度いいか。黒栗の試験運用としてもばっちしだし」

 

そう楽しそうに独り言を言いながら、アヴィアーノIS空軍基地に足を踏み入れる。

 

「待て、貴様。ここはアヴィアーノIS空軍基地だ。関係者以外、それも一般人は立ち入り禁止だ。今すぐ出ていけ」

 

イッチは屈強な男の警備員2人に取り囲まれる。

それでも、イッチの態度は依然変わりなかった。

 

「いやぁ、無関係者とは酷い言い方ですねぇ。これから関係者になるのに」

 

「これから関係者になるだと?ふざけているのか?今すぐ出ていけ!」

 

イッチの舐めたような発言に警備員は苛立ちを募らせ、怒号をあげる。

 

「俺は事を急いでいるので。それでは、ご機嫌よう」

 

炸裂音が2回響き渡る。警備員の顎下と頭頂部からは鮮血が吹き出しており、そのまま倒れる。

イッチは警備員の死体を踏み越えながら、手に持っている拳銃を放り投げ、アヴィアーノIS空軍基地をズカズカと歩いていった。

 

すると、そらから何かが降りてくる。

ラファールを纏った軍人5人だ。

 

「そこで止まれ!今すぐ両手を上げて、両脚を地面につけろ!さもなくば撃つぞ!」

 

イッチは軍人にそう脅される。

しかし、それでもイッチは怖い怖いと笑いながら、フラフラと両手をあげる。

 

「貴様…!男の癖に調子に乗って!構わん!撃ち殺せ!」

 

その掛け声と共に全員が銃を構え、引き金を引こうとする。

その瞬間、辺りに少しだけ光が灯った。薄いターコイズブルーの光だった。

そしてそれは小さな光の粒子によるものだった。その粒子を出していたのは、他でもないイッチ本人だった。

 

「夜の楽しいパーティーを始めようか」

 

その言葉と共に光の粒子は爆発し、ラファールを纏った軍人たちを容易く吹き飛ばした。

 

粒子が放つ光はより強く光り、夜の駐屯地を照らす。

その中心にはナニカが居た。各所が赤く赤熱化している機械。一言で言えば《黒い鳥》と言えようその異形たる姿を現していた。

 

「くっ!本部に通達!男がISと思わしき兵器を展開し、門の前で暴れ始めた!増援を求む!」

 

デザインが優先される近代のISとは異なり、フル・スキンの武骨なその外観。まさしく兵器そのものだった。

 

「御伽噺をしようじゃないか」

 

イッチ、もとい黒い鳥は淡々と語り出す。

 

「かつて、人間は自らの手で破滅の一途を辿っていた。それを見兼ねた神様は人間を救うために手を差し伸べ、救いを与えようとした。しかし、それを邪魔する者が現れた。それは黒い鳥と呼ばれた。何もかもを黒く焼き尽くす、死を告げる鳥」

 

「フッ…ハハハッ……。それがその黒い鳥だとでもいうのか?」

 

1人の軍人が馬鹿にするように笑いながら、立ち上がり、黒い鳥に問いかけた。

 

「えぇ。この機体こそが黒い鳥。人間を破滅に導く、死と破滅、破壊の象徴たる鳥ですよ」

 

「何を馬鹿なことを!第1世代の型落ちごときが!」

 

軍人はアサルトライフルを乱射する。

しかし、弾は虚しく黒い鳥を掠めることなく、全くの別方向へ飛んで行った。

 

「なっ!どういうこと!?まさかバリア!?」

 

軍人たちは困惑する。

そしてそれを眺めるイッチはまるで楽しそうであった。

 

「この機体には勝てないさ。お前たちじゃな」

 

そして黒い鳥、否、《N-WGIX/v》は背部に‪✕‬字型のスラスターを吹かし、イグニッション・ブーストと同等とも言えよう速度で、人の軍人に接近し、ブーストの勢いを活かし、蹴りつける。蹴りを食らった軍人は機体の装甲が粉々になりながら、吹き飛び、倒れた。

 

「なっ!撃て!撃ち続けろ!」

 

N-WGIX/vは軍人たちが乱射する弾丸をブーストで避けながら、右手のリニアカノンから放たれる痛烈な一撃で撃ち落としていく。

 

「んーー、安価では言われてない事だしなぁ。まぁ、一国潰したところで変わらないか」

 

イッチはそう言いながら、飛行しようとすると、上空から無数の弾丸がイッチ目掛け飛んでくる。

イッチは弾丸を避けながら上空を見れば、そこにはまたラファールを纏った軍人がいた。

 

しかし、数は先程の数倍以上。そして、その中には2機、専用機が居た。

 

「イタリアの専用機、《アウローラ・フォスキーア》と《フェニーチェ》、だったか?めんどくせぇもんが来たもんだよ」

 

イッチは嫌々そうにしながらも、満更でも無さそうに、リニアカノンと左手のVTFカノンを構える。

 

相手は国家代表候補生ではあるものの、現役の軍人。実力は国家代表に近しくもある。油断はできない相手だ。

 

「随分とまぁ、よくやってくれてるわね」

 

「第1世代ISモドキのよく分からない物を持ってきて。最近のテロリストは何をしでかすかわかったものじゃない」

 

アウローラ・フォスキーアを纏った女性《アルベルタ》がN-WGIX/vに鼻で笑いながら、言う。それに続くようにフェニーチェを纏う女性《シルヴィア》も小馬鹿にするようにそう言った。

しかし、N-WGIX/vはうんともすんとも言わず、ただ高圧的な態度の2人を呆然と見ているだけだった。

 

「あら、もしかして、専用機2人相手だと流石に黙っちゃうかしら?」

 

「いや、違いますよ」

 

煽るアルベルタにN-WGIX/vは言い返した。

 

「代表サマを呼ばなくていいのかなって。だって、貴方たちだけじゃ、俺を倒すの無理だと思いますよ?」

 

「言ってくれる!」

 

最初に飛び出したのはシルヴィアだった。

レイピア型の武器《アーゴ・ディ・ベネディツィオーネ》を構え、N-WGIX/vに向かってイグニッション・ブーストで突進し、突き出した。

 

しかし、刃はN-WGIX/vに当たらず空を斬り、シルヴィアの腹部に突きつけられたVTFカノンから放たれた砲弾が、ISのバリアを貫き、跡形も残らず、消し飛んだ。

 

「バリアが発動していない?いや、バリアもかき消した?」

 

「正解。コレ(N-WGIX/v)に使われてる粒子はバリアも貫けるようになる便利品でね。人にも害を及ぼすから、こう俺が喋ってる間も、空気汚染が行われてるんだよ」

 

N-WGIX/vは自慢げに話しをする。

しかし、アルベルタは静かに左手を上げた。

 

「狙撃部隊、やりなさい」

 

その言葉と共に、赤い閃光が、四方八方からN-WGIX/vに迫る。

 

「マジか」

 

N-WGIX/vは上にブーストをかけ、上空に一気に飛び上がり、回避する。先程まで自身がいた地面は綺麗に削られており、少しだけ、感心を持っていた。

 

「なるほど。こりゃ、ヤバいね。早めに終わらせなきゃ無さそうだな」

 

N-WGIX/vがそう言うと同時に、数十にも及ぶ高速ミサイルを放ち、ISを撃墜していく。

アルベルタはミサイルの雨とも言えよう状況の中、正確に回避を続けた。

 

とうとうミサイルが止み、アルベルタは攻撃を命じようとするも既に自身以外に誰もおらず、その光景から判断が遅れた。

 

たった0.1秒未満の遅れ。

しかし、それが命取りとなり、人を喰らう黒い鳥の餌食となるには十分な時間だった。

 

ガチャ……───

 

アルベルタの耳元で機械の重々しい音が聞こえた。額からは冷や汗が一滴、また一滴と流れた。

 

「最後にこいつのデータ収集してるヤツらへ。あんたらの代表サンにこう言え。俺を殺したくばIS学園と仲間になって、全面戦争を仕掛けろ、ってな」

 

アルベルタはサーベルを腰から抜き、振るう。

しかし、刃は黒い鳥の羽にも届くことはなかった。

轟音と共に、アルベルタが爆発の中で消えた。焼けた赤い液体がN-WGIX/vの装甲に付着した。

 

「ゴホッゴホッ───!うわっ…血ぃ吐いた……、気持ちわりぃ……。かーえろっと」

 

吐血混じりの咳が出ながらも、N-WGIX/vはブースターを吹かし、惨状と化したアヴィアーノIS空軍基地から去った。

 

午後23時46分。アヴィアーノIS空軍基地は国際的テロリストであるイッチと、その乗機N-WGIX/vにより、50分足らずで壊滅した。

 

そしてここから始まった。

イッチの手により、世界に混乱と破滅が齎されるのは。

イッチの名前いる?

  • いるに決まってんだろ!
  • いるわけねぇだろ!
  • どっちでもいいだろ!
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