【安価スレ】転生者ワイ、家の地下にある代物で色々作れるから楽しもうぜw   作:同感するワイト

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日間ランキング60位、二次創作日間ランキング43位マジ……?え、怖……


10話 妖精の王女

バーレーンの砂漠の中心部、イッチはそこに立ち尽くし、来るべき時を待っていた。

 

「てことでまぁ、名前の安価忘れたのはマジでごめん。こっちで考えた。後、ギミックとか色々付け足しちゃったンゴねぇ」

 

:はいはい、切腹切腹

:わいどう責任取っど?腹切れや

:あなた殺魔の方ですか?

:それ薩摩ホグワーツの方の殺魔だろ

 

いつもとあまり変わらないような、酷い民度のコメントが流れる画面を横目に、イッチは時計をチラチラと見ながら、その手に握る中心にラピスラズリのような蒼い石が埋め込まれた白銀のロザリオを見つめる。

 

「まぁ、ちゃんと理由あるから聞いてや。なんかUAEでISのパイロットしてる人が俺の活動手伝いたい、カタフラクトが確実に有効かわかってないからリスキーすぎるだなんだ言い始めて、結局ISを改修するって事になったんだよ。それで悩んだ末にもう既存のやつを渡せばいいかってなって、結果、安価にないギミック付け足したってわけ」

 

そう弁明するイッチにスレ民の反応は、かろうじて少し理解はできたと言えるものだった。

 

:へー、それで、それがなにか問題?

:スレ主らしく安価通りにやれや

:で、追加ギミックってどんなの?

 

「追加装甲。オーヴェロンみたいな。機体の本当の姿とかを隠すためのやつ」

 

:オーヴェロンらしくなってきたな

:それ必要?

 

「渡すんだからしゃーない。ごめんけど、こっちも良い感じに信頼関係やら築いて、やってかなきゃ、上手く回んないんだよ、色々と。だからそこら辺は見逃してくれよ」

 

イッチは元一般人のテロリストと言えど、裏では中東を実質的な味方につけ、欧米諸国や日本を敵に回している程の世界的立ち位置に着いている。

そしてこれからある計画や行動を円滑に進めるためには、安価とは違うことをしなければならない事もあった。

 

:それはしゃーない

:まぁ、最終的な物が安価通りになればいいやろ

 

「そういうことだ。さて、そろそろ機体を動かすとしますかね」

 

白銀のロザリオが光を放った。

そこから形成されたのは白を貴重とし、全体的に太くマッシブで背部のバックパックには大型のスラスター3基とバックパックの両側に大型のエナジーウイングを装備した妖精の女王の名を冠する機体《タナキル》だった。

 

タナキルはスラスターを吹かしながら、エナジーウイングを展開し、空高く舞い上がり、IS学園がある方角へと飛んで行った。

 

───

──

 

IS学園第2アリーナでは、全学年専用機トーナメントが始まり、ファンファーレが高らかに鳴り響いていた。

しかし、それはヤツの到来で掻き消された。

 

ファンファーレが突然止み、その代わりにサイレンがアリーナ内に鳴り響く。

 

『警戒レベルS。皆さん、早急に落ち着いて避難してください。繰り返します。警戒レベルS。皆さん、早急に───』

 

避難を促す放送がピンク色の一筋の閃光によって消された。

アリーナを覆うバリアはガラスのように容易く砕け散り、消える。

 

土煙が辺りを覆い、悲鳴と叫び声、怒号が混ざった地獄のようなその場所に、ヤツは姿を見せた。

 

白い単眼の機体。その姿は見る者によっては妖精とも捉えられよう姿。その右腕には大型のビーム砲兼大型ビームサーベル兼遠隔誘導兵器《ロングレンジ・フィン・ファンネル》を装備していた。

 

名をタナキル。妖精の王オベロンの娘の名を冠した機体であった。

 

「んーー、お楽しみ中失礼する。まぁ、軽いジャブ程度にテロを起こしに来たさ。こんな感じに」

 

タナキルに乗るイッチがスピーカーの音量を上げ、全体にそう言い、指を鳴らした。

タナキルはその右腕のロングレンジ・フィン・ファンネルを構える。そしてその砲口からビームが発射され、薙ぎ払いながら、観客席のシャッターすらも貫き、観客席に居る人間を撃った。

 

ビームに貫かれた人間は血の1滴や灰すらも残さず、消し飛び、その付近にいた人は肢体の欠損や火傷を負った。

 

「ほら、早く出てこなきゃ後処理面倒になるよ?イタリアの代表さんもいるんだろぉ?早く出てこいよ」

 

「なら、お望み通り相手になるサ」

 

その言葉が聞こえた瞬間、突風がタナキルを襲った。

そしてその突風は風圧による斬撃を内包しており、タナキルの装甲に傷をつけた。

 

そこに居たのは特徴的なウイング・ユニットを持つイタリアのIS《テンペスタ》だった。

 

「それにしても、やってくれたものサ。事後処理をするこっちの身にもなって欲しいサ」

 

悲惨そのものとなった観客席を見てアリーシャは溜息を零した。

 

「別に良いだろうよ。隊列を作った蟻を殺した程度で何にも思わんだろうよ」

 

他者にあまり興味のないアリーシャを馬鹿にするようにイッチは嘲笑した。

 

「それに俺が殺したっていえばいいだけの話だろ?それに、あんた一人か?いくら腕のいい女とは言え、随分と舐められたもんだ。たかが1人で満足できるほど、俺は安い男じゃないぜ?」

 

その軽口にアリーシャは思わず笑ってしまう。

強者故に孤高だった。自らと渡り合えるのは千冬ただ1人だと思っていた。

しかし、それは違った。

目の前にいる男、イッチは見ただけでわかった。機体のみの強さではない。イッチ自体も桁外れの力を持っていると。

そしてアリーシャは必然的に笑ってしまった。

 

「私1人じゃ満足できないとは言わせないサ!」

 

アリーシャは風で形成された槍を握り、タナキルの頭目掛け、突き出した。

タナキルは右腕のロングレンジ・フィン・ファンネルを右肩に付けた後に右手首裏に収納されているビームサーベルを射出し、握り、そこから発生するビームの刃で槍を止めた。

 

「これでも本気を出した方だったけど、止めるとはネェ」

 

「そりゃ、どうも。お礼にこれをくれてやるよ!」

 

タナキルが左手にコールしたのはビームショットライフルだった。

上部の銃口から黄色の閃光がアリーシャの腹に向かって飛ぶが、アリーシャはビームショットライフルを足場に、宙返りのようにタナキルの頭上を取り、脳天に槍を突き出した。

 

「っぶねぇ……。ヒヤヒヤすんじゃねぇかよ」

 

タナキルは間一髪でその一撃を回避し、槍を握ってアリーシャの動きを止めるが、頭部右側面に大きな傷が入っており、明確にダメージが入っていた。

 

タナキルは舌打ちをしながら、サマーソルトのようにアリーシャを蹴り、距離を取った。

 

「ったく。この装甲脆い上、厚いから動きづらいったらありゃしねぇよ」

 

自分で作っておいてあれだが。そう付け足すように呟きながらロングレンジ・フィン・ファンネルを右腕に装備し、長大なビームの刃を出した。

 

「どーせくんだろうよ。あんたのお仲間さんもなぁ」

 

ケッと嫌々そうに吐き捨てながら、モノアイがアリーシャの後ろを見つめた。

そこには普段見てきた専用機持ちや千冬、そして日本代表候補《更識 簪》やロシア代表《更識 楯無》。ギリシャ代表候補の《フォルテ・サファイア》、アメリカ代表候補であり亡国機業のメンバーだった《ダリル・ケイシー》もとい《レイン・ミューゼル》がこちらに向かってきていた。

 

「はぁ〜〜……。そんな数で1人をリンチすんのが正義のヒーローたる専用機持ちのやる事なのかよ。えぇ?全国のお茶の間の子供たち泣くぞ?」

 

「人を何人も殺しておいて何を言ってんだよ!」

 

タナキルの冷やかしとも取れるように茶々を入れたが、一夏はその言葉により怒りを燃やした。

 

「どひゃーー、怖い怖い。代表2人に元ブリュンヒルデ、その他代表候補と豪華メンバー。流石の俺もヤバいかなぁ」

 

普段通りの軽口とも取れるが、IS学園側も11人も出し、イッチを迎え撃っている。数的有利で勝てる可能性は高いものだと思っていた。

 

「まぁ、やれるだけやってやるか」

 

左手にはビームサーベル、右腕に大型ビームブレードを出したロングレンジ・フィン・ファンネルを装備し、専用機持ち達へ向かって行った。

 

タナキルは四方八方から飛んどくる攻撃をビームサーベルでいなし、ロングレンジ・フィン・ファンネルの大型ビームブレードで打ち消しながら専用機持ちを相手取るが、背後に強烈な衝撃が襲う。

 

見てみれば、一夏がタナキルに突撃し、掴まっていた。

 

「クッソ!蛮勇のドアホがッ!」

 

「今だ!やってくれ!」

 

バックパックを蹴られ、空中で動作の制御を失った。

地面に落ちる最中、タナキルは目にした。

 

火器をタナキルに向けられており、防ごうとしたが、既に遅かった。

一斉に放たれた攻撃は全てタナキルに着弾し、タナキルを中心に大きな爆発を起こした。

 

「………反応は?」

 

千冬が全体にそう聞いた。

全員が固唾を飲み、それに答えたのはアリーシャ

 

「ンーー、山勘ではあるけど───生きてるサ、アイツは」

 

その言葉に全員が驚きを隠せなかった。

それと同時に起こったことだった。突然、土煙の中から数十もの緑色の細い光の線が土煙を斬り裂いた。

 

「大正解。流石は元ブリュンヒルデの織斑千冬みたいに平和ボケしてないだけあるな」

 

ヤツの、イッチの声が全員の耳に入った。

薄く舞い散る土煙の中。そこには先程と同様に全身が白く、そこに黒のラインが入っており、頭部には特徴的なV字アンテナ、目はモノアイから鋭いツインアイへと変わっていた。

 

「ちょうどアレ(タナキル)のデータも取れた。今度はこれで行かせてもらうさ」

 

新たな姿を現したタナキル、否、《アマルガム・グロリアナ》は専用機持ち達にそう告げ、再び、ビームサーベルを構えた。

イッチの名前いる?

  • いるに決まってんだろ!
  • いるわけねぇだろ!
  • どっちでもいいだろ!
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