【安価スレ】転生者ワイ、家の地下にある代物で色々作れるから楽しもうぜw   作:同感するワイト

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1話 稲妻の狙撃は人知れず

ブラジル、アマゾン熱帯雨林アマゾン川中流域付近。そこには1人の男がいた。

とてつもない豪風と豪雨、轟雷に見舞われるスコールの中、男は黒いレインコートを着て、右手に持っている鶏肉の串焼きを齧りながら、呑気に空を見上げる。

 

「気分的にはそんなだけど、まぁ好都合ではあるし狙撃も……できないな訳じゃないから無問題(モーマンタイ)だな」

 

大口を開き、残りの鶏肉を一気に口の中に入れ、飲み込む。

男はもう片手のビニール袋に食べ終わった後の串を入れると、串は袋ごと光の粒子となり消える。

 

男はそれを確認し、ポケットから腕時計を取り出した。それは黒く、針が曲がっていたり、歪で複雑なデザインをした独特なものだった。

 

「篠ノ之さんには、まぁ……少数の楽しみであるエンタメの為だ。悪く思ってもらってもいいから、恨んでくれるなよ───なんてな」

 

血眼で狙われるか、と苦笑いをしながら、腕時計を強く握る。すると腕時計は強い光を放ち始め、男を覆う。

光は豪雨に溶けるように徐々に消えていき、男は姿を表す。

 

それは先程までの生身の姿ではなく、マッシブな人型の機械であり、全身にミリタリー風の大小異なる正方形の装甲を持ち、背部には身の丈以上もある大型のバックパックユニット、そして両腰には独特な形状の柄の大太刀と太刀が計2本の3m程の全身装甲(フル・スキン)のIS、イレギュラー(転生者)の笑い事で、御遊びで、巫山戯事で作り上げられた機体《アナーキー・イディオット》だ。

 

「さて、この環境で撃ち抜けるもんかね。狙撃は専門外だしなぁ」

 

背部のバックパックユニット《ライトニングストライカーAP仕様》のバッテリーから延びたコードで繋がれた長大な巨砲《70-31式電磁加農砲》を右膝を地面につけながら構える。

 

男の視点からは1万6千Km以上先に位置するISパイロットを養成する特殊施設《IS学園》の上空。そしてIS学園第2アリーナ上空周囲の熱源反応を感知するためのレーダー映像が見えていた。

 

「数は───6!?マッジかよ、1機じゃねぇのか…?」

 

自身が知っているISの歴史(ラノベのストーリー)の内容とは違う機体数に驚きを隠せず、その数に落胆してしまう。

 

しかし男は「これもあいつらの為だ。スレ主の意地見せてやるか」と意気込み、狙いを定める。

 

発射角度、方向、弾道予測完了。

深く息を吐き、トリガーに乗せている人差し指に徐々に力を入れ、タイミングを見計らう。

 

IS学園の上空付近にいるゴーレムが方向転換の為に止まったコンマ0.1秒。男は引き金を引いた。

 

その砲身の大きさにそぐわぬ小さい発砲音から放たれた弾丸は木々の枝を吹き飛ばしながら空高く飛ぶ。

その6秒後。レーダーからゴーレム1機の反応が消え、ゴーレムは上空で跡形もなく爆散した。

 

他のゴーレムは警戒態勢を取り、周囲を索敵する。地球の裏側の熱帯雨林のど真ん中に居る敵をだ。

男からすれば子供が親を探しているかのようなシュールな光景で、鼻で笑いながらも1発、また1発と引き金を引き、弾丸を撃ち出す。

 

それと比例するようにゴーレムも1機、また1機と弾丸に撃ち抜かれ、爆散する。

 

「よし!ラスト1機!」

 

男は残りのゴーレム1機を撃ち抜こうと、弾丸を放つも、不運が訪れた。

突風により発生した竜巻と轟雷が弾丸にぶつかる。

弾丸はその瞬間的ながらも大きな衝撃に射線がずれて、ゴーレムにはかすりもしなかった。

 

ゴーレムはそれを見計らい、IS学園第2アリーナ地面に向けて瞬時加速(イグニッション・ブースト)を行い、ビーム砲でアリーナを覆うバリアを破りながら、アリーナ内部に姿を消した。

 

「フルスコアとはいかないか」

 

長居は不味いと思い、男はアナーキーを解除し、再び光を纏ったと思えば、あたかも最初から居なかったかのように、その場から姿を消した。

 

───

──

 

某島のラボ。その内部には()の天才科学者《篠ノ之 束》が目を見開き、目の前の巨大モニターを見ていた。

その目には驚きと怒り、そして大きな疑問が宿っていた。

 

「ゴーレムが5機撃ち落とされた……?!弾道から予測すると…アマゾン川中流域付近……、1万6千Km以上離れてる上、悪天候もいい所だったはずなのに…………」

 

有り得なかった。それこそ射撃戦ではISパイロット(凡人)では世界1位と言えるであろう《山田 真耶》ですら成す事がほぼ不可能に等しかった。

 

最後の1発は偶然にも起こった竜巻と轟雷によって外れたが、それが無ければ確実にゴーレムに直撃していた。

その狙撃手が生まれるのも、その狙撃手の弾が自然によって妨げられたのも、神の悪戯に他ならなかった。

 

そしてそれと同じくらいに、そこに居たはずの狙撃手が居なくなっていたことにも驚愕していた。

その場に居ないどころか全世界の監視カメラや衛星上にも映ることはなかった。まるで元から存在していなかったかのように。

 

「この天才束さんを敵に回すなんて、いい度胸だね───」

 

束の目には殺意が籠っていた。しかし、それと同じ程に籠っていたものがあった。人間(凡人)に飽き、見放そうとしていた天才の思考すらも凌駕するイレギュラーたる存在。

その存在に天才の心は揺れ動かされ、再び闘志を、好奇心を、人間への興味を焚き付けた。

 

そしてこの時を境に、物語の歯車は、徐々に、しかし確実に狂い、別の方向へと動き、回り始めた。

イッチの名前いる?

  • いるに決まってんだろ!
  • いるわけねぇだろ!
  • どっちでもいいだろ!
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