指令『青の中へ入り、先生となること。期限は無期限』 作:一般通過遂行者
シャーレへの部室付近は不良に占領されてしまっていた。
「連邦生徒会長に会いに来ただけなのに、なんで不良なんかと戦わなきゃいけないのよ!」
プリプリと怒るユウカだが、愛銃を手に、既に戦闘態勢へと移行している。
この子は素直じゃないんだな〜なんて感想を抱いていると、一発の弾丸がユウカに向かって迫り来る。
グローリアは咄嗟に助ける、ということもなく、ユウカにホローポイント弾が的中し吹き飛んでいく様を観察する。
「随分と頑丈なんだね〜、みんなこんな感じなのかな?」
「先程説明し損ねていましたが、 生徒達はヘイローというものを持っています。銃撃などに対してかなり頑丈ですので、あの程度なら痣が残るくらいでしょう」
「裂傷や刺突への耐性はどれくらいなのかな。刺突は弾の性質によっては充分な耐性がありそうだけど」
「ちょっと先生! 雑談なんてしてないで早く指示を!」
戦線に復帰したユウカから文句が飛ぶ。
他3人はそれぞれ好きに動いているが、ユウカは特に先生というものに期待をしているのか、気にかけたような発言をする。
「うーん、指示か〜。普段から指令通りに、以上はないんだけど……」
腕を組みながら顎に手を当てて考えるグローリア。
不良たちの戦闘能力自体はせいぜいネズミに毛が生えた程度。銃火器の取り扱いは立派なものだが、親指と抗争を繰り広げることもある人差し指代行者であるグローリアからすればなんてことはない。
「一旦、私の支援、お願いしようかな〜」
リンが何か制止しているが全く無視して、地面を割りながら不良の群れに突っ込んでいく。
顎を掻いていた手には小剣が握られており、飛来する銃弾を全て弾いていく。都市の強者にとってはある意味基本のスキルだ。
「銃弾を弾いてる!? 代行、あの先生は何者なの!?」
被弾したところを無視され観察されてたりイマイチ要領を得ない指示を飛ばされて、先生が突っ込んで行って不良をなぎ倒していく様を見て若干ヒステリックななっているユウカ。とはいいつつも、銃弾を弾かれて露骨に動揺している不良に的確に銃弾を叩き込んでいた。曖昧でも指令をこなすあたり、彼女の優秀さが出ている。
大立ち回りを見せるグローリアにハスミ、チナツ、スズミも視線を向けそうになるが、とりあえず目の前の戦闘に集中し、後で聞こうと心に決めた。
支援して、と指示したものの、特に指令と関係ない戦闘なため、そこまでやる気はないグローリアさん。指令ならここら一体の生命の息の根を止めることも達成してみせるが。
ということで、実験がてらどの程度頑丈と言われたここの住民へ攻撃が通るか、剣で軽く斬ってみたり、鎖で拘束して他の不良にぶつけてみたり。
普段受けることのない類のダメージを負った不良は、遠くにチラつく死への恐怖から戦闘に消極的になり、撤退していく。
そのため戦車の出番はすぐに来た。
図書館での敗北から、エスターに倣い速度2を身につけたグローリアを、素人に毛が生えた程度の操縦で捉えられるはずもなく。砲身はいとも容易く切り落とされてしまう。
ただの装甲車になってしまった戦車をハスミを中心に蜂の巣にすることでゲームセット。
リンとグローリアが雑談している間に煽っていたらしい囚人のワカモもいつの間にか消えており、先生としての初めての戦闘は完全勝利と相成った。
強くなったグローリアさん。
速度3-7、速度2、揺らぎ、解禁、強圧、指令の加護くらいは持ってそう。